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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.07.06

『ワクチンパスポート』について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『ワクチンパスポート』


吉田:加藤官房長官が先月の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの接種歴を公的に証明する『ワクチンパスポート』について、今月下旬をめどに書面で交付できるよう準備を進めていると表明しました。早急に交付できる態勢を整えるため、まずは書面での交付とした上で、電子交付も見据えて検討するとしています。
神庭さん、以前もこのワクチンパスポートについては、解説して頂きましたよね。


神庭さん:今回、少し進展があったので改めて解説したいと思います。以前、説明した時にですね、『国をまたぐ移動のためのパスポート』と『国内での活用のためのパスポート』は、別物なので切り分けて考える必要があるよという話をしました。今回始まるのは、“国際的な往来のためのもの”なんですよね。それも主に『往路』で、主に日本に住んでいる人が出張とか留学とかで海外に行った際に、隔離とか検査とかを免除してもらうために使うことが想定されているんです。だから、申請にはパスポート、これは本当のパスポート、旅券ですね、が必要になってきます。発行するのは市町村で、接種したワクチンの種類とか接種年月日、名前、生年月日、旅券番号などが記載されるんですね。ヨーロッパとかイスラエルとかではですね、QRコードを使った“デジタル”証明書が導入されているんですけれども、日本では、“紙”ベースということです。


ユージ:“今のところは”ですよね。


神庭さん:そうですね、将来的には電子化も目指してはいるんですけれども、今回は、スピード優先で、まずできるところからという事で紙ベース…。若干ガッカリ感はあるんですけれどもね。


ユージ:ん~まぁ、そうですね…。「紙なのか…」ってね。その紙をなくしちゃった場合は無効になっちゃうということですよね?


神庭さん:そうですね。再発行してもらうとかになると思います。


吉田:ワクチンパスポートに関しては経済界からも意見があったようですね。


神庭さん:はい、経団連はですね、国内での活用というのを求めていまして、政府に提言しています。具体的には、『割引とかポイント・特典の付与』、あるいは、『国内の移動やツアーへの参加制限の緩和』、あとは、『イベントなどの優先入場』、あと、『介護施設や医療機関での面会制限の緩和』といったことなどがあげられています、ただし、体質とかアレルギーなどで打ちたくても打てない方もいらっしゃるので、そういう方たちへの配慮も必要で、その点について、経団連は以下の2点を求めています。例えば、“自らの意思とは関係なくアレルギーなどの理由で接種できない方に代替措置、検査による証明などを用意する”こと。もうひとつは、“選択肢や代替案なしにワクチンの非接種を理由に、会場とかへの入場や使用を断られる、排除されることがないようしてください”という2点を求めているんですね。
やっぱりですね、接種していない人が不利益を被るようなものはNGだと僕も思います。ただ、例えば、接種した人が居酒屋さんでビール1杯無料になりますとか、旅行代金が安くなりますよとか、それぐらいのことは民間の取り組みとしては、そこまで問題ないのかなと思っていて、アメリカはハイペースに接種を進めてたんですけれども、今、壁にぶち当たっていて、というのも、根強い反ワクチン人たち、ワクチン忌避の人たちがいて、接種ペースが落ちてきているんですね。日本でも、ゆくゆくそういった状況にぶち当たる可能性があるので、そういった時に割引とか特典というのが接種率を上げていくためのひとつの武器になるかなというふうには思っています。ただし、国とか行政が主体的になってやると色々問題があると思いますから、そこの線引きは慎重にやったほうがいいかなと思います。


ユージ:その辺は難しそうですよね、慎重に進めていただきたいですね。


吉田:そうですよね。神庭さん、ワクチンパスポートについて課題はなんでしょうか?


神庭さん:4月時点とあまり変わっていないんですけれども、国際的な往来のためのワクチンパスポートの話に戻しますけれども、国とか航空会社とか団体などが各々にパスポートを作っていて規格が乱立しているんですね。国際的な往来に関しては、一方的に「日本人のワクチンパスポートを認めてくれ」と海外にいうだけだと、そういう話は通らないので、向こうから来る時に関して“相互認証”するような形になるはずなんですよね。その際に重要なのがワクチンパスポート発行の“条件”とか“規格”なんですね。それがあまりにもザル過ぎて感染拡大を許してもいけないし、いろんな国がバラバラに規格を作って、アプリをいくつもインストールしないといけないような状況になったら混乱しちゃいますよね。だから、相互認証し合う国とか団体と協議して、できる限り“標準規格化”を模索すべきなんじゃないかなと思っています。


ユージ:その国オリジナルのパスポートだと意味がないですもんね。


神庭さん:それが何百個もあるみたいな話になっちゃうと大変ですよね。あとは、ワクチンの効き目もですね、ファイザーとかモデルナは95%と高いんですけれども、中国製はメーカーにもよるんですけど、51%とか78%とかですね、かなり低いと言われていて、例えば、チリではですね、国民の68%が接種を完了していて、すごい接種が進んでいるんですけれども、そのうち、4分の3が中国製のワクチンだったみたいで、今も感染が拡大しているのが問題化しているんですよね。なので、ワクチンと一括りで言っても、「接種した/してない」の二元論だけではなくて、有効度合いによってですね、隔離の日数を変えるとか、入国後の行動制限の度合いを変えるとかですね、グラデーション的な対応を考えるのもいいのかなと思いますね。



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