network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.10.14

マイナンバーカードの健康保険証利用
null
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『マイナンバーカードの健康保険証利用』


吉田:マイナンバーカードの健康保険証としての利用が今月20日から全国の医療機関などで本格的に始まるのを前に政府は『マイナンバーカードの保険証利用』を都内の病院にて公開し、積極的な利用を呼びかけています。


ユージ:マイナンバーカードの保険証利用の本格運用がいよいよ始まりますね!神庭さん、なかなかスムーズにスタートしませんでしたね。


神庭さん:紆余曲折ありまして、マイナンバー保険証は、最初は3月末から始まる予定だったんですけれども、テスト運用で先行実施していた医療機関で、「患者の情報がうまく確認できないよ」とか、「マイナンバーと保険証の情報がきちんと紐づけられてないよ」といったトラブルが相次いでしまったんですね。その原因は、健康保険組合が加入者の情報を入力する時に取り違えてしまったと…。毎日新聞によると、4000件もの誤入力があって、医療機関の端末とか個人のマイナポータルに、“他人の健康情報が表示されてしまうかもしれない”というリスクがあったということなんですよね。なので、このまま本格運用に入ると大変なことになるので、10月に先送りしてその間にデータの修正とかシステムの改修をしてきたということなんです。


ユージ:今回のこの紐づけというか、保険証利用というのは、僕たちにどんなメリットがあるんでしょうか?


神庭さん:これがね、なかなかわかりづらいところなので、きちんと説明したいと思います。カードリーダーで認証できるので、“医療機関で受付がスムーズになる”かもねというのが一つ。もう一つがですね、これは本人の同意が前提にはなんですけれども、“医療機関とか薬局で薬剤情報が確認できる”。例えば、旅先で病気とかケガをした時に医療機関がその人の過去の情報がわかり、その情報が引き出させれば役に立つかもしれないですよね。


ユージ:なるほど!


神庭さん:あとはですね、マイナポータルで、生活習慣病とかの『特定健診』というのがあるんですけど、その情報であるとか、薬の情報がいつでも閲覧できると。特定健診以外の年一の健康診断の情報とかも引き出せると便利だと思うんですけど、今のところは特定検診ということになっていますね。ほかにもですね、もしかしたらこれが一番大きいかもしれないですが、“確定申告の時に医療費の情報が自動で入ります”と。これは普通に便利かなと。そもそも、『e-TAX』のページのユーザーインターフェイスがあまり洗練されていないし、しかも、マイナンバーアプリも使いづらいから、便利になるとはいっても…という課題があるんですけどね。


ユージ:現時点で、どのくらい普及が進んでいるんですか?


神庭さん:もそもですね、マイナンバーカードの交付自体があまり進んでいなくて、朝日新聞によると、10月7日時点で、38.6%で、3人に1人。


ユージ:そんなに低いんですか?


神庭さん:これでも、マイナポイントのおかげでかなり増えたんですけどね。マイナンバー保険証の運用にはですね、医療機関とか薬局の側でも『顔認証付きのカードリーダー』を設置しないといけないんですね。なんですけれども、10月3日時点で導入が済んでいるのは、7.4%の施設だけなんですよ。なので、なかなか進んでいない。ただ、国が無償提供するカードリーダーを希望している施設は56.2%あるということなので、これから徐々に広がっていって、半数以上の施設で使えるようになっていくのかなというふうに思います。


ユージ:なんで普及が進まないんですか?


神庭さん:最大の理由はですね、さっきユージさんが疑問に思っていたように、利用者にとってもそうだし、医療機関にとっても、メリットが感じづらいんですよね。「何がメリットなんだろう?」ということなんですよ。先ほど利用者のメリットを挙げましたけれども、「う~ん…」というものが多かったじゃないですか?4種類も暗証番号があったりして、ややこしさもありますし。


ユージ:えっ!そんなありましたっけ?一人のカードに対して4種類??


神庭さん:あるんですよ。同じのでもいいよっていうのもあるんですけど、もし、作ってるのであれば設定してるはずです。


ユージ:いや、作ってるんですよ!覚えてないな、どうしよ…。


ユージ・神庭さん:(笑)


神庭さん:そういうことがあるじゃないですか?そもそも、マイナンバーカードを持ち歩いて大丈夫なの?と不安に思っている人も多いと思うんですね。政府のリーフレットに、ウサギのマイナンばあちゃんというキャラクターのQ&Aが載っていまして、「普通に持ち歩いていいの?」、「マイナンバーを他人に見られたらどうなるの?」という質問に対して、マイナンばあちゃんが「ええんじゃよ。キャッシュカードの感覚が近いかの」、「見られても他人は悪用できない仕組みなのじゃ!」と答えています。でも、持っている人はわかると思うんですけど、マイナンバーカードを入れるカードケースって、番号部分が黒塗りで目隠しになる仕組みになっているんですよね。番号が見えないようになっているんです。


ユージ:あぁ、そうか!そうだ!ケースに入れてるときに見えないようになってる!


神庭さん:見られていいのか、悪いのか、ちょっとよくわからないなみたいな、その状況だと、気軽に持ち歩いていいものなのかな?みたいになっちゃいますからね。


ユージ:じゃあ、なんで黒塗りにするんですか?って感じしちゃいますよね。


神庭さん:そうそう、そうなんですよね。あと、医療機関とか薬局の側もやっぱり、そのメリットがわかりづらくて、導入したところでどれだけコストが削減できるんですか?みたいな、そこが見通しづらいというのがあると思いますね。


ユージ:となると、利用にあたって、「まだ様子見したいなぁ」という方も多いのかなと思いましたね。


神庭さん:それはそうだと思いますね。でも、今は過渡期なので不便という面もあると思います。マイナポータルにアクセスするのに、マイナンバーカードをスマホアプリで読み取らなければいけないひと手間がかかりますけれども、将来的に、スマホにカードが搭載されたらひと手間省略されるので、もう少し使いやすくなると思うんですよね。あと前にも言いましたけど、AmazonとかGoogleとかにたくさんのセンシティブ情報とか履歴を預けているわけじゃないですか、我々は。にもかかわらず、政府に情報を渡すのが心配ということは、政府がGAFAより信頼されていないということなんですよね。だから、その信頼を取り戻すために丁寧なコミュニケーションというのが大事なってくるし、こういうメリットがありますよということを丁寧に説明していくことが大事なんじゃないかなと思います。


ユージ:僕自身もマイナンバーカードをうまく使えたらいいなと思うんですけどね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top