21.10.25
コロナ禍での街頭演説とヤジ
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
コロナ禍での街頭演説とヤジ
吉田:先週火曜日に衆院選の公示があってから初の週末を迎えましたが、街中で街頭演説を目にされた方も多いのではないでしょうか。そこで今朝は、コロナで街頭演説にどんな影響が出ているのか?
そして、街頭演説にはつきもののヤジ。一昨年の参院選では、当時の安倍総理にヤジを飛ばした人が警察官に取り押さえられるというニュースもありましたよね。そもそも、ヤジで逮捕されることはあるのか、神庭さんにわかりやすく解説してもらいます。
まずは、コロナ禍での街頭演説ということで、いつもと違う点や変化は何かありますか?
神庭さん:演説会の場所がわかると人が集まりすぎてしまうので、ゲリラ的に開催するとか屋外で開くといったコロナ対策をとっている陣営もありますし、YouTubeやSNSを活用する陣営もあるようです。一方で、コロナ前に戻ってしまったように普通に「密」になっている現場もあると報じられていますね。
ユージ:先ほども、安倍総理(当時)にヤジを飛ばして警察官に取り押さえられた、という話が出ましたが、ヤジって何かの罪に当たるんですか?
神庭さん:公職選挙法に「選挙の自由妨害罪」という罪がありまして、「集会を妨げる」「演説を妨害する」などの行為をした場合、4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。ただし、最高裁の1940年代の判例では「聴衆がこれを聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような行為」を選挙妨害だとしていまして、組織的に邪魔をするとか、拡声器で延々とがなり続けて、ほかの聴衆が演説を聞けなくするような行為があれば選挙妨害になると思いますが、例えば「引っ込めー!」「帰れー!」と軽くヤジったぐらいで逮捕されたりすることはありません。
一昨年の7月、札幌市内で当時の安倍総理の演説があった際に、ヤジを飛ばした人たちが警官に排除されるという出来事がありましたが、今まさに凶器を取り出そうとしているとか、候補者や弁士に危害が及ぶような状況なら別ですが、そうでなければ警察が介入するのは行き過ぎだと思っていて、運動員が注意するとか「すみませんけど…」とお願いするレベルで十分だと思います。
ユージ:じゃあ、ヤジを飛ばしても問題はないってことなんですね??
神庭さん:えっ。ユージさん、ヤジを飛ばそうとしていますか?(笑)
法律論としてはそうなんですが、推奨はできないですね。コロナ禍ですし、感染防止の観点からも人が密集したところで大声を出すのはあまり望ましくないですしね。
「ヤジる権利」や「表現の自由」があるのと同様、その候補者の支持者をはじめ、ほかの聴衆にも「静かに演説を聞く権利」があります。もし自分がその場にいて、真剣に演説を聞いていたら、「うるさいな」と思ってしまうでしょうね。そこは法律論というよりマナーの話になってきます。
候補者が演説している間ずーっと捲し立てるようにヤジるのでなくて、たとえば一呼吸置いたタイミングで的確にツッコミを入れたり、質問したりするようなヤジなら、意味が出てくるかもしれないですよね。そう考えるとヤジにも技術が必要なんです。逆に、ヤジにどううまく対処するかで、候補者の人となりが見える、という人もいます。
吉田:国会中継でもヤジはすごいですよね。
神庭さん:やっぱりそういうイメージありますよね。
2013年に当時衆院議員だった東国原英夫さんが、国会で安倍元総理に「国会に入ってもう数カ月なんですけれども、本当にヤジがうるさい」「ヤジをやめるというのをちょっと議論しませんか」と質問しています。これに対しての安倍さんの答弁がちょっと面白くて、「答弁する際は、ヤジは確かに気になるんですよ」「しかし、ヤジにもいろいろありまして、これは議場の華と言われる場合もありますし、正直、私も若いころは結構ヤジった方でございます」「こちらも、どうも切れの悪い答弁のときにヤジられる場合がありますが、これはしようがないなと思いながらのヤジもございますし、一概に全部ヤジが悪いとも言えないのかなと」おっしゃっていて、安倍さんはヤジ擁護派というか、ご自身でも総理時代に「早く質問しろよ」「意味のない質問だよ」といった感じで野党議員をヤジりまくっていたので、姿勢としてはある意味一貫していると言えますよね。
ヤジ将軍は国会に結構いまして、丸川珠代さんは鳩山由紀夫元総理を「ルーピー!」とヤジったり、民主党政権で子ども手当法案が強行採決された際に「愚か者めが!」「このくだらん選択をしたバカ者どもを絶対忘れん!」と叫んだりして話題となりました。
ちなみに「愚か者めが!」は、のちに自民党がオフィシャルでTシャツにしていて、Tシャツコレクターとしてはちょっと気になって探したんですが、全然見つからなくて(笑)
ユージ:確かにその辺のユーモアはあってもいいのかな、と思いますね。
やっぱり、さっきおっしゃっていた「ヤジる技術」も必要だと思うんです。例えば街頭演説で子どもを連れている場合などは、子どもに聞かせたくない悪い言葉がヤジで飛んでいたら、やっぱり親としては「あぁ、もう近づけない」と思っちゃうんですよ。
神庭さん:それはちょっと悲しくなりますね。
ユージ:やっぱり誰が聞いているのか分からないので、メッセージを伝えるのは良いんですけれど、言葉遣いには気を付けて欲しいですね。ちなみに神庭さんは、ヤジについては賛成派ですか?反対派ですか??
神庭さん:僕は国会でも選挙演説でも「ヤジはいらない」「邪魔だ」と思うタイプで、シンプルに答弁と質疑の応酬や、演説の中身を吟味したいんですね。
ただ、イギリスの議会の中継を見ると、日本の比じゃないぐらいものすごいヤジの応酬で、スポーツ中継みたいなんです。なので、ヤジが民主主義を活性化させる「議場の花」という意見もわからなくはないんです。
なので、「国会のヤジはいいけど、選挙演説のヤジはダメ」というのは一貫性に欠けるので、「国会も選挙演説もヤジはOK」か「国会も選挙演説もヤジはNG」か、どっちかじゃないの?という気はしますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 25, 2021
もちろんヤジをする側にも言葉を発する自由があるので、
伝えたいメッセージは伝えてもいいですが、
過度なヤジは選挙の自由妨害罪という罪に当たってしまいます。
#ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 25, 2021
選挙をする権利、ヤジを言う権利はそれぞれにありますが、
周りに人がいて、なおかつ子供がいるということも
配慮した上でやってくれるのが一番いいのかなと感じます。https://t.co/c6RdmXyWQh