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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.10.20

「分配政策」について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
今週は、スペシャル企画。総選挙の争点に関する基本知識、基本用語をわかりやすく神庭さんに解説していただきます。


『「分配政策」について』


ユージ:今週はスペシャル企画。『総選挙の争点 そもそも解説 。今さら聞けない「〇〇ってなに?」』と題し、総選挙の争点について、今さら聞けない基礎用語や基礎知識を神庭さんに解説していただきます。


吉田:今朝は『分配政策』です。衆議院選挙の公約を見ると、各党が『分配政策』を掲げているのですが、そもそも、『分配政策』というのは、何なのでしょうか?


神庭さん:『分配』というとですね、ただ配るだけみたいに聞こえるんですけど、より正確にいうと『再分配』なんですね。国が税金とか社会保障、福祉などを通じて、富裕層などに集中していた富をより所得の低い人たちに移す、配り直すことを『所得の再分配』とか『富の再分配』というふうに言うんです。


吉田:どういったメリット、デメリットがあるんですか?


神庭さん:メリットというかですね、国として必ずやらないといけないことなんですね。再分配なしだと格差がどんどん拡大して、貧困層の不満が溜まって、社会の安定性が損なわれちゃうと。行き過ぎた場合のデメリットとしてよく指摘されるのは、富裕層とか大企業が重い税負担を嫌って海外に流出しちゃうとか、競争が働かなくなって非効率化するといったところですね。国会でも『成長か分配か』と、“タマゴが先かニワトリが先か”みたいな議論がされているんですけど、要はバランスというか、どっちも大事なんですね。再分配が不十分で暴動が起こるような国だとダメだし、かと言って、国際的に競争力が落ちて、パイ自体がどんどん小さくなっちゃうと、パイ一切れあたりの分け前が平等だとしても、お腹いっぱいにならないよという話になっちゃうんですよね。


ユージ:各党は、どのような『分配政策』を掲げているんですか?


神庭さん:自民党は、金額を示さない形で非正規雇用者や子育て世帯へ経済的支援をすると掲げています。公明党は、0~18歳に一律10万円を給付すると。立憲民主党は、低所得者への年12万円の給付を目指す。国民民主党は、一律10万円で低所得者にはさらに10万円上乗せすると。共産党は、収入が減った人向けに10万円を基本に給付する。社民党は、1人10万円の特別給付金を支給する。日本維新の会は、すべての国民に月額6万~10万円を一律に給付する『ベーシックインカム』の導入を目指す。れいわ新選組は、新型コロナウイルスが収束するまで1人あたり毎月20万円の現金を給付する。NHK党は、立花党首が10万円以上を期限付きの電子マネーで支給すると主張していますね。


ユージ:各党が公約で『分配政策』を掲げていること、神庭さんはどのようにご覧になっていますか?


神庭さん:アベノミクスで『トリクルダウン』が起きて、お金持ちはよりお金持ちになって、あふれた富のしずくで低所得者にも行き渡ると言われてたんですけれども、結局、そうはならなかったですよね。なので、与野党含め、再分配に目を向け始めたのはとてもいい傾向だと思います。バラマキとも言われるんですけれども、少なくとも今は財布の紐を締める時期ではないと思いますね。「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り消費税を引き上げる」と言って、2019年の10月に消費税を10%に引き上げたわけですけれども、それから数ヶ月後にコロナというリーマン超えの事態がまさに起きてしまったわけで、消費税は低所得者もお金持ちも負担が一律で、お金がない人ほど懐が痛む逆進性が高い税だというふうに言われているんですね。税率を下げることで格差を和らげることにもつながるかもしれないですね。


吉田:『分配政策』の一環として各党が打ち出している“現金給付”。財源はどうするのか?という指摘もありますよね。経済評論家の加谷珪一さんによりますと、「財源は100%国債で問題ない」ということでした。「給付金はあくまで非常事態における暫定措置として実施すべきもの。したがって、コロナ危機に限定ということですから、財源は100%国債で問題ありません」「暫定措置で、今回限りの国債大増発であることがはっきりしていれば、財政への信頼もそれほど低下しないでしょう」とお話されていました。
一方で、今後もこうした現金給付を継続的に行う場合は「話は別」だということです。「この場合、恒久財源を確保する必要があり、何らかの形で国民負担が増えることになるので、国民に対する明確な説明が必要」ということでした。 神庭さんは、財源について、どのようにお考えですか?


神庭さん:これはね、二つの両極端な議論があるんです。一つは、こんなに借金を続けていたら財政が破綻して大変なことになっちゃう!という緊縮派の議論です。これは、先日、文藝春秋への寄稿で話題になった、財務省の矢野康治 事務次官が典型例なんですけれども、矢野次官は、実は2005年に『決断!待ったなしの日本財政危機―平成の子どもたちの未来のために』という本を出しているんですけれども、「待ったなし」のはずが、16年間何も起きなかったんですよね。じゃあもう一つの議論は何かというと、『MMT(=現代貨幣理論)』といって、“自国通貨建てで国債を発行できる国は、お金をどんどん刷って借金を返すことができるので、財政赤字で国が破綻することはないんだよ”という考え方なんですね。これもなかなか興味深い議論ではあるんですけれども、じゃあいくらでも借金し放題なのか?とか、インフレは制御できるの?とか、色々疑問もあるわけじゃないですか。なので、僕が考えるには、おそらく両者の中間ぐらいに答えがあるのかなと思っていて、バカスカ幾らでもお金を使っていいわけでもないんですけれども、ただ、危機の時には積極的な財政出動を厭うべきではないと。ただし、じゃあ何に使うか?と。生きたお金の使い方をしないといけないと思っていて、将来につながるような『ワイズスペンディング』、これは『賢い支出』と言いますけれども、例えば、教育であるとか、成長産業を育成していくとか、そういった生きたお金の使い方をしていかないといけないんじゃないかなと思いますね。


ユージ:そうですね。お金をどう配るか?というのは非常に気になるポイントではあるんですけれども、例えば、配ったお金がポケットに入るようなお金になっちゃうと意味がないと思うんですよ。あくまで、生活で必要だったりとか、何かに使わなくてはいけない人たちに配って、それが回っていくことで、日本全体にいい影響が出てくる、と思うじゃないですか?だから、お金持ちであれ、いわゆる、貧困層と言われる方でも、ポケットに入るだけになる配り方じゃない方法を考えたいですね。


神庭さん:そうですね、タンス預金だけ増やしてもしょうがないですからね。



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