21.12.29
貫洞さんが注目!2021年の国際ニュース

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 編集長の貫洞欣寛さんにお話を伺います。
貫洞さんに取り上げていただく話題はこちら!
『貫洞さんが注目!2021年の国際ニュース』
吉田:貫洞さん、お得意のジャンルは『国際ニュース』と伺っています。これまで、どのような国で取材をされてきたんでしょうか?
貫洞さん:アフガニスタン、シリア、イラク、リビア、それから、インド、など主に紛争の多い中東、アフリカ、南アジアを中心にですね。
吉田:貫洞さんが国際ニュースにお詳しいということでですね、今回のテーマは【貫洞さんが注目!2021年の国際ニュース】です。 ということで、貫洞さんに2つ注目の国際ニュースをあげていただきました。まず1つめは、対中国を見据えた、【日本、アメリカ、オーストラリア、インドによる枠組み『クアッド』の動き】についてです。9月に初めて、対面での首脳会合が開かれましたが、貫洞さんはどのような点に注目されましたか?
貫洞さん:このところ“国際ニュース”というと、主に中国の動向、それから、それをどうしていくのか?という話になるんですが、この『クアッド』というのは、実は、日本発祥の構想で、2007年に安倍 元首相が提唱したんですね。日本とアメリカとオーストラリアとインド、つまり、太平洋・インド洋の民主主義諸国が手を結んで、一言で言えば、大陸中国が膨らんでいくのを周りから押さえ込みましょうという考え方なんですよね。これまで数年の日米首脳会談や外相会談でも必ずこの進展が話題になっています。ただ、この4ヶ国には濃淡があって、日本は日米安保条約があって、米軍がいて、良くも悪くも日本の外交ってアメリカに従う、対米追従が基本なんですよね。アメリカとオーストラリアというのはイギリスを発祥とする“いとこ同士”みたいな関係ですよね。ちょっと違うのが、インドなんですね。これがなかなか一筋縄ではいかなくてですね、簡単にはこのクアッドでもいかないんじゃないかというふうにみています。
吉田:インドが一筋縄ではいかないというのは、どうしてなんですか?
貫洞さん:インドというのは、基本的に中国と仲が悪くて、例えば、チベットのダライ・ラマの亡命を受け入れてますよね。これは中国にはイライラする話。一方で、国境で戦争も実際にやっているんですね。だから、クアッドで中国と対抗することによってインドにも利益があるんです。ただし、インドと中国は似ている部分があって、両国とも元々、世界的に大帝国だったのが、この200~300年、欧米列強にやられて、植民地化された経緯があるわけですよね。そこから、独立して、また、大国に復活しようというところが一緒なんですね。だから、それぞれの国、いずれも自主独立というのがすごく意識が強くて、どことも手を組まない。『自主独立』、それから、『非同盟』、これがインドの国是だったわけです。
ユージ:なるほど!でも、クアッドには、ちゃんとインドが入っていてと…。そうなってくると、対中国への包囲網が作れるかどうかというのは、インド次第というのもあるんですか?
貫洞さん:う~ん、そうですね、ただ、インド自身が本当に中国を包囲しようとしているかというとわりと微妙で、インドは本音をなかなか言いません。かつ、アメリカと手を組もうとしているんですが、元々、インドは社会主義だった時代があって、その頃にソ連に接近したんですね、アメリカはインドへの協力を拒否した経緯があるんですね、だから、インド軍の装備は今もロシア製がほとんどで、戦闘機もミグですね。アメリカ軍や日本の海上自衛隊の共同訓練ででてくる空母に乗っているのがミグ31っていうロシアの戦闘機で、それがアメリカ軍と一緒に訓練するという不思議な光景になっているんです。最近もロシア製の防空ミサイルシステムを、アメリカの反対を押し切って導入しました。逆に、アメリカに対してもなんらかの条件を突き付けて、ロシアや日本、アメリカを天秤にかけて自国に一番有利な条件を引き出そうというのがインドの基本的な姿勢で、そういう意味で一筋縄ではいかない、したたかな国ですね。
吉田:さあ、ではですね、貫洞さんが注目した、2021年の国際ニュース。2つめに参りたいと思います、【タリバン復権後のアフガニスタン】について、イスラム主義勢力のタリバンは8月、アフガニスタンの首都カブールを制圧し、再び、アフガニスタンの政権を掌握しました。タリバンが政権を掌握した後、アフガニスタンはどのような状況になっていますか?
貫洞さん:タリバンのつくった暫定政権は今、迷走中していまして、例えば、中学生以上の女性の登校をほとんどの地区で禁止しています。公務員の給与が8月から支払われておりません。生活が苦しくなった人が子どもを身売りというのは変ですが、奉公に出してしまうとか、ひどい場合には臓器移植とか、そんな様な噂がでてくる状況です。
ユージ:日本に住んでいると、驚くようなニュースが耳に入ってきますけども、タリバンの暫定政権が迷走しているのはどうしてなんですか?
貫洞さん:1つはですね、タリバンというのは、「イスラムは正しいから、イスラムに従えばうまくいくだろう」という楽観的と言えば楽観的、逆に言えば、非現実的なところがあってですね、だから、経済運営の手腕は元々あんまり無いんですね。人々の暮らしは苦しくなっているんですけれども、あんまり気にしていない。でも、不満が高まるから、それを締め付けるために、また、イスラムの名のもとに規制を導入して、なにかをやろうという悪循環ですね。
ユージ:そうかぁ、これはちょっと…。タリバン暫定政権のもとね、アフガニスタンの厳しい状況というのが、今後も続いていくのかどうかというのも気になることろですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 29, 2021
『貫洞さんが注目!2021年の国際ニュース』
僕が気になったのは、対中国を見据えた、日本・アメリカ・オーストラリア・インドによる枠組み“クアッド”です。このクアッドが一つのチームとして力を発揮するための重要なカギは、インドとアメリカ。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 29, 2021
インドはアメリカに対する様々な思惑を持っており、ここがまとまらないと、クアッドの4か国が一つになれません。しかし、この先日本にとって経済的メリットが生まれるかもしれないという意味では、この4か国の友好を高めていくことが重要なのではないかと思いました。