21.06.01
都立高校の男女別定員から考える、入試のジェンダー問題

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『都立高校の男女別定員から考える、入試のジェンダー問題』
吉田:東京都立高校の普通科の一般入試は、募集定員を男女に分けて設定しているため性別によって合格ラインが異なっています。都の教育委員会は毎年是正措置を講じていますが、2015年~2020年に実施した入試では、対象校のおよそ8割で女子の合格ラインが最終的に高かったことが内部資料でわかりました。
ユージ:いやぁ、正直、男女で合格ラインが違うというのは、恥ずかしながら、僕、全く知りませんでした。
神庭さん:このニュースは毎日新聞の独自取材などで点数など詳しいことが明らかになっているんですけれども、都立高校の全日制の普通科というのは、全国で唯一『男女別定員制』なんですね。入試は“内申点 300点”と“英数国理社 5教科 700点”の“1000点満点”で選抜されるんですけれでも、毎日新聞によると、2015~20年の入試で対象校のおよそ8割で女子の合格ラインが最終的に高かったと。また、1000点満点で“最大243点”、女子の方が上回るケースがあったと。またですね、男子の合格最低点を上回った女子20人が不合格とされた事例もあったということなんですよね。
ユージ:同じ高校の話ですよね?
神庭さん:もちろんそうなんですよ。
ユージ:女子だけが高い点数を取らないと入れなかったということがわかったということですね。これはたまったもんじゃないですよね。
神庭さん:おっしゃる通りなんですよね。男女で大きな差が出ないよう、定員の9割は男女別で合否を決めて、残り1割を男女合同で選抜する是正措置がありまして、これは一部の学校で実施しているんですけれども、それでもこうした男女差が残っているのが現状で、 経済的な問題で都立しか受けられない女子生徒も当然いるんですけれども、『男女別定員』のせいで不合格になってしまったり、あるいは、確実に合格するために自分の学力レベルよりはちょっと下にレベルを落として受けるというようなことになっちゃったりするんですよね。女子生徒の側に「もし男子だったら受かったのに…」という後悔を残しちゃうのは非常に良くないと思うので、これは変えていった方が良いんじゃないかなと思います。
吉田:そもそも、都立高校はなんで全国で唯一『男女別定員制』になったんですか?
神庭さん:歴史を振り返ると、実は元々はむしろ女子を守るための制度だったんですね。どういうことかというと、戦後、1950年度に『男女共学制』を導入するにあたって、男女別定数が定められたんですけど、当時は女子に対する教育の機会が十分に保障されていなかったので、旧男子校を共学化しても、純粋に成績順でやっていくと十分な数の女子生徒が入学できない可能性が高かったんですよね。なので、女子を一定数確保する、半々にしようということの措置として、その当時としてはすごく意味のある制度だったんですけれども、今となっては、男女とも幼少期から平等に教育を受けられますから、逆にそれが女子の足枷になってしまっているということなんですね。
ユージ:そうなんだ…。男女平等というのはもちろんのこと、それこそ、LGBTとか世の中は少しずつでも対応してきていると思うんですよね。なんでこの都立高校の制度は、温存されているというか、未だに変わらないんですか?
神庭さん:やっぱりですね、これまでも、モヤモヤしてきて、なんでこんな制度なの?と思っている人はいたんですけど、たとえ今声をあげても自分が受験するときには間に合わない、制度は変えられないという諦めがあったので、それで長い間温存されてきてしまったというのがあるんですよね。
ユージ:そうなんだ。
吉田:どうすればいいんですかね…。
神庭さん:現状、都教委は学校名がわかる形で男女別の合格最低点を出していないんですよ。「悪いことではない」とか「何の問題があるんですか?」というスタンスなのであれば、まず、学校別の詳細なデータを公開するべきだと思いますね。問題ないかどうかを判断するのは受験生や保護者であって、後ろめたいから情報を隠しているかなって思っちゃいますよね。
ユージ:思われちゃいますよね。
神庭さん:『平等』というものにはいろんな形があって、例えば、男子校で『男子のみ』、女子高で『女子のみ』、あるいは『男女同数』という形があって良いんですよね。あっても良いんですけど、とはいえ、あらゆる偏差値帯で選択肢が確保されていることが前提なんですよね。基本的に都立高には男子校・女子高というのはないので、『男女同数』か『性差なし、点数順』のどっちかになると思うんですけれども、そこがちゃんと担保されていなければ問題だと思いますし、現実的にどちらかしか選べないということであればですね、『点数順』とか『実力順』の方を優先するべきなのではないかと思いますし、実際、東京都以外の46道府県はそうしているんですよね。
ユージ:このことについて本当に僕、知りませんでした。これ言っちゃうと、この高校の偏差値がいくつですよって出てるとして、男子はその偏差値で入れるかもしれないけど、実際、女子はもっと偏差値が高かったりするという可能性があるということですよね。
神庭さん:そうですね、男女で偏差値が違っちゃってるということなんですね。
ユージ:その偏差値で女子が入れるとしたら、男子だったらもっと良い高校に行けちゃうとか、そういうふうに考えられますよね?
神庭さん:そうですね。ある種、男子が下駄を履かされているということなんですよね。女子が増えると、公立校は「対応できないです」、「設備を変えないといけないじゃないですか」という声もあるんですよね、トイレや更衣室を増やすとかしないといけないので設備の問題があるというのがあるんですけど、それはもう、お金を出してどんどんやればいいと思います。その分、溢れちゃう男子の受け皿をどうしたらいいか?という話もあるんですけど、確かに都内はですね、私立の女子高が多いので、男子の行き先がないのではないか?と言われたんですけど、最近はその女子高の共学化もどんどん進んでいますし、受け皿も増えてきてますから、『男女別定員』ではなくて『点数順』にしても問題ないんじゃないかなと思いますね。
ユージ:僕もそう思います!
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 1, 2021
「都立高校の男女別定員から考える、入試のジェンダー問題」について
毎日新聞によると、2015~20年の入試で、対象校のおよそ8割で
女子の合格ラインが最終的に高かった。
男子の合格最低点を上回った女子20人が不合格とされた事例もあったそう。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 1, 2021
僕は全く知りませんでした。
簡単に言うと、
同じ高校を目指していても、男女で合格ラインが違い、
女子の方が合格する為には高得点が必要という事です。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 1, 2021
これだけ「男女差別を無くそう」と言われてきて、
もう当たり前になっている中、男女に差があった事に驚きました。
僕の意見は、対象校の基準を満たしている学生を、
点数の高い順から合格にしていく方法が良いと思います。
男女関係無く、実力で判断するのは如何でしょうか。#ワンモ