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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.10.12

Go Toトラベルの早期再開の是非
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『Go Toトラベルの早期再開の是非』


吉田:全国知事会が7日、停止中の観光支援事業『Go To トラベル』の早期再開を斉藤国土交通大臣に申し入れました。参加した大分県の広瀬知事によりますと、斉藤大臣は「新型コロナウイルス感染の状況は良くなっているが、いっぺんに全国でやると心配も多いので、段階的に進めなければならない」と応じたということです。『Go To トラベル』事業は去年12月28日に全国で停止。政府は代替措置として、住民向け割引を実施する都道府県に財政支援していますが、全国知事会は「県境を越えない観光は需要に限界がある」として、県境をまたぐ近隣旅行も国の支援対象としたり、『Go To トラベル』の早期再開を検討するよう求めています。
神庭さん、知事会の要望については、どう思われますか?


神庭さん:県をまたがない旅行に限って補助する『県民割』という仕組みは既にあるんですね、ただ、長引くコロナ禍で各地の観光地も疲弊していますから、県内需要だけだと到底その減収を賄えないと…。知事たちにもそうした焦りがあるのではないかなと思います。観光業は苦境に立たされていて、帝国データバンクによるとですね、1~8月までの倒産・廃業が累計136件、これは過去最多なんですね。特に中小の旅行会社を中心に、「もうダメだ…」ということで自ら事業をたたむ“諦め型”の廃業とか倒産が今後さらに増えてくるのではないかと指摘されています。


吉田:政府としては『Go To』再開をどのように見込んでいるんでしょうか?


神庭さん:岸田総理はですね、ワクチン接種証明とか、打てない人の場合には検査と組み合わせて、『Go To 2.0』というのを提案しているんですね。代替措置として検査を用意するんですけれども、「ワクチンを打ちたいのにまだ接種できていないよ!」という人が大勢いる状況だとですね、「不平等だ!」という批判も出かねないので、なかなか再開には踏み切り辛いと思うんですよね。10月10日現在で、1回目の接種を済ませた人が72.5%。2回目まで済ませた人は63.33%なんですけれども、政府は“10月から11月の早い時期に希望者全員の接種を完了”することを目指しているんですね。これが完了する時期というのが、Go Toの再開の目途になってくるのかなという気がします。
もうひとつ、観光庁は『ワクチン・検査パッケージ』を活用した実証実験というのをやっているんですけれども、旅行会社11社の38のツアーを選定していて、この実証実験が既に早い会社では始まっているんですけれども、遅いところだと終わるのが11月中旬になる会社もあるんですよね。この実証実験をやって、接種証明をどう確認するのか?とか、事前検査はいつやるのがいいのか?とか、そういったオペレーションの課題を洗い出していくんですよね。それがGo To再開の土台となっていく、そのための実験なので再開するとしてもこれが終わってからとか、そういったタイミングになっていくのかなと思います。ただ一方で、第6波がいつ来るんだ?という問題があって、タイミングを計るのはなかなか難しいなと思いますね。


ユージ:そうなんですよね…。タイミングは本当に難しいと思います。今再開したらしたで、年末年始に感染者が増えると批判の対象にもなりかねないですからね…。


神庭さん:「Go Toのせいで増えた!」と言われちゃったら大変ですからね。


吉田:いつか再開を見越した場合に新たにどういった視点が必要でしょうか?


神庭さん:前回のGo Toの時は、高級ホテルとか大型施設に予約が集中したんですね。総裁選で岸田さんは、中小の宿泊施設の料率(割引率)を上げる仕組みも必要だと言っていたんですけれども、『Go To 2.0』では一律何%ということでなくて、中小への配慮もあっていいと思いますし、例えば、曜日ごとに変える、土日に客が集中して密になっちゃう一方で、平日は閑古鳥が鳴いているという事になっちゃうとよくないので、曜日で割引率を変える『ダイナミックプライシング』的なやり方もありかなと思います。他にも、繁忙期の年末年始は補助率ゼロにするとかですね、そこは柔軟にできるといいなと思うんですが、一方でシステムが複雑になりすぎて、利用者が混乱するというのは避けてほしいなとも思います。


ユージ:こういう政策ってどうしても“一時しのぎ”的なものになりがちだと思うんですけど、長いスパンで考えないといけないですよね。


神庭さん:そうですね。Go To トラベルの旅行代金の割引率は35%なんですけれども、4月時点の発言で、星野リゾートの星野佳路代表は、「20%に引き下げたらどうか」と提言しているんですね。それって損することなのにいいのかな?と思ったんですけれどどういうことかというと、要は、星野さんは“アフターGo To”まで見据えているわけなんですよ。アフターGo Toで割引が無くなった時に反動でまた上がるわけじゃないですか?その時に観光業がまた冷え込むことがないように、“太く短く”の『起爆剤』としてのGo Toというよりは、“細く長く”の『底支え』的な制度としてのGo Toというのを考えていくのもひとつ選択肢なのかなというふうに思います。


ユージ:僕ちょっと思ったのが、事業者側がパーセントを選べるようにしてもいいのかなと。というのも、例えば、高級ブランドもセールとかをやりすぎちゃうと、セールの時しかお客さんが買わなくなっちゃうみたいな懸念があるのと同じで、星野リゾートも結構大きいブランドなんですよね、だからそういうところがあんまり大幅セールみたいな値下げをしちゃうと、他シーズンが苦しくなるというのはわかるんです。けど一方で、すごく困っているちいさい民宿、民間的な旅館とかだと、そこは35%でもいいから来て欲しいというのもあると思うので、事業者側がパーセントを選べるというのももしかしたら、検討してもいいのかなとちょっと思いました。


神庭さん:確かに、カスタマイズは面白いですね!やっぱり、中小が恩恵を受けられていないという状況があるのでそういったアイディアもありかもしれませんね。



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