21.06.03
改正3回目『ストーカー規制法』その問題点
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
改正3回目『ストーカー規制法』その問題点
吉田:先月18日、改正ストーカー規制法が成立し、8月にも全面的に施行されます。「ストーカー規制法」とは、ストーカー行為などを規制・処罰し、被害者を援助するための法律です。
3回目の改正となる今回は、GPS=全地球測位システムを悪用して、相手の承諾なく位置情報を把握する行為などが規制対象に追加されました。例えば、相手の車などに無断でGPS機器を取り付ける行為、アプリを悪用して相手のスマートフォンの位置情報を勝手に取得する行為などが規制対象です。
ユージ:ストーカー規制法は技術の進歩に法律が追いつかず、「規制対象外」のストーカー行為が問題化するたびに改正を繰り返してきました。神庭さん、繰り返し法改正されていることに対する批判もありますね。
神庭さん:ストーカー規制法は、「桶川ストーカー殺人事件」をきっかけに2000年に制定されたんですけれど、2013年には「逗子ストーカー殺人事件」を受けて、“大量のメール送信”が規制されていなかったことが問題となり改正されました。そして2016年には、音楽活動をしていた女子大生がSNSに脅迫的な書き込みをしていたファンに刺された事件を踏まえて、SNSも規制対象となりました。
そして今回は3度目の改正となり、相手の承諾を得ずにGPS機器やスマートフォンのアプリで居場所を把握する行為が規制対象に加えられました。こういった改正の繰り返しについては「泥縄」と批判もされていますが、僕は改正を繰り返すこと自体は悪くないと思っています。むしろSNSやネットの発達、技術の進歩にあわせて頻繁に法改正できるようにすべきだと思っていて、OSのアップデートのようなイメージで現実に対応できない不具合やバグを見つけたら、どんどんプログラムの一部分を更新するように改正していけば良いと思います。捜査機関や有識者、当事者らによる常設の協議体をつくって、そこでの議論を随時、法律や制度の改正につなげていけたら良いと思いますね。
吉田:では、今回の改正ストーカー規制法の問題点について神庭さんはどうお考えですか?
神庭さん:一番の問題点は「恋愛要件」が撤廃されずに残ったことですね。ストーカー規制法は「つきまとい」の行為について、【 恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的 】で行うものに限定しています。『ストーカーとの七〇〇日戦争』の著者・内澤旬子さんは、元恋人からネット上でのつきまといや誹謗中傷の被害を受けましたが、捜査当局には恋愛感情に由来しない「逆恨み」と判断され、ストーカー規制法が適用されなかったということがあったんですね。警察による法律の運用にも問題があるのかもしれないんですが、やっぱりそれはおかしいのでは?ということになりまして、評論家の荻上チキさんらの調査によると、「望まない面会や交際の執拗な要求」を求める被害の場合、「交際相手・元交際相手」によるもの以外が7割以上を占めたんですね。しかも、そのうちの3割ほどは、「まったく知らない相手」「ネットで知り合った人」「アルバイト先の客」など、特に強い関わりのない相手によるものだったんです。
たとえば、客が店員につきまとうなど「恋愛感情」に限らずストーキングや嫌がらせは起こりうることなので、やっぱりそこをちゃんとケアできるようにしないと「恋愛感情ではない」「恋愛に起因する怨恨でない」と言い張ることで、ストーカー規制法の適用を逃れるような「抜け道」は塞いでおく必要があるんじゃないかな、と思いますね。
吉田:被害者のことを思うと、たとえ法律が適用されて加害者が逮捕されても、心の傷はなかなか癒えませんよね。
神庭さん:そうですね。被害者のケアはもちろんなんですが、加害者の側にも、刑罰だけでなく治療やカウンセリングなど、医学的・心理学的なアプローチも考えていく必要があって、警察もストーカー加害者に対して医療機関の受診を勧めているんですが、去年は882人に働きかけて、実際に受診したのはたったの124人だったんですね。8割以上が受診に応じていないんです。なので、加害者に公費を出すのはどうか?という話もあるんですけれど、公費負担をしてしっかりと治療やカウンセリングをする、というのもひとつの手なのかな、と思いますね。
吉田:ストーカー行為の被害については、最寄りの警察署で相談に対応しています。
または、警察相談専用電話「#9110」に相談してください。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ワンモ #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 3, 2021
『改正3回目"ストーカー規制法"、その問題点』について
ストーカー規制法は、時代によって変えていかなければならないと思います。例えば、ネット内でのストーカーなどが出てきた時に、今までストーカー規制法では適用し難い部分がありました。
#リポビタンD TREND NET #ワンモ #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 3, 2021
ネットの時代の流れとともに、オンラインでの被害が多数発生しているので、法もスピーディに変えていく必要があると思います。そのため、手続きであまり遅くなり過ぎず、時代に応じて変えられる仕組み作りをしていかなければならないと思いました。