21.06.02
夏の電力需給、ひっ迫の見通し

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『夏の電力需給、ひっ迫の見通し』
吉田:経済産業省は、今年の夏の電力需給について、「ここ数年で最も厳しい」との見通しを公表しました。それによりますと、今年の夏が10年に1度の猛暑となった場合、北海道と沖縄を除く各地域で、電力供給の余力を示す予備率は7月に3.7%まで低下。8月も多くの地域で3.8%と、安定供給に最低限必要な3%に近づくということです。採算の悪化した古い火力発電所の休止や廃止が相次いでいることなどが要因で、今度の冬も含めて、電力の需給がひっ迫する恐れがあるということです。
「夏に電力需給がひっ迫」という見通しについて、環境エネルギー政策研究所の所長、飯田哲也さんに見解を伺いました。
飯田さん(コメント):電力会社と国で作っている機関は、今後10年間の見通しを出している中ではですね、特に電力の不足はないというデータを出してたんですが、ここにきてどうも電力が足りないのではないかというデータが急に出始めたんですけれども、1つは昨年の暮れから今年の初めにかけて、卸電力取引所が非常に高騰したということで、それに対する検証の結果として、経産省のほうから電気が足りないかもしれないという報告があがってきていると。一方でですね、今、河野太郎行政改革担当大臣のもとで、再エネ推進のための規制改革タスクフォースが検証しているところ、本当に足りないのだろうか?というところはですね、実はまだはっきりしていなくて、私どもの研究所でも早急に本当に電気がたりないのかと検証しているところです。
今、経産省の委員会に出ているデータでは、全国で融通していけば最低レベルの3%くらいは維持できそうだよと。ただ1つだけですね、冬に関しては東京電力あたりで予備率が若干厳しくなるのではないかという見通しが今出ています。ただですね、実は10年前も福島原発事故のあと原発が止まったりして、電力会社と経産省が電気が足りないといっていて、私どももデータを検証したところ、どうも十分足りているのではないかという、そこの見解は分かれていてですね、このまま鵜呑みにはできないなというところが我々の経験上あります。
吉田:夏の電力需給は「ここ数年で最も厳しい」という見通しを経済産業省が公表したということですが、神庭さんはどのようにご覧になっていますか?
神庭さん:去年の12月から今年の1月にかけて寒波などの影響で電力需給がひっ迫しましてですね、電力の卸売価格が急上昇して、新電力の『市場連動型』のプランで契約している人の中には、月の電気代が5万円とか8万円とかになってしまった人もいたんですね。今年の夏、冬のひっ迫で同じことが繰り返されないかなというのはちょっと心配しています。
吉田:なるほど。経済産業省は、夏に電力の需給がひっ迫するとみているわけなんですが、それに備えて経済産業省は電力会社に休止している発電所を再稼働するなどして、供給力を増やすよう求めています。飯田さんは、電力不足に備え、どのような対策が必要だと考えているのでしょうか。
飯田さん(コメント):まさにデジタルトランスフォーメーションで全体を束ねて、1つの発電所、もしくは、1つの節電所ととして対応するような、需要側をきちっとコントロールする。それが日本では十分進んでいないので、それがまず1つ非常に重要であるということと、蓄電池がかなり実用化が進んできていますので、蓄電を入れることによって、ピークの数時間電気が足りない程度のことはですね、十分カバーできるんですね。
根本的な問題があるのは、電力会社が“完全に発送電分離できていないこと”、および、“発電と小売りの8割を古い電力会社が独占的に持っている”。この2つの構造的な問題によって、実は昨年の暮れから今年のはじめの“見かけ上”電力不足的なことは、そこの問題で起きたので、それを全部しっかりと電力市場改革をきちんとやりぬいていくということが事が根本的な解決のためには必要だと考えております。
ユージ:神庭さんはいかがですか?
神庭さん:経産省はですね、今、休止している火力発電所の再稼働などを求めているんですが、これから温室効果ガスを減らしていかなければならない中で、いつまでも火力頼みにできないというジレンマはあると思います。日本は地域間で送電し合う仕組みというのが弱いので、そこを強化していく必要があると思います。あと、一般の方々に対して言えるのがですね、「電力が足りなくなるからエアコン我慢しよう」とか、それは絶対にやめてください。これは本当に命にかかわることになるので、もちろん、こまめな待機電力の節電とかは良いんですけど、エアコンは我慢しないでください。
ユージ:確かにそうです!そうですよね。
神庭さん:そこだけはちょっと強調しておきますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 2, 2021
『夏の電力需給、ひっ迫の見通し』
電力需給の余力を示す予備率は8%が安定供給の目安。
最低でも3%の確保が必要とされているが、この夏から冬にかけて予備率はどんどん下がり、来年2月にはマイナス0.3%まで落ち込む見通しだということです。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 2, 2021
つまりこれは、節電要請や停電要請が今年や来年にあり得るかもしれないという話になってきます。
とはいえ、電力の節約を心がける必要があっても、節約するポイントをしっかり見極めることが必要です。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 2, 2021
夏の熱中症は危険なので、冷房はしっかりとつけることも大切だと思います。
あとは、電力消費の少ない家電を選ぶとか、いろいろな電力節約の方法があると思うので、それぞれで気を配っていけたらと思います。