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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.11.11

FRB金融安定報告、インフレ懸念を指摘
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『FRB金融安定報告、インフレ懸念を指摘』


吉田:アメリカの連邦準備理事会、FRBは8日、半期金融安定報告書を公表し、インフレ率の上昇と金融引き締めへの懸念が最大の懸念事項となる、と指摘しました。


ユージ:神庭さん、インフレが懸念されているとのことなんですけど、確かに日本でも値上げが続いているなという印象がありますけども、どうなんでしょうか?


神庭さん:生鮮食品を除く9月の消費者物価指数が1年6ヶ月ぶりに上昇に転じました。9月の企業物価指数も、前年同月に比べて6.3%アップということで、13年ぶりとなる高い伸びを見せています。そもそも『インフレ』とはなんなのか?ということなんですけれども、『インフレーション』というのは、モノとかサービスの値段が上がっていくことなんですね。モノの値段が下がり続ける『デフレ』の逆なんですけれども、“良いインフレ”と“悪いインフレ”の2つがあって、良いインフレは、物価が上がって利益を上がる→従業員の給料も上がる→「やったー!」と財布の紐が緩んでモノとかサービスを消費する→そうするとまた…という好景気のサイクルができてくる。これが良いインフレなんですね。


ユージ:やっぱり、お給料がちゃんと上がるっていうのがあるんですね。


神庭さん:そうなんですよ。一方、悪いインフレは、モノの値段は上がっていくのに、賃金が上がらない状態。最悪の場合は、景気の後退と物価上昇が同時に起こる『スタグフレーション』に陥ってしまうんです。


ユージ:それは困る…。


神庭さん:日本で言うと、1970年代のオイルショックの時にスタグフレーションになったと言われていて、『狂乱物価』と呼ばれるほど急激に物価が上がって、庶民の生活が圧迫されてしまったんですね。


ユージ:実は日本で、その『スタグフレーション』が進行しているのでは?という声もあがっているんですけども、実際、国内は今どんな状況なのでしょうか。経済評論家の加谷珪一さんに伺いました。


吉田:はい、加谷さんによりますと、「日本は、“悪いインフレ”である可能性がかなり高まっているというのが現実。物価の上昇も、国内の需要が拡大して値段が上がっているわけではなく、海外から輸入する製品の価格が上がっているという状況である。もともと景気が良かったアメリカやヨーロッパとは違って、日本は長期的な景気低迷が続いていて、その中で物価上昇が発生しているため、日本の方がスタグフレーションに陥るリスクは高いと思う。」とのことです。
また今後の対策と見通しについては、「抜本的な対策としては、海外の物価高に負けないよう国内経済を成長させる必要があるが、これはすぐに実現できるものではない。短期的に多少物価は落ち着くかもしれないが、安くなることは考えにくく、長期的には値上がり傾向が続くと予想する専門家が大半」とのことでした。


ユージ:はい、これね…、神庭さん、今の物価高なんですけど、具体的にどういう要因が考えられますか?


神庭さん:複数の要因が絡まり合っているんですけれども、1つは、ワクチンが普及してきて、世界的に経済活動が活発化してきています。経済再開で急激に需要が増えているんですが、それに対して生産とか流通が追いついていない。人手不足であったり、半導体不足であったり、供給側の制約で物価がどんどん上がっているというのがあります。
もう1つは、やっぱり、エネルギー問題。原油の需要がどんどん、どんどん膨らんでいるのに、供給は抑えられているんですね。石油輸出国機構とロシアでつくる『OPECプラス』というのがあるんですけど、原油が売れてるならどんどん作れば良いじゃん!と思うんですけど、OPECの産油国の人たちは、またコロナの感染が広がったら経済が落ち込んじゃうかもれないんじゃないか?と、そうなると増産できないよ。ということで、先行き不安で増産してないということで、原油価格が上がっていると…。
あと日本に関して言えば、円安ということもあって、円の価値が下がっていくということは、いままで100円で買えていたものが110円になっちゃうわけなので、最近は少し円安が和らいできてはいるんですけれども、資源高とのダブルパンチの影響は大きいんじゃないかなと思いますね。


吉田:給料が上がらず物価高が続くと、ちょっと…、苦しいですね。


ユージ:苦しいですよね…。


神庭さん:そうですよね。日経新聞がまとめたOECDのデータによると、日本の平均年収は440万円で30年前からたったの4%しか上がっていないんですね。この間にアメリカは48%、OECD平均でも33%増えているので、日本の『失われた30年』がいかに異様だったかということがわかると思います。このまま賃金が上がらないで物価上昇だけが進むと、実質的に給料が目減りしていく最悪の事態で、まさに“悪いインフレ”になっちゃいますよね。加谷さんがご指摘している通りで、一朝一夕で打開する特効薬はないんです。本当に暗い気持ちになっちゃいますけれども、値段は上がってもモノが売れる→賃金も上がる!という、“良いインフレ”のサイクルを作っていかないと日本に未来はないんですよね。成長産業に投資していくことも大事ですし、岸田総理は、従業員の給料を引き上げた企業を優遇する賃上げ税制を強化するというふうにも言っています。あと、企業への補助金の要件として賃上げを求めるとも言っていますから、こうした『新しい資本主義』の政策というのが、給与アップに向けてどこまで実効性を持つのか?実際に賃金が上がっていくのか?ということに、注目していきたいですね。


ユージ::ホント、皆さん、物価が上がっているということは感じていると思うんですよね。まさに、その『スタグフレーション』が起こらないようになってほしいですよね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







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