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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.12.21

国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」書き換え問題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」書き換え問題』


吉田:『建設工事受注動態統計』の書き換えを巡り、国土交通省の瓦林官房長は昨日の参議院予算委員会で二重計上が起きる一因となった推計方法変更に3年超の検討時間を費やしたと明らかにしました。国交省は、二重計上の問題に気付かなかったと主張していますが、当時の議論が十分だったのかどうか検証が求められそうです。
神庭さん、書き換えられたデータはどういったもので、そして、どんなふうに書き換えられたんでしょうか?


神庭さん:国土交通省が毎月公表している『建設工事受注動態統計』というものがあり、これは建設業者が請け負った工事の実態を示す統計で、GDPの算出であるとか、公共事業の判断などにも使われているんですね。そのデータが2013年度から書き換えられていて、実際よりも多く集計されていたんじゃないの?というのが、朝日新聞のスクープで発覚しました。業者が毎月、受注実績を調査票に記入して都道府県に提出します、それを都道府県が国交省に送るということをやっていたんですけれども、業者の提出が期限内に間に合わないと数ヶ月分まとめてドバっとくることがあったんですね、この時に、国交省が都道府県に指示して、数ヶ月分を直近の1ヶ月にまとめて受注したかのように計上させていたと。朝日新聞などの報道によると、その際に業者が鉛筆で記入した数字を都道府県の担当者が消しゴムでゴシゴシ消して、書き直していたということです。これだけだったら、時期がズレるだけでトータルの数字は一致するはずなんですけれども、そうならなかったんですね。なぜかというと、国交省は未提出の企業があった場合、数字を0にするのではなくて、提出したほかの企業の平均受注額を推計値として入れる処理をしていました。そうすると、この推計値とさっき言った数ヶ月分まとめてドカン!の2つが計上されて、二重計上になってしまっていたということなんですよね。


ユージ:こうやって聞くと、これは結構、杜撰な作業だなという感じがしますね…。


神庭さん:そうですよね。しかもこれは、私たちの生活にも影響があるかもしれないんですね。建設工事受注動態統計は政府の統計の中でも特に重要度の高い『基幹統計』の一つなんです。『基幹統計』というのは、それを根拠にして政策を決めたり、民間企業が経営判断に使ったりする大切なものなんですね。統計というのは、“社会を映す鏡”なんですけれども、鏡が歪んでいると、それを根拠にした政策とか法律も歪んできちゃうということなんですよね。例えば、公共事業を増やしましょう・減らしましょうということも、大本の数値が濁っていれば、判断も曇っちゃいますよね。GDPがズレたりしたら、景気の判断とか経済政策にも影響してきますし、民間企業でも正しい経営判断ができなくなってしまう恐れがあります。そういった重大な問題が起きてしまうかもしれないので、『統計法』という法律で、“真実に反する”基幹統計を作成した者に対して、6ヶ月以下の懲役か、50万円以下の罰金を科しているんですね。この厳しいルールは、第二次大戦で政府に不都合な情報を隠蔽して悲惨な結果を招いた反省があると言われています。山際経済再生担当大臣は国会でですね、GDPへの影響は“軽微”だと答弁したんですけれども、そういう問題ではなくて、“生数字”をいじること自体が御法度中の御法度で、仮にGDPが上振れじゃなくても下振れだったとしても、やっぱり、問題なんですよね。


吉田:近年、日本の政府は、統計や公文書の扱いが杜撰と指摘されていますよね。


神庭さん:そうですね。岸田総理は、参院予算委員会で第三者委員会を立ち上げて、1ヶ月以内に対策などをまとめると答弁しました。ですけれども、統計とか公文書に関する問題は、近年、度々繰り返されてきたんですね。まず、2018年末には、厚労省の毎月勤労統計をめぐる不正が発覚してますし、森友学園をめぐってもですね、公文書が改ざんされました。毎月勤労統計の不正を受けて、政府は統計を一斉点検したんですけれども、結局、今回の国交省の書き換え問題は見過ごされてしまったわけですね。これは、やっぱり、国会でも問題になっていまして、日本維新の会の音喜多政調会長は参院予算委員会で、改ざんを防ぐために精神論であるとか、人間によるチェックではなくて、公文書をデジタルで集計して、デジタルで保管するなどの再発防止策を講じるよう求めているんです。共産党の小池晃事務局長もですね、やっぱり、一斉点検で見落としてしまったということは、問題なので、国交省に限らず、全ての統計を今一度、調べなおすべきだと訴えているんですよね。これは、統計の問題に限らないですけれども、アメリカだと、公文書は一定の期間を置いた後に公開されますよね。それで、歴史の審判を受けると。それがある種の緊張感になっていて、後でばれちゃうような嘘はつけないなら、きちんと公文書として記録しよう、改ざんは許されないよね、という抑止力にもなっているわけです。やっぱり、日本でも同じような仕組みを導入すべきだと思いますし、統計に関してもですね、社会を映す鏡ですから、きちんとチェックする仕組みを作ってほしいですし、この機会に膿を全部吐き出して、デジタル化して、改ざんの履歴が残るような仕組みづくりというのも必要になってくるのではないかなと思います。


ユージ:少なくとも問題点はいろいろありそうなんですけれども、まず最初にできることは、消しゴムで消して改ざんできるようなペンでは書かない。消せるタイプのボールペンとかもね、あれは正式な書類には使用しないでくださいって言われてますからね。僕たちでも区役所に行って鉛筆で書いたものは受け取ってもらえませんからね。まずはそこから、これはすぐできることですから。


神庭さん:(苦笑)。そうですね…。普通はそうですよね。税金の書類とかも全部、鉛筆でいいんですか?みたいな話になってきちゃいますからね。最初からデジタルにしちゃうのが一番いいような気がします。


ユージ:多分、その方がいいと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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