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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.07.08

反ワクチン本とプラットフォームの責任
nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


反ワクチン本とプラットフォームの責任

吉田:「新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたくない」と考える人がおよそ11%いることが、国立精神・神経医療研究センターなどの全国調査で分かりました。ワクチン接種については、強制ではなく各自の判断ということになりますが、そんな中でいわゆる「反ワクチン」の動きにも注目が集まっています。
神庭さん、今朝のテーマである「反ワクチン本」について、教えてください。


神庭さん:6月に「新型コロナウイルスの存在は証明されていない」「マスクやワクチンは効果がない」などと主張する書籍が、Amazonのランキングで1位になったんです。
その後、この「反ワクチン本」はAmazonから突然消えました。その理由について、版元は公式サイトで「当書籍は、Amazonの本のコンテンツガイドラインに準拠していないため、販売することができない。とのことです」という声明を発表しました。
ところが、数日後に事態は一変しまして、この「反ワクチン本」のAmazonでの取り扱いが再開され、現在は再び、紙や電子で購入できるようになっています。
この件についてAmazonに問い合わせてみたんですけれど、「誤って販売が停止されておりましたが、現在は再開しています。」ということで、“手違い”で販売停止してしまった、という説明でしたが、ニュースサイトがこの顛末を報じたことで、SNS上にはAmazonの対応を疑問視する声が広がっているんですね。


吉田:内容については“表現の自由”ということもあって、難しい問題ですね。


神庭さん:何を書くのかは著者の自由ですし、どんな本を取り扱うのかも販売する側の自由ではありますが、コロナ禍でフェイク情報が拡散され、現実社会への影響などが叫ばれるなか、「巨大プラットフォームの果たすべき責任」も考えなければいけないかな、と思いますね。新型コロナのワクチンに有効性があることは科学的に実証されていますし、「ワクチンを接種するかどうか?」その判断を曇らせるような情報をプラットフォームが後押ししてしまうのは問題があると思いますね。
もし「爆弾のつくり方」「毒劇物のつくり方」といった本が、誰でも読めるような形で売られていたら、多くの人が不適切だと考えると思うんですけれど、いまこの状況で「反ワクチン」を煽ることは、結果として、それ以上の死者や健康被害をもたらす可能性があると思うんですよね。


ユージ:うーん。プラットフォーム側はどんな対応をしているのでしょうか?


神庭さん:例えば「Google」は、新型コロナやワクチンの間違った情報に関するファクトチェック記事を優先表示する、などの対応を取っています。
「YouTube」は、コロナウイルスの存在を否定する動画や、ワクチンに関する間違った情報を削除する、という方針を取っているんですね。
「Facebook」に関しては、いまだに問題のある情報がかなり放置されてはいますが、ワクチンに関する間違った情報は削除する方針を取っています。


ユージ:じゃあプラットフォーム側も、社会への影響を考えて対応している、という段階なんですね。


神庭さん:そうなんですよ。ただ、それが一部追いついていない部分もあるということで、今回のAmazonの件で言うと、非常に難しいんですが、表現の自由を考えたら「販売停止」まですることはなかったのかな、と思います。僕みたいな人間が考察するためにも、一度は読んでみないといけないので、全く購入できなくなってしまうと、それはそれで困っちゃうので…。
ただし、ランキングの上位に「反ワクチン本」などが表示されていると、その本がAmazonの“お墨付き”と誤解する人が出てくるので、販売は継続しつつも、ランキングから外したり、警告バッジを表示して注意喚起したり、あとは書籍のカテゴリーを「反ワクチン」「要注意書籍」といった形に変えちゃう、といった手もあると思います。そうすることで、皆さんも注意しながら読むことが出来る訳です。
一般の人が分からないことに不安を感じるのは当たり前で、僕も偉そうにこんなこと言っていますけれど、先日、ワクチンを打った後でちょっと副反応が心配になって、「大丈夫かなぁ…」って何度も検索したりしてしまったんですよね。なので、僕もそういう気持ちはよく分かりますが、専門家やメディアは、そういった一般の人たちの不安を煽ったりするのは良くないんじゃないかなぁ、と思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。









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