21.10.13
真鍋淑郎さんの言葉から考える、日本の同調圧力

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんです。
神庭さんが注目した話題はこちら!
『真鍋淑郎さんの言葉から考える、日本の同調圧力』
吉田:今年のノーベル物理学賞の受賞者に選ばれた、真鍋淑郎さん。記者会見で、アメリカ国籍を取得した理由を聞かれ、「日本の他人の目を気にしすぎる風潮が合わなかったこと」を理由として挙げました。真鍋さんの発言を受け、今朝は日本社会の「同調圧力」と、「同調圧力」とどのように付き合っていけばよいのか、考えていきます。まずは、「同調圧力」とは何なのか?そして、真鍋さんの発言について、『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』の共著者で、九州工業大学 名誉教授の佐藤直樹さんに伺いました。
佐藤さん:少数意見を持つ者とか、あるいは異論を唱える者に対して、暗黙のうちに周囲の多くの人と同じように行動するよう強制すること。これが同調圧力になります。日本はもともと、同調圧力が強い国ですが、自分が仕事を終わっても、誰かが残業していると、なかなか帰りづらいとか、いつも空気を読んでいるわけになります。真鍋さんが日本に戻りたくない理由について、日本では周囲との協調が求められるという言い方をしていますよね。真鍋さんは協調する能力がないと言って、みんな笑っていたそうですが記者会見で、実はこれが同調圧力になっています。同調圧力と言うのは「同質であれ」という圧力になります。同質は、みんな同じという圧力がかかります。優れた研究をするためには、どこか他人と違っている必要がありますが、そういうものを許さないということ。これが一番の問題だったのだろうということはよく分かります。
吉田:「日本はもともと、同調圧力が強い」とおっしゃっていましたが、これはどうしてなのでしょうか?理由を佐藤さんに伺いました。
佐藤さん:どこの国にも同調圧力は大なり小なりあると思いますが、日本の同調圧力の根本にあるのは「世間」だと思います。「世間」というのは『万葉集』の中に出てきて、人間関係の作り方になりますが、日本人はおそらく1000年ぐらい人間関係の作り方が変わっていません。極端に言うと。古い人間関係の作り方をしていて、その中にはたくさんのルールがあります。「世間」のルールに縛られて、これが同調圧力になっている。これが一番大きな理由なのでは、と思っています。
吉田:佐藤さんによると、同調圧力の根本にある「世間」とは、自分に関係ある人たちだけで形成される世界のことです。この世界では、“みんな一緒”が大切で、非合理的なルールでも、“しきたり”だから逆らえない、ということです。日本人は「同調圧力」と、どのように付き合っていけばよいのでしょうか?佐藤さんに伺いました。
佐藤さん:1つは「同調圧力を分散化する」。同調圧力の根本は「世間」にありますので、属しているのが1つの世間だけになると、非常に強い同調圧力を受けることがあります。なるべく、いろんな複数の、ゆるい世間に属して、同調圧力自体を分散化できると思います。2番目は、同調圧力が強いというのは世間にいっぱいルールがあります。例えば、zoomでみんな仕事をするようになって、退出の順が決まっている。そういう謎ルールみたいなものが世間の中にいっぱいあります。そういう謎ルールを制御して、廃止できるものは廃止していくと、同調圧力は軽減されるのではないかと思います。
ユージ:同調圧力との付き合い方。神庭さんはどうすればよいと思われますか?
神庭さん:前提を疑ってみる、常識を疑ってみることが大事になります。例えば「日本は集団主義」「個人主義の欧米に比べて同調圧力が強い」と言われる事が本当かどうか、否定する説もあります。実験室でグループ数名に線の長さを尋ねて、被験者を除くサクラがわざと間違った答えを言った時に、被験者がどれぐらい釣られて同調するか調べる、というものです。結果は、アメリカ人も日本人も同調の度合いに大差はなかったです。認知心理学者の高野陽太郎さんは、「日本人は集団主義的という通説は誤り」だと指摘しています。つまり、日本には日本の、アメリカにはアメリカの同調圧力があるということです。「日本は同調圧力が強くて異論が許されない」という思いを内面化してしまって、「日本人だし、和を大事にしよう」「空気を読んで、強い意見を言うのはやめておこう」と考え始めると、それこそ逆の同調圧力にハマってしまいます。日本人だろうがアメリカ人だろうが、「空気なんて知ったこっちゃないよ」でも「いや、私は空気を大事にしたいから自分の意思で空気を読みますよ」でも、それぞれ好きにすればいいのではないでしょうか。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 13, 2021
『真鍋淑郎さんの言葉から考える、日本の同調圧力について』
今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さんの会見で、アメリカ国籍を取得したのは、「他人の目を気にしすぎる日本の風潮が合わなかった」という話がありました。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 13, 2021
同調圧力ってどうなんだ?とネット上でも様々な意見が飛び交っていて、番組でも同調圧力についてのメッセージをいただきました。あらためて考えると、僕自身が同調圧力だと思っていなくても、その圧力に押されて「NO」の意見を「YES」に変えてしまった経験があったりしました。
#ワンモ #ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 13, 2021
同調圧力はきっと世界中に存在していて、一概に「日本だからこうだよね」とは言えないと思います。同調圧力は、例えば5人中4人が同じ意見で「あなたはどうですか?」と聞かれた時、違う意見を言ってもどうせ通らないんじゃないか、じゃあいいやと意見を合わせてしまうことです。
#ワンモ #ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 13, 2021
僕はそのたった一つの意見は言っていいと思うし、その一人の意見を聞く耳を持ってあげたい。その1つの意見が重要だということを理解する気持ちを持っていれば、この先の同調圧力が生まれにくくなります。
#ワンモ #ユジコメ⑤
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 13, 2021
同調圧力を無意識にかけてしまっている側も、一つの小さな意見を聞く耳を持つことで、みんなが意見を出しやすくなる環境作りができるのではないかと思いました。自然に生まれてしまう「同調」も重要なテクニックでもあるので、こうやって向き合うことはいい機会だと思いました。