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21.12.20

「オミクロン株」の最新事情
nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「オミクロン株」の最新事情

吉田:連日、オミクロン株関連のニュースが報道されています。週末にもいろいろ新しいニュースが入ってきていますので、今回はオミクロン株の最新事情について、神庭さんに解説していただきます。


ユージ:オミクロン株はいま、すごいペースで世界的に広がっている、ということなんですが…


神庭さん:そうなんですよ。WHOによると、オミクロンはすでに89カ国で報告されていて、1.5日から3日で2倍のペースで感染者数が増えているんですね。WHOは「イギリスと南アフリカでは入院患者数が増え続けており、患者数が急速に増加していることから、多くの医療機関がすぐに手一杯になる可能性がある」と指摘しています。
イギリスでは(デルタなども含めた数字なんですが)感染者数が9万人を超え、3日連続で過去最多を更新しているんです。これを日本の人口に換算すると、1日に17万人以上の感染者が出るようなものでして、日本の第5波のピークが2万5000人ほどだったことを考えると、いかに多いかがわかりますよね。これを受けて、パーティーやレストランの予約などキャンセルが相次いでいて、クリスマス需要を当て込んだ飲食店にとっては大きなダメージになっている、と報じられています。


吉田:日本国内の動きも教えてください。


神庭さん:いくつか気になる動きがありましたけれど、アメリカから日本に帰国した女性が、空港検疫では陰性だったんですけれど、自宅待機中に発熱し、オミクロンだと判明しました。で、女性の自宅待機中に濃厚接触した男性もオミクロン感染が確認されました。この男性は発熱の症状が出ていたが、解熱剤を飲んでサッカー観戦に行ってしまった、ということで、東京都は周辺の座席にいた80人に連絡をとって、検査を受けるように呼びかけています。体調が悪い人は、無理して仕事に行ったり、遊びに行ったりしないようにしないで欲しいな…と思いますね。


ユージ:ねぇ、本当に…なんでサッカー観に行っちゃったのかなぁ、という気持ちもありますよね。


神庭さん:そうですよね。正直、脇が甘いというか、迂闊な行動だとは思うんですけれど、一方で「吊し上げ」のような感じで、あまり事細かに情報が出てくると「体調悪いかも…」と思っている人が、バッシングを怖がって、検査を受けにくくなってしまうことも考えられるので、一定数こういう人が出てきてしまうのは、ある意味「仕方がない」というか、「想定の範囲内」という風に考える必要があるかもしれません。
東京都や政府は、いまのところ「感染ルートが追えているので“市中感染”にはあたらない」という立場なんですが、すでに水際が決壊して、市中で感染が広がり始めていたとしても驚きはありませんよね。


ユージ:実際のところ、いま水際対策は機能しているんでしょうか?


神庭さん:心配なところですよね。今回は、全世界から外国人の入国を禁止するなど、早い段階から厳しい水際対策を敷いたことは一定の効果を上げていると思うんですけれど、ただ、何度もお話していますが、100%の万全はあり得ませんので、これはあくまでも時間稼ぎです。16日には、関西空港で検疫所職員のオミクロン感染が明らかになりました。この方は陽性者が待機する宿泊施設で働いていた、ということで、ここで感染した可能性が高い…と言われているんですね。同じ職場の6人が濃厚接触者として、待機施設で隔離されていて、水際対策のために一生懸命働いていて感染してしまう。こればっかりはしょうがないですよね。


吉田:他に気になっていることは何かありますか?


神庭さん:もう一つ気になっているのは、沖縄の米軍基地「キャンプ・ハンセン」で、158人の新型コロナのクラスターが起きている、ということなんですね。オミクロンかどうかはゲノム解析をしないとわからないので、沖縄県は日本側での解析を申し入れているんですが、米軍側は「個人情報にあたる」ということを理由に消極的な姿勢を示しています。一方、キャンプ・ハンセンで働く日本人従業員や、軍属とその家族計3人のオミクロン感染が確認されていて、市中への広がりも懸念されます。
水際対策の強化は当初「当面1ヶ月」の予定でしたが、岸田総理は「年末年始の状況を見極めた上で考える」と述べて、年明け以降も継続する方針を示しました。日本全体としては非常に厳しい水際対策をとっていますが、日米地位協定もあり、米軍関係者は対象外になっているんですね。なので、せっかく対策を強化しても「米軍はフリーパスです」だと意味がなくなってしまうので、米軍にも日本の検疫や検査、ゲノム解析に協力してもらえるよう、要請するべきではないかなぁと思いますね。


ユージ:先週の火曜日にワクチンのブースター接種について取り上げましたが、こちらも動きがあったみたいですね。


神庭さん:政府は2回目と3回目の接種間隔について、当初は「原則8ヶ月」と言っていたんですけれど、岸田総理は17日の金曜日に、オミクロンの拡大を受け、医療従事者や重症化リスクがある高齢者施設の入所者に関しては「6ヶ月」に前倒しすることを表明しました。それ以外の一般の高齢者も、来年2月以降には1ヶ月前倒しして「7ヶ月」とする、ということで、こちらの対象者は約3100万人になります。
菅さんに比べると、ワクチンに対して腰が重い印象もあった岸田さんなんですけれど、ここへきてようやくお尻に火がついてきたのかな、という風に思いますね。ファイザーのCEOとの電話会談では、こちらは治療薬なんですけれど「200万回分の飲み薬の確保で基本合意できた」ということなので、こちらも良いニュースじゃないかな、と思います。
今後、高齢者以外にも前倒しを進めていくためには、とにかくワクチンの“量”を確保しなければならないので、海外の製薬会社とのタフなネゴシエーションが欠かせないんですね。皮肉なことに、非常に良いことなんですが、日本はいま感染者数が落ち着いていますので、「状況が悪い他の国を優先います」と言われて、後回しにされる可能性もあるんです。なので、難しい交渉になると思いますが、岸田総理自ら陣頭指揮をとって、トップ会談でワクチンの確保に努めてほしいな、と思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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