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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.03.10

『復興予算の使いみち』について
null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんに伺う話題はこちら!


【復興予算の使いみち】


エリザベス:東日本大震災からの復興のため、政府が投じてきた復興予算は10年間の累計でおよそ32兆円に上っています。


鈴村:まずはですね、東日本大震災の発生から明日で10年を迎えるわけなんですが、宇佐美さんはどのようなことをお感じになっていますか?


宇佐美さん:私は、あの地震がきっかけで官庁を辞めようと決意したところもあるので、それからいろいろあったなと思いつつも、この前の地震なども振り返ると、やっぱり、まだまだ災害というのが終わったわけではないんだなということを感じましたね。


鈴村:そうですよね。今日は、『復興予算の使いみち』についてですが、32兆円の復興予算、この10年でどのようなことに使われたのでしょうか?


宇佐美さん:32兆円というとすごい金額ですよね。内訳をみると、主要項目で最大なものは、“住宅、防潮堤、道路などのインフラ整備で13.3兆円”、あとは、“被災地の自治体の財源として交付されたのが5.9兆円”、次は“研究拠点形成や中小企業の販路開拓、企業誘致支援などを含めた産業の再生向けが4.4兆円”、“心身ケアや仮設住宅整備や就学支援などの被災者支援が2.3兆円”、“除染や汚染廃棄物の中間貯蔵施設建設など原発事故対応の予算が2.3兆円”という具合になっていますね。


鈴村:復興予算の使いみち、その結果をご覧になって、宇佐美さんはどのような印象を持っていらっしゃるのでしょうか?


宇佐美さん:良い面も悪い面もあったと思っているんですけども、良い部分では、兎にも角にも、ハード面で津波の被害からの再建がひと段落したということでして、街がだんだん動きだしてきて、再エネの活用や災害対応のロボットの研究拠点などが整備されて新しい産業の芽も出てきました。ただ、悪い面としては、結構、無駄なお金の使われ方をしたのではないかなというところがありまして、ほとんどの事業が国が100%資金を負担する方式で行われたんですね。なので、タダ乗りというところもありまして、特にインフラ整備事業で予算が過大になったというところがありますね。


鈴村:その過大になったとか、うまく活用できてないないケースというのはどのようなものがあるんでしょうか?


宇佐美さん:先ほど言ったハード面の部分が多くてですね、よく指摘される疑問としては「人がほとんど住まない地域にまで巨大な防潮堤を立てる意味があったのか?」というところだったり、「わざわざ嵩上げして住宅地を作ったのに、ほとんど人が高台に住んでしまって、嵩上げしたとこにはほとんど住んでいない」と、そういうものに意味があったのか?という指摘がありますよね。やっぱり、先ほど言った通り、100%国が資金を負担するという方式でどうしてもこういう事業が過大になってしまったというところがありますね。


鈴村:それって、そこに住んでいらっしゃる方とかとのコミュニケーションとかが足りなかったということなんでしょうかね?


宇佐美さん:住んでる人がいない状況になってしまったので、専門家主導で行われたというところと、あと、やっぱり、自分たちが負担すると事業規模ってかなり縮小されるんですけど、あの状況で、みなさんに「お金を負担してください」と言えたかというと、そうでもなかったので、ある程度、仕方なかったところもあるんじゃないかなと思っています。


鈴村:東日本大震災から10年を迎えるのを前にですね、政府は昨日、新たな復興の基本方針を閣議決定しました。こちらはどのような方針なのでしょうか?


宇佐美さん:大きな流れで見れば、この10年で被災地域が再建するためのハード面の土台が整ったというところと、復興に向けての芽が出てきたので、これからの10年でハード面からソフト面での課題に向き合って、その芽を育てていくという段階になります。そのためには、本当に課題は山積みでして、挙げていくときりがないんですけど、人口減少や高齢化が進む被災地ではコミュニティーを再構成したり、心のケアみたいなことを重点化していくことが重要ですし、あとは、内部だけではなく域外からの移住も促進していかなければ人口の維持ができないというところもあります。あとは、研究拠点をベースに再エネやロボット分野だったり、自動運転などで新しい産業を作っていくということが、人がかなり少ないということを逆に利用し期待されているので、力を入れていかなければいけないですし、あとは、やっぱり、処理水の問題ですね。海洋放出をせざるを得ないんですけど、これに関しての風評被害対策なども並行して、一次産業の復興を図っていくということで、ソフト面のほうが難しいので、本当に課題は山積みで一つひとつ丁寧にやっていくという必要がありますね。


鈴村:国は、復興のための期間をさらに延長し、今後5年間でさらに1兆6000億円を投入する考えなんですが、この予算を適正に使ってもらうためには、どうすればよいと宇佐美さんはお考えですか?


宇佐美さん:私は、もう、そんなに無駄使いみたいなことは起きないと思っていまして、これまでの復興事業でトライアル アンド エラーでエラーの部分が多かったわけですけど、その経験から、概ね、「この事業は住民にとって必要不可欠だ」とか、「この事業は機能していて将来的に大きくなる」ということは、現場では目処がついているんですね。そういう現場の声を重視していくような仕組みが必要で、じゃあそういう仕組みができるか?というと、福島の被災地の復興に関しては、中央官庁から現場に官僚が出向していたんですね、そういう人たちが、今、中央に戻って、政策を立案する立場にあるので、中央の事情ではなく、そういう人たちが現場とやり取りして、現場主導で進めていけば、かなり、確実で着実な事業執行というのが行われていくと思います。


鈴村:進化しているといいますか、確実に前には進んでいるということがわかりますね。本当に今までの経験を生かして、いろいろ頑張ってほしいなと思いますよね。僕らも協力できることしたいなと思います。



そして、今日の #スズコメ はこちら。







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