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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.08.10

新型コロナウイルス患者の入院制限をめぐる混乱
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『新型コロナウイルス患者の入院制限をめぐる混乱』


吉田:新型コロナウイルス患者の入院制限に関して、自治体に示した説明内容を政府が5日に修正したというニュースです。政府は2日、感染“第5波”による患者急増を受けて、“重症者以外は基本的に自宅療養”との方針を打ち出し、病床逼迫の緩和を狙いましたが、与党からも反発があり、わずか3日で説明の見直しに追い込まれました。


神庭さん:政府が2日に決定した方針だと、新型コロナ感染が急速に拡大している地域で、入院患者を『重症者や重症化リスクの高い人に限る』というふうに説明したんですね。これを都道府県に文書を出したんですけれども、『軽症と中等症の“一部”を自宅療養に切り替える』というものだったんですが、これが『中等症は原則、自宅療養』と報じられたことで、「見殺しにするのか」というような批判の声が広がったということなんですね。与党内からも反発の声が出て、その結果、5日になって、政府は、『中等症患者は原則として入院』というふうに説明を変えたんです。


吉田:急に血中酸素濃度が低下したりとか、容体が悪化したりもするから、不安になりますし、説明不足だとも感じます。対応がかなり混乱しているように感じますね。


神庭さん:重要な方針をめぐって二転三転しているんですね。西村大臣の金融機関や酒類販売業者への“働きかけ”問題がありましたけれども、あれの時と一緒ですよね。国全体のコロナ対応を左右する問題なんですけれども、新型コロナ分科会の尾身茂会長への事前の相談もなかったと。菅総理も「厚労省で必要な相談をすべきだった」と非を認めたんですね。


吉田:相談せずに決めていたことにもちょっと驚きなんですが、結局、入院患者の扱いはこれまで通りなんですか?


神庭さん:入院対象について、元々の文書は、『重症者や重症化リスクの高い人』というだけで、中等症についての書きぶりが曖昧だったんですね。5日の修正で、入院対象になる人として重症患者に加えて、『中等症患者で酸素投与が必要な者』、あとは、『酸素投与が必要でなくても重症化リスクのある者』と明記されました。中等症というと「多少、息苦しいくらいかな?」と軽く考える人もいるかもしれないんですけれども、先週も紹介しましたが、Twitterで非常に拡散されている医師の安川康介さんのイラスト解説によると、中等症は人工呼吸器こそいらないものの、肺炎が広がっていて、“多くの人にとって今までで一番苦しい状態”だということなんですね。また気が付かないうちに、酸素飽和度が下がっちゃうという状況もあって、そうすると自覚症状がないまま急激に容体が悪化しちゃうこともあるので非常に注意が必要だと思います。


吉田:つらくても我慢しちゃう人っていますからね、そういった方は不安ですよね、自宅にいるっていうのは。


神庭さん:そうですし、そもそも、つらくもないのに、いきなり悪化しちゃうというパターンもあるので、パルスオキシメーターという装置で酸素飽和度が測れるんですけれども、無いお家も多いと思うので今回の政府の方針はですね、かなり混乱を招いたんじゃないかなと思いますね。


吉田:ここで気になるのが政府のトップである菅総理のリーダシップについてですね。コロナ対応をめぐって、批判が高まっているように感じます。実際、評価はどうなんでしょうか?


神庭さん:確かにここへきて、菅総理のコロナ対応に対する批判が高まってますね。菅政権は昨年までは、よくコロナを抑えていましたし、ワクチンの調達についても頑張っていたと思うんですね。未曾有の国難ですし、“誰がやっても大変”という面はもちろんあると思います。広島の平和記念式典で挨拶を読み飛ばしてしまったり、「疲れてるのかな?」というふうにも思いますし、同情する面もあるんですが、それにしてもここ数ヶ月の混乱はひどいと思いますね。


吉田:最近の混乱の原因ですが、神庭さんは何だと思いますか?


神庭さん:原因のひとつは、『司令塔の不在』だと思います。安倍前総理は月刊誌のインタビューで「菅総理には菅官房長官がいない」というふうに指摘したんですね。これはどういうことかというと、つまり、強力な司令塔とか、参謀役として、根回しだとか、調整を担う人材がいないということなんですね。今回の入院方針をめぐるゴタゴタでも、与党から反発を招いてしまったり、尾身会長にも相談せずに強引に進めてしまったり、調整不足を露呈しましたよね。もう一つはですね、菅さんの資質というか、キャラクターと今の状況のミスマッチがあるかなと思っていて、官庁長官時代というのは、『官邸の守護神』とか、『鉄壁のガースー』なんていうふうに呼ばれて、聞かれたことに、“あえて”正面から答えないで、うまくはぐらかしたり、煙に巻いたり。“いかに説明しないか”という技術を卓越させることでメディアとかに言質をとらせないで、批判とか追及をかわしてきたんですね。当時は“あえて”そういうロールプレイとしてやっていたと思うんですけれども、総理になってからもそのクセが抜けていないのかなと。コロナ禍では、緊急事態宣言とかも含めて、国民に痛みを求めるようなことも言わなければいけないわけですよ。言ってみたら『説明力』がすごく大事なんですが、菅さんの言葉はなかなか響いてこないし、記者会見のやりとりも全然噛み合ってないですよね。結果、国民もついてこないという部分があって、本当は、総理になった時にキャラ変しなければいけなかったんですよね。その結果、『あえての説明不足』だったはずが、『ただの説明不足』になってしまったと。ゲームで言ったら、めちゃくちゃ守備力の高いキャラクターに攻撃役を無理やりやらせているようなミスマッチがあるかなと思っていて、もちろんね、ニューヨーク州のクオモ知事みたいに、説明とかアピールばかり上手で、足元で感染者が増えちゃったり、女性からセクハラの告発を受けてしまったりするようなパターンは論外だと思うんですが、菅さんは明らかに『説明力』で損をしてしまっていると思うので、今からでも、『いかに説明するか』、『伝えるか』ということに、心を砕いて、説明力の部分に力を入れていった方がいいんじゃないかなっていうふうに思うんですよね。


吉田:確かにパフォーマンスとか、説明力だけで中身が伴っていないというのは、問題だとは思いますけれども、国を引っ張るリーダーとしてそういったスキルは、大事なのかもしれないですよね。



そして、今日の #アキコメ はこちら。






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