21.02.16
『罰則付きの新型コロナウイルスの改正関連法』について
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!今日、お話を伺うのは、BuzzFeed Japan News 副編集長、神庭亮介さんです。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『13日から施行、罰則付きの新型コロナウイルスの改正関連法』
エリザベス:新型コロナウイルス対応の改正関連法が先週13日、施行されました。感染拡大防止のため事業者や患者への罰則を導入し、私権制限を強化することが柱で、対象となった都道府県の知事は、飲食店などに営業時間の短縮などを命令でき、違反には前科が付かない行政罰の過料を科せるようになります。また、入院などを拒んだ患者への過料も定められています。
鈴村:罰則の新設を評価する意見、適用に慎重な意見、いろいろだと思います。BuzzFeed Japanでもこの辺を取材されたそうですね。
神庭さん:BuzzFeedの籏智広太 記者が、戦前の歴史に詳しい、近現代史研究者の辻田真佐憲さんに取材した記事が話題になり、よく読まれています。 辻田さんは「戦前と同じように、人々が自ら自由や権利を差し出してしまった」ということを懸念しているんですね。
鈴村:“戦前と同じように”というところが気になるんですけど、具体的にはどういうことなんでしょうか?
神庭さん:辻田さんの指摘していることは、戦前の歴史で気をつけなければいけないのは、政府からではなく、民衆の側から私権制限を求めてしまうという動きがあったことで、私たちは政府から押しつけられたものには警戒感を持っている一方で、我々が自発的に権利を差し出してしまうことには無警戒ではないかということをおっしゃっているんですね、新型コロナウイルスは嫌な感染症で、“自由だけど人が死ぬ社会”“人は死なないけど不自由な社会”の二者択一を突きつけるようなところがありますよね。強権的な国であれば、後者に全振りして、「感染症対策を徹底するんだ!!!」ということもできるんですけれども、自由主義社会では、なかなかそうもいかないので、各国の為政者は2つの選択肢の“間”で細かくレバーを調整する難しい舵取りを迫られたところがあると思います。そんな中でリベラルと呼ばれる人たち、リベラルとは本来、『自由主義者』という意味ですけど、そういう人たちがコロナ禍の中で、私権制限にわりと前のめりな意見をいう人たちが多く出てきて、辻田さんが言うように、“非常時に人は案外簡単に自由を手放してしまうのかな?”ということも考えさせられましたね。
鈴村:知らない間に、“自分から『自由・権利』を差し出しちゃっている”ということなわけですよね…。今回の改正法をそういった視点で検討するのは重要だと思うんですけど、そのへんはどうなんですか?
神庭さん:辻田さんはコロナ禍の“空気”とか“同調圧力”について、こんな指摘していて、「前線も苦労している、人も亡くなっているのだから、少しだけでも辛抱しなければいけない。美談や恐怖など、感情を刺激するような報道がメディアを通じて流れ、人々がそうした『空気』に煽られ、同調圧力に走り、政府が私権制限へと動いていくのは、戦前とまったく同じ」と、「戦争から教訓を学ぶというパターンに、『昔の話でしょ』と感じてしまう人が多くなっているのも事実なんだけれども、自分たちの内側にある『戦前』の要素にも自覚的になるように、言葉の使い方や、歴史を伝えるアプローチを変えるべきなのかもしれません」というようなこともおっしゃっているんですよね。
鈴村:そうですね、『戦前』という言葉の感覚は世代によって全然違いますよね。
神庭さん:結構強い言葉ではあるんですけれども、私も常々、規制は科学的なエビデンスに基づいて行われるべきで「コロナと道徳は混ぜるな危険」ということをずっと話してきました、でも、やっぱり、同調圧力が高まる中で、パチンコ“なんて”、飲食店“なんて”、旅行“なんて”と…、コロナと道徳感を混ぜこぜにするような議論がどうしても繰り返されてきた部分があって、それって、戦時中の「贅沢は敵だ」とか「欲しがりません勝つまでは」みたいなこととオーバーラップしてくる部分もあるなと。自粛警察なんて隣組みたいなもんだから、重なる部分があるなと思うんですよね。
鈴村:なるほどね。そういう中での改正法、罰則があるということは神庭さんはどういうお考えなんですか?
神庭さん:そうですね…結果的に今回の改正法で入院拒否や逃亡した患者、あるいは、保健所の調査を拒否した人に行政罰としての過料を科すとか、短縮命令に従わない事業者にも科すというようなことになっているんですけど、改正される前の段階で出された2度目の緊急事態線でも、かなり十分な効果が出ているというのがあって、感染者数も、実行再生産数も劇的に下がっているんですよね。だとするならば、焦ってといいますか、このバタバタの第3波のさなかに、過料・罰則を盛り込んだ改正案を通したというのは、どうなんだろうな?とちょっと疑問が残る部分はあるなと思いますね。
鈴村:これは本当に難しいですよね。世の中から、「罰則を作るべきだ!」という意見は本当に強く出たイメージはありますよね。「ルールを守らない人はダメなんだ!」ということで、「そりゃそうだ!」とも思いますけど、でも、その時に「なぜルールを破るのだろう?」とか、「破らざるを得ない状況もあるよね…」ということも加味して考えなければいけないなとも思うんですよね。そのバランスで、どっちが正解か?というと、僕もちょっとわからなくて…。これは本当に難しい選択肢ではあると思うんですけど、罰則がつくということがすごく注目されがちだなとは思いますね。
神庭さん:やっぱり、その罰則というのが出てきたときに、自分がその罰せられる側ではなく、罰する側に憑依してしまう。あるいは、緊急事態宣言を出される側ではなく、出す側に憑依してしまうというのはあると思っていて、「軍靴の足音が聞こえてくる」みたいなことをメディアが言いがちですけど、実際には、その足音は“内側から聞こえてくる可能性はある”という、そこはやっぱり、耳を澄まさないといけないのかなと思いますね。
鈴村:そうですね、自分の中にも存在しているのかもと思いますね…。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 16, 2021
【13日から施行、罰則付きの新型コロナウイルスの改正関連法】について。
戦前の歴史に詳しい、近現代史研究者の辻田真佐憲さんに取材した記事が話題になっている。辻田さんは、「戦前と同じように、人々が自ら自由や権利を差し出してしまった」と懸念
#スズコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 16, 2021
今回に関していうと、罰則を作った方がいいと声が上がった
自分の中からそういうものが生まれているのではないかという話がドキッとしました。「なんで守らないんだ」と攻撃的になってしまう。それが群衆になって大きく降りかかる、攻撃的になっているときは自分が正しいと思っている。
#スズコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 16, 2021
いつか自分も罰せられるかも、自分も誰かを傷付けているかもしれないなと考えさせられました。
様々な意見があります。全ての人が丁度いい生き方があると思います。それがちゃんと尊重される時が同調圧力がない、それこそが本当の自由なんじゃないかなと思います。