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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.12.30

オミクロン株濃厚接触者も受験可能に
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


『オミクロン株濃厚接触者も受験可能に』

村田:文部科学省が27日、来年1月実施の「大学入学共通テスト」でのオミクロン株の感染者の濃厚接触者について、陰性で無症状であれば、一定の条件をもとに、別室での受験を認める方針を明らかにしました。文部科学省は24日に、無症状でも本試験の受験を認めない方針を発表していましたが、各地でオミクロン株の市中感染が確認される中、受験生らの不安や反発を受けて撤回した形です。


ユージ:神庭さん、改めて経緯を教えて下さい。


神庭さん:混乱の発端となったのは、先週金曜日の夜に配信された、産経新聞の《オミクロン接触者の受験不可 文科省が大学入試指針改定》という記事です。文科省がガイドラインを改定し、《オミクロン株感染者の濃厚接触者は症状の有無にかかわらず、受験を認めないことを決めた》という内容でした。もともとオミクロン以外の濃厚接触者に関しては、検査が陰性であることなど条件付きで別室での受験を認めていましたが、オミクロンの場合はそれもできない、という内容です。追試や別日程での振替に関しては、文科省が各大学に「引き続き配慮を検討してほしい」と伝えている、と書かれているものの、「配慮」「検討」という弱い言葉で、本当にすべての大学で代替措置が徹底されるのか不透明なこともあり、受験生や保護者らの間に不安や困惑の声が広がりました。


ユージ:ネットでも反発が広がっていましたよね?


神庭さん:私もツイートで疑問点を指摘しましたが、
・受験で不利になることを恐れて、かえって検査を避ける生徒が増えてしまう。
・空港検疫に携わる人や医療関係者が家族にいたら不利になるのではないか?
といった懸念がありました。
たとえば学校でオミクロン感染者が出てしまし、そのクラスまるごと濃厚接触者だから受験できない、みたいな事態になってしまったら、その子は針のむしろで、ものすごくかわいそうな立場に置かれてしまいます。少し想像力を働かせれば分かることです。一方で、「受験不可」という記事の見出しも、若干ミスリードだったかもしれません。振替や追試で手当てされる可能性が高いのであれば「オミクロン接触者は追試対応へ」といった抑えた書きぶりにしておけば、ここまで批判は広がらなかったと思います。


ユージ:3日で撤回という、岸田総理の対応はスピーディーでしたよね?


神庭さん:ネットでの大きな反発を受け、「聞く力」岸田総理は、すぐさま対応の修正を文科省に指示しました。これを受けて文科省は、週明け27日に方針を撤回しました。
①PCR検査で陰性であること
②受験当日も無症状であること
③公共の交通機関を利用せず、人が密集する場所を避けて試験場に行くこと
④別室で受験すること
これらを条件に、オミクロンの濃厚接触者であってもほかの型の濃厚接触者と同様に受験を認めることにしました。妥当な結論であり、迅速に方針転換したこと自体は評価できます。岸田さんは東大を目指して2浪した末、早稲田に行っています。誰よりも受験生の苦労を知っている政治家だけに、スピーディーに動いたのかもしれません。とはいえ、受験生の気持ちがナーバスになっている時期に文科省の方針が二転三転してしまったのは残念でした。


村田:神庭さん、大学以外の受験はどうなりそうでしょうか?


神庭さん:気になっている親御さんも多いと思います。松野博一官房長官は27日の記者会見で、高校や中学についても「大学入試に準じた形で別室受験を含め、できる限り受験の機会を確保するように、文科省で対応を検討中」と話しました。ただし、エリアによって対応はまちまちです。朝日新聞によると、年明けから私立中学校の受験が本格化する埼玉県は、追試を用意している学校が少なくないそうです。一方、東京の私立中学は、追試を準備していないところが多く、施設や人手の面から別室受験が難しい学校もある、ということで、受験生への影響が心配されています。神奈川県私立中学高校協会は2月21日に、「共通追試」を用意していて、県内の私立中の約半数が参加予定です。難易度の調整含め、問題をつくるのは学校側にとっても負担が大きいとは思いますが、こういう対応があると、受験生も保護者も安心できると思います。


ユージ:一連のドタバタ劇、神庭さんはどう感じましたか?


神庭さん:岸田さんは意識的にか無意識的にか、「朝令暮改」を武器にしているようなところがあります。水際対策の国際線の新規予約停止では、国交省と官邸で情報共有がうまくなされず、批判を受けて即撤回しました。今回の大学入試の一件と構図がよく似ています。18歳以下への給付金もクーポンの経費がかかりすぎると叩かれると、「地方で自由に選んで」と柔軟に対応を変えました。ブレブレと批判されても「聞く力」と言っておけば許されます。ラーメン屋さんでたとえると…菅ラーメンは頑固親父のラーメン屋。「麺硬めで」なんて言おうものなら、「ん!」と黙って壁を指さされる。それで、張り紙を見たら「私語厳禁」と書いてある。味は確かなんだけど、聞く耳は持たない。一方の岸田ラーメンは、「麺硬めで」「あいよ!」「スープ濃いめで」「へい、毎度!」ぐらい愛想がいい。たまに「虫が入ってたんですけど…」みたいなことがあっても「すいません!」と、すぐ替わりのラーメンを出してくれる。
菅ラーメン、岸田ラーメン、それぞれ一長一短あります。コロナ禍のような先が読めない時代には、もしかしたら「ミスったらすぐ修正」というスタイルも、アリといえばアリなのかもしれません。ただ、さすがに二転三転の事例が続いたこともあって、政治的に大きな影響がある案件については、首相官邸への事前報告を徹底するように各省に指示した、と時事通信が報じています。これで岸田ラーメンの味付けがどう変わるのか、変わらないのか、注目したいところです。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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