21.12.22
今年度補正予算、成立。主な内容は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『今年度補正予算、成立。主な内容は?』
吉田:新型コロナウイルス対策を柱とする、今年度補正予算は一昨日、可決、成立しました。一般会計の歳出は35兆9895億円で補正予算としては過去最大となりました。
神庭さん、補正予算に盛り込まれた内容を改めて教えてください。
神庭さん:補正予算の内容は大きく分けて4つあります。『新型コロナ対策』、『経済活動の再開』、『新しい資本主義』、『防災・減災・国土強じん化』です。一つずつ説明しますね。1つ目の『新型コロナ対策』には、住民税非課税世帯に対する1世帯あたり10万円の給付金。売り上げが大きく減少した事業者への最大250万円の支援金。そして、時短要請に応じた飲食店への協力金などの予算が盛り込まれました。2つ目の『経済活動の再開』に関しては、GoToトラベル再開のために新たに2685億円を計上。ワクチン接種証明の活用するほか、平日の補助を手厚くして旅行需要を分散することなどが検討されています。3つ目の『新しい資本主義』に関しては、この番組でも取り上げましたけども、散々迷走した18歳以下への10万円相当の給付に約1兆2000億円を計上していて、あと、マイナンバーカードの取得とか、保険証としての登録、口座との紐付けで最大2万円分のポイントを付与しますよという政策。看護・介護・保育などの分野で働く人たちの賃上げ。経済安全保障を強化するための半導体の国内基盤整備に6170億円を計上しています。最後、4つ目の『防災・減災、国土強じん化』の予算にはですね、自衛隊の装備品の強化などのために7300億円が盛り込まれました。
ユージ:今、話を聞いていたら、一つずつ、あぁあったな、そういうのもあったなぁっていう感じなんですけれども、この補正予算の内容をご覧になって、神庭さんはどういう印象を持たれましたか?
神庭さん:そうですねぇ…、総花的でメリハリに欠けるかなという印象を受けました。過去最大の割にイマイチありがたみがないというか、コンビニでちょこちょこ細かい買い物をして、気づいたら1万円使っちゃってたみたいな感じで、うまくやり繰りすれば、もしかしたら、一点豪華主義でフレンチも予約できたかもしれないんですけれども、でも、コンビニでスナック菓子を大量に買っちゃった…みたいな。我が家だったら、確実に妻に怒られるやつなんですけれども(笑)。10万円の給付金が特に問題になったと思いますが、困っている人への支援なのか、子育て支援なのか、景気対策なのか、政策目的がハッキリしないまま走り出したことで、やっぱり、不公平感が生まれましたよね。クーポンの件も最後は国が決めることを放棄して地方に尻拭いを押し付けたと…。補正予算36兆円の半額の18兆円でもですね、、全国民に14万円以上は配れる計算なんですよ。実際やるかどうかは別にして、「子育て世帯のみ、所得制限ありで10万円だけ配ります、しかも半分はクーポンです」というのは、いかにも中途半端で、ありがたみも薄れちゃうよなというふうに思いましたね。
吉田:補正予算に関して、そのほかに注目ポイントはありますか?
神庭さん:補正予算が適正かどうか考えるうえではですね、政府が仕掛けてきている“裏技”を見抜かないといけないんですね。
ユージ:…えっ?ごめんなさい…‥‥、“裏技”って一体何でしょうか?
神庭さん:今、ちょっと反応が…、ぶっこんじゃって申し訳ありません(笑)。その一、必殺『補正回し』!というのがあります。補正予算はですね、本来、当初予算をですね、年度の最初の本予算とも言いますけれども、それを“補正”するためのものなんですよね。「緊急性の高いものに限る」と財政法で規定されているんです。ところが、当初予算案というのはですね、社会保障費とか、医療費とか、教育費とか、“どうしても必要”な費用でがんじがらめになっていて自由度が低いんですよね。「じゃあ、補正に回しちゃえばいいじゃん!」ということで、ここで必殺『補正回し』が登場するわけです。各省が補正を“抜け道”に活用することで、補正予算がどんどん膨らんじゃうんですね。例えば、先ほどあげた自衛隊の装備品の強化などは、国の防衛に関することですから、必要であればですね、補正ではなくて当初予算で堂々と手当すればいいんじゃないかなと思いますよね。
吉田:必殺『補正回し』が“その一”ということで、では、“その二”は何でしょうか?
神庭さん:その二、秘技『基金隠し』!というのがあります。日経新聞にですね《基金乱立3.7兆円、膨らむ補正予算》という記事が出ているんですけれども、今回の補正予算ではですね、基金の新設とか、積み増しに全体の1割にあたる3.7兆円が投じられているんですね。予算は基本的に単年度主義なので、原則、その年度で使い切らないといけないんですけれども、『基金』というのは、Suicaのチャージみたいなもので、一旦お金を入れておけば、年度を跨いで使うことができるわけですよ。「なんだ、便利でいいじゃん!」と思うかもしれないですけど、デメリットもあるんですね。「きっとこれぐらい必要なんじゃないかな~?」と金額ありきで選考しちゃって、需要を過大に見積りがちなんですよ。日経の記事によると、せっかく作ったのに、投入した国費の2割未満しか執行されていない基金であるとか、基金を運用するための管理費とか、人件費ばかりが膨らんでしまっているケースもあるということなんですよね。基金にお金が入ると、ある種、ブラックボックス化してしまって、国会の監視の目が行き届きにくくなるということで、秘技『基金隠し』が発動しないように注視していく必要があると思うんですよね。
ユージ:そうなんですね、これは、知りませんでした。
神庭さん:今日は皆さんに、2つの裏技の見破り方を伝授しましたので、これから予算のニュースでそういう裏技事例を見つけたらですね、「その技は見切ったぞ!」と叫んで頂きたいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD #TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 22, 2021
『今年度補正予算、成立。主な内容は?』
補正予算が可決成立しました。一般会計の歳出は約35兆円9895億円で、18歳以下の子どもへの10万円相当の給付金や、半導体の国内基盤の整備、自衛隊の装備品強化、Go Toトラベル再開のために使われる予定です。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 22, 2021
しかし、これらがものすごく急を要するものなのかというと、そうでもない気がします。マイナンバーカードの取得、保険証・銀行口座都の紐づけで最大2万円分のポイント付与、ということにもお金がかかっています。
#ワンモ #ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 22, 2021
また、補正予算の半額のおよそ18兆円を使って全国民に給付をした場合、14万円以上を全国民に配ることができる計算になります。この方が、全国民に、現金であれば急を要しているところにも配ることができるという意味ではよかったので はないでしょうか。
#ワンモ #ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 22, 2021
今回の補正予算は、必要な部分がありつつも、もっと他に使えるところがあったのではないか、急を要していないのではないかと思いました。