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22.03.16

都立高校が“ブラック校則”5項目を廃止、背景は?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『都立高校が“ブラック校則”5項目を廃止、背景は?』


吉田:『ブラック校則』と呼ばれる“不合理”な校則が問題となる中、東京都立高校を中心とする都立学校は5つの校則を新年度(=来月)から全廃することを決めました。
廃止が決まった校則は、
・「生まれつきの髪の色を黒に染めさせる」
・「側頭部を短く刈り上げる『ツーブロック』の禁止」
・「下着の色の指定」
・「自宅謹慎による指導」
・「『高校生らしく』など曖昧で誤解を招く指導」
です。
神庭さん、今回、どのような経緯でブラック校則の廃止が決まったのでしょうか?


神庭さん:東京都教育委員会は昨年4月に、都立学校196校240課程に対して、時代に合わない可能性のある校則について調査・点検を指示したんですね。先ほど吉田さんからもお伝えいただきましたが、調査項目が以下の6項目です。
1.生まれつきの髪色を一律に黒に染めさせる
2.地毛証明書の提出(もともとの髪色が明るいだけで染めてませんという証明書)
3.ツーブロック禁止
4.別室指導など登校しての謹慎ではなく、自宅での謹慎
5.下着の色の指定
6.“高校生らしい”など、表現が曖昧で誤解を招く指導
ということなんですが、これを各学校で調べたところ、昨年4月段階で黒染めは7課程、地毛証明書は55課程、ツーブロック禁止は24課程、自宅謹慎は22課程、下着の色指定は13課程、高校生らしいのような曖昧指導は95課程で行われていたことがわかりました。『課程』というのは、博士“課程”とか前期“課程”とかの『課程』のことで、要するに、高校は『全日制』と『定時制』があるので、それぞれ別カウントで『課程』として数えているということなんですね。この6項目のうち、地毛証明書を除く5項目については、4月から全ての都立校で撤廃されます。地毛証明書に関しては55課程のうち20課程で残ることになりました。これは、髪を染めることを禁じる校則があることとのバランスとか、生徒や保護者から続けて欲しいという要望があったということなんですね。実際は染めておきながら「地毛ですよ~!」というふうに嘘をつくことができないようにするために、証明書を課して抜け道を塞いでおくということなんです。けど、ぼくは、そこは“疑わしきは罰せず”でもいいんじゃないかな?というふうには思いますけどね。


吉田:ブラック校則は問題になっていても、なかなか廃止されないという印象がありますよね。今回、都立学校が廃止を決めたことには、どのような背景があったんでしょうか?


神庭さん:4月から実施される新しい学習指導要領が背景にあります。新指導要領では、生徒の“主体的・対話的で深い学びの実現”というのを掲げているんですね。課題を発見し、主体的に考てえ、人と議論しながら納得できる解決策を見つける、ということが重視されています。そうした点も踏まえて、今回の調査・点検にあたっては、“生徒会役員と教員が校則について意見交換する”であるとか、“保護者会で保護者から校則についての意見を聞く”といった、そういったプロセスが採られました。


ユージ:今回のブラック校則の廃止、どのように評価されていますか?


神庭さん:教育委員たちの声というのは概ね好意的だったんですね。毎日新聞によると、10日にあった都教委の定例会では、北村友人委員が「生徒たち自身が主体的に考えて物事を決めていく環境が尊重されることが大事。大きな一歩だと感じる」と評価しました。山口香委員は「すばらしい取り組みだが、ここまで時間がかかったのは残念」と課題を指摘しつつ、「日本人はルールをただ守ることが美徳だという教育をされてきた。みんなで納得してルールを守る社会をつくるにはどうすればいいか議論するきっかけになれば」と話したということなんです。


ユージ:今回のブラック校則の廃止について、神庭さんはどのようにご覧になっていますか?


神庭さん:そうですね…、この問題って何年も前から騒がれていて、遅くとも2年前の段階で、ブラック校則問題は非常に物議を醸していたんですね。というのも、2020年3月の都議会で「なんでツーブロックがダメなんですか?」という質問に対して、教育長が「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めている」という明後日な方向の答弁をして批判を浴びたこともあったぐらいで、それからなんで2年もかかっちゃったのかなぁ?と正直、思います。学習指導要領うんぬんは関係なく、さっさと改正したら良かったんじゃないの?というふうに思う反面、評価できる部分もあります。逆説的な言い方になりますけど、『自由』というのは自分から考えて勝ち取るもので、“自由を押し付ける”というのは理論的にできないわけですよね。その意味で、“生徒たちが教員と意見を交わす”とか、“生徒たち自身が考える機会を設けた”というのは、すごく良かったと思います。「ルールはルール」とか「悪法も法」というのは、確かにその通りなんですけれども、ルールであり、法であるからこそ、適正なプロセスさえ踏めば、しっかり変えることもできるんだよというのもまた事実であって、今の時代に求められているのは、決ったルールに唯々諾々と従うだけではなく、疑問点とか課題とかバグを自分で見つけて、そこにパッチを当てて修正できる人だと思うんですね。言い換えると、“新たなルールをつくり出せる人”と言ってもいいかもしれません。どれぐらいの高校生がこのプロセスに関わることができたのかはわかりませんが、自分たちのあげた声で非合理なルールが変わるという体験自体がですね、最高の主権者教育になるんじゃないかなというふうに思います。


ユージ:まさに学校というのは、教育で、学びの場であるべきだから、やっぱり、社会に出た時に、“おかしい!”と思ったルールに声をあげられる、そういう能力を鍛えていくというのも重要ですよね。


神庭さん:本当に大事なことだと思いますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







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