22.01.12
コロナ対策、経済活動の制限は必要か?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
『コロナ対策、経済活動の制限は必要か?』
吉田:新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は今月9日、沖縄、広島、山口の3県に「まん延防止等重点措置」を適用しました。岸田政権では初めての「重点措置」の適用で、対象地域では経済活動が制限されることになります。広島県、山口県は、対象地域の飲食店に午後8時までの営業時間短縮と酒類の提供停止を要請。沖縄県は感染対策の基準を満たした「認証店」には酒類の提供を認めますが、午後9時までの営業時間短縮を求めています。神庭さん、「まん延防止等重点措置」が適用された地域では、繁華街の人出が減るなど、すでに影響が出ていますよね?
神庭さん:日経新聞が、ドコモ・インサイトマーケティングの位置情報を元に報じたところによると、重点措置初日の9日(日)、那覇市国際通り周辺の夜7時の人口は1ヶ月前の日曜に比べて3割ほど減少しました。広島市の繁華街・紙屋町も7時台の人出が3割減りました。重点措置が出ていないエリアでも影響が出ており、感染者数が連日増加している東京では銀座周辺の人手が1ヶ月前から6%ほど減りました。観光地の土産物店や飲食店、宿泊施設などは如実にダメージが出ており、沖縄ではキャンセルが相次いでいます。第5波が沈静化して、秋口からようやく客足が戻り始めたなかでの第6波。産経新聞は「また振り出しに戻った」「せっかく宿泊客が戻ったのに…」という沖縄のホテル関係者の声を紹介しています。
ユージ:日本も感染者が増えているので心配の声もありますけど、一方で海外に目を向けますと、感染が拡大しても経済活動を制限していない国もありますよね?
神庭さん:朝日新聞が世界の動きをまとめています。それによると、フランスは1日あたりの新規感染者数が30万人を超えていますが、成人の9割がワクチン接種を終えていることを理由に、外出制限や飲食店の営業時間の短縮は見送っています。1日の感染者が20万人を超えるイギリスでも、ジョンソン首相が現段階では規制強化する考えはないと表明しています。イギリスでは、おととしのクリスマスの際に、国民に厳しい行動制限をかけながら首相官邸でパーティーを開いていた「ダブスタ」疑惑がメディアで連日報じられていて、与党・保守党の支持率が低下しています。こうした背景から、国民の反発を恐れて規制強化を打ち出しづらくなっているのではないか、という見方もあります。アメリカでも感染者が100万人を超えていますが、ニューヨークでは特に経済活動を制限する動きはないです。ニューヨークはアメリカの中でも失業率が高く、経済へのダメージを考えると「止めたくても止められない」という事情もあります。また、ドイツではクラブやディスコの営業を禁止し、イタリアでは飲食店や映画館の利用をワクチン接種者らに制限しています。
吉田:今、世界中で猛威を振るっているオミクロン株は「重症化するリスクが低い」と言われています。重症化リスクが低いとしても、感染が拡大しているときには、経済活動の制限は必要だと思われますか?
神庭さん:確かにイギリスや南アフリカなど各国から、重症者や死亡者が減っていることを示す報告が相次いでいます。動物実験ではありますが、デルタに比べるとオミクロンは病原性が低いのでは?という研究結果が出ています。これ自体は歓迎すべきニュースです。ただ、WHOはオミクロンを「軽度」と分類すべきではないと警告しています。いつも口酸っぱく言っているように、重症化リスクが下がっても、分母が爆発的に増えたら医療はパンクします。現にアメリカでは入院患者が10万人を超え、医療が逼迫してきています。ニューヨークではエッセンシャルワーカーの欠勤などでバスの遅延や地下鉄の運休も起こっています。経済的な悪影響も大きいので、今すぐ東京や大阪で重点措置や緊急事態宣言を打つべきだとは思いません。ですが、病床使用率などを注視して、「まずいぞ」となればその時は躊躇せずに決断すべきです。感染力や重症度など過去の波とは単純比較できないので、「感染者数」だけに踊らされない方がいいです。
政府は当初、「Go Toトラベル」を1月下旬にも再開する考えだったが、斉藤国土交通大臣は「具体的な再開時期を申し上げる時期ではない」と述べ、事実上見送る考えを示しました。残念ですが妥当な判断です。今このタイミングで火に油を注ぐようなことをすべきではないです。オミクロンでは、ワクチンを打ったのに感染するブレイクスルー感染が相次いでいます。行動制限緩和の切り札となる「ワクチン・検査パッケージ」についても、3回目のブースター接種を前提に組み立て直す必要があるかもしれません。
ユージ:「Go Toトラベル」の話もありましたけど、確かに「Go Toトラベル」実施を打ち出してしまうと、逆にお出かけしましょう活動に聞こえてしまうので、タイミング的にはここではないなと思いますね。
神庭さん:勿体なかったですね。もっと早く実施出来ていれば効果があったと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 12, 2022
『コロナ対策、経済活動の制限は必要か?』
日本は現在、感染者数が急増していますが、諸外国と比べるとまだ少なく、感染者数だけでは判断が出来ないので、パーセンテージを見る必要があります。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 12, 2022
例えば、感染者数に対する重症者数。今のところ重症者数は少ないと言われていますが、この段階で経済活動を制限するのかどうか。今日のAuDee Judgeの結果は、制限を求める:41%、制限を求めない:59%となりました。
#ワンモ #ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 12, 2022
僕個人としても、現段階での制限はまだそれほどしなくていいと思います。
まん延防止等重点措置が適用された地域ではルールが必要になってくるかもしれないですが、現段階では状況を見つつ、経済活動をしながら感染を抑える方法を模索できればと思いました。