21.05.31
東京オリンピック・パラリンピックの感染防止対策の現状と課題

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『東京オリンピック・パラリンピックの感染防止対策の現状と課題』
吉田:東京オリンピックの開幕まで2か月を切り、各国で選手選考が急ピッチで進められています。それと同時に選手へのワクチン接種も進んでいて、選手村に滞在する各国の選手うち75%が接種済みか接種を受ける予定で、国内でも明日6月1日から接種が始まります。その一方で、世界中から選手や大会関係者が多数来日ということで、オリンピックを機に感染が更に拡大するのではないかと懸念する声も少なくありません。
神庭さん、実際にどのくらいの人が入国する予定になっているんでしょうか?
神庭さん:オリンピック・パラリンピックのために選手1万5000人、選手以外の関係者7万8000人、合わせて9万人以上が来日予定なんですね。延期前の段階では選手を除く関係者だけで17万7000人と言われていたので、そこから比べれば大幅減というふうに言われているんですけれども、『オリンピックファミリー』と呼ばれるIOC委員やOB、その家族ら3000人は聖域になってまして全く減っていないと…。各国のオリンピック委員会関係者1万4800人もそのままということで維持されているんですね。組織委員会の武藤事務総長は「これらの人たちは大会に必要不可欠で、現時点では変えることができない」というふうに話しているということなんですね。
ユージ:削減とは言いつつも、結構、たくさん来ますね。
神庭さん:9万人ですからね…。ちなみにですね、オリンピックとは関係なく今の時点でも帰国者・入国者というのは約2万2000人くらいいて、14日間の待機期間中は位置情報の確認とか健康状態の報告を義務付けられているんですけれども、このうちですね、1日100人程度は居場所がわからないと…。毎日の健康状態の報告にも応じていないということなんですね。応じない場合は氏名公表という強い措置があるんですけれども、こういう有様になっていまして、現段階でも、結構、水際対策はガバガバなっているので、オリンピックで大量入国する人たちの行動をどこまで適切に管理できるのかというのはちょっと疑問が残るところですね。
吉田:ワクチン接種もあるということですけれども、選手の感染対策はどうなっているんでしょうか?
神庭さん:選手や関係者の行動規則を定めた『プレイブック』というものがあるんですけれども、そこにはですね、“マスクの常時着用”、“公共交通機関を使わない”、“毎日の検査”といったことが求められていて、当り前の対策なんですけれども、一方でですね、アメリカの権威ある医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された論文ですと、日本のワクチン接種率が低いことを理由に批判が結構されていまして、「オリンピックを続行するというIOCの決定は最良の科学的証拠に基づいていない」であるとか、「大規模なイベントを成功させるために働くトレーナー、ボランティア、関係者、交通機関やホテルの従業員を含む何千人もの人々をこのプレイブックでは十分に保護できない」、「オリンピックを中止することが最も安全な選択肢なのではないか?」といった批判がなされているんですね。他にもですね、選手が自分でマスクを確保するということになっているんですけれども、そうではなくて、大会側が用意するであるとか、もしくは、ホテルが相部屋だとハイリスクですから個室にした方がいいのではないか?とか、わりと具体的でためになる指摘も結構この論文には載っています。
ユージ:どこにお金をかけるかということにも日本国民にとってはすごく重要なポイントなんですけれども、例えば、選手に配るマスクに関しては、多分、恐らく批判は出ないと思うんですよ。
神庭さん:ケチケチしないで欲しいですよね。
ユージ:そういうのは向こうが好き勝手なマスクを着用するよりは、逆にこちらが安全対策ばっちりのこれだったらいいですというマスクを提供する方がいいかも知れないですよね。ちなみに、こういう批判を政府はどう受け止めているんですか?
神庭さん:丸川珠代五輪担当大臣は「明確な事実誤認や誤解に基づく指摘が見受けられる」というふうに反論していまして、論文には検査頻度が不明確と指摘されたんですけれども、実際、プレイブックには毎日検査すると書いてあるよというふうに反論しているんですね。
ユージ:なるほど、なるほど。
吉田:改めて具体的な感染防止対策と心配されている点について教えてください。
神庭さん:検査を徹底することを条件に選手やチームの役員たちは入国後の待機が免除され、すぐに活動できるんですね。『バブル方式』といって、選手・関係者を外部の一般人らと遮断することを目指しているんですけれども、あくまでバブルはバブルなので割れることもあるよねと、検査は100%ではないし、すり抜けは確実に起こるので、そこからバブル内部でのクラスターが発生して、バブルの外部にも感染が広がっていくということになるとまずいなというふうに思いますね。ちなみにですね、ロンドン五輪では15万個、リオ五輪では45万個の避妊具が選手らに配布されていまして、東京大会でも16万個が配布予定ということになっているんですね。
ユージ:今回の東京大会でですか?
神庭さん:そうです。性感染症の予防・啓発が目的なので本来的には望ましいことで、良いことなんですけれども、今はコロナ禍という特殊な事態ですので、先ほどのプレイブックにも「ハグや握手などの物理的な接触を避けてください」と書いてあるので、ちょっと矛盾するというか…。組織委はですね、「選手村で使うというものではなく、母国に持ち帰っていただき啓発にご協力いただくという趣旨・目的のもの」と説明しています。
ユージ:お土産としてっていうこと???
神庭さん:お土産としてなんでしょうか(笑)。ただ、接触を公認・助長しているというふうに取られちゃうことも。マスクは自前なのに、コンドームは配布というのはよくわからないですからね。
ユージ:そうですよ、ほんとですよね。そこでハグ・握手はやめてくださいね、物理的な接触はやめてくださいね。でも、避妊具は渡しますよ。というのはね…。
神庭さん:もうちょっとメッセージの打ち出し方を考えて欲しいなと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ワンモ #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 31, 2021
『東京オリンピック・パラリンピックの感染防止対策の現状と課題』
五輪を開催する場合、海外から日本に入国できる人数を、今までより減らしたにもかかわらず、関係者の方々は削減の対象にならないということで驚きました。
#リポビタンD TREND NET #ワンモ #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 31, 2021
もし開催されると9万人以上が来日するので、関係者含め観光気分で飲食店等に行ってしまう人がいると思います。だから全員がルールを守ってくれるという性善説ではなく、ルールを破る人は必ずいるという性悪説に立って対策を練る必要があると思いました。