20.07.23
Twitterで写真を無断拡散。リツイートだけでも権利侵害に
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!今日は、気になる・人に話したい旬のネタをお届けするネットニュースサイト『ねとらぼ』の編集長、加藤亘さんにお話を伺いました。
加藤さんがピックアップした話題はこちら!
【Twitterで写真を無断拡散。リツイートだけでも権利侵害に】
今月21日、写真家の男性が写真を無断で拡散されたとして、発信者の情報開示を求めてTwitter社と争っていた件で、最高裁判所はリツイートにより撮影者の名前が表示されなくなったことについて、『著作者人格権』の侵害にあたるとの判断を示しました。
鈴村:Twitter利用者の間で驚きが広がっているようですが、まず、今回の裁判の概要について教えていただけますか?
加藤さん:写真家の男性がスズランの写真の隅に名前を記載して自身のホームページに掲載していたところ、その写真が無断でTwitterに投稿されて、さらにリツイートされたんですよね。つまり、Twitter上で転載されて、拡散したというわけなんですね。そこで写真家の男性がですね、撮影者の権利を侵害したとして、リツイート(=転載)した人たちの情報を開示するよう、Twitter社に求める訴えをおこしていたというわけです。そして今月21日にですね、最高裁判所がその訴えを認めて、リツイートした人たちのメールアドレスを開示するようTwitter社に命じました。
鈴村:リツイートするだけで、権利侵害にあたると最高裁判所が認めたということになるんですかね?
加藤さん:ここで重要になるのがですね、リツイートした人たちは“他人のコンテンツを盗んでやろう!”という意図はなかったんですよね。なのに「なぜ、『著作者人格権』の侵害にあたるのか?」ということなんですが、それは、リツイートした場合のTwitterの仕様にあります。
Twitterでは写真を投稿、リツイートした際に、写真の上下が自動的に切り取られて、サムネイルという形で横長の画像として、サイズを揃えて表示されます。今回のケースでは、トリミングされた、切り取られた部分に撮影者の名前が書かれていたんですね。Twitterをよく利用する方はご存知だと思いますが、画像はタップ・クリックするれば全体を見ることができます。もちろん、Twitter社も「画像をクリックすれば撮影者の名前が入った元の写真が表示される」と反論しましたが、「Twitterを見た人たち全員がクリックするとは言えない」ということで裁判では、“名前を表示する権利”の侵害にあたるとなりました。
これはどういうことかといいますと、今後、Twitterを利用する人たちはリツイートを行う際に、画像の出どころや著作権者名を今まで以上にきちんと確認しないといけませんし、権利侵害のリスクに対する心理的負担というのを背負うことになりかねません。なので、Twitter社が表示方法を変更しない限り、リツイートしただけでも法的責任を問われる可能性があってですね、Twitter社は今回の件を踏まえて、注意喚起や仕様の変更などの対応が求められるかもしれません。
鈴村:加藤さんもTwitterを利用していると思いますけど、今回の判決を受けてどう感じられました?
加藤さん:ちょっと驚きましたよね。今回は著作権侵害訴訟ではなくて、あくまでも、リツイートした人の情報開示せよという、Twitter社を訴えた、発信者情報開示に対する訴訟になってます。裁判官の一人がですね、「画像の切り取りはTwitterの仕様であって、ユーザーにはどうしようもないことです」と反対意見を述べているようにですね、Twitterだけではなくて、同様の仕様のネットサービスって他にも沢山あってですね、そちらへの影響もあるんじゃないかなとも思っています。
鈴村:そうですね。TwitterとかSNSの良いところは、あっという間に拡散するところなんですよね。だから、企業とかも宣伝に使っていることで言うと、拡散して欲しいということが意図としてあったりするわけですよね。でも、そうじゃない意図で拡散されてしまうということも確実に存在していて、そこが曖昧な感じがするんですよね。だから、仕様自体の変更の可能性とかってないんですかね?拡散して欲しいものとそうじゃないものを分ける表示の仕方とか、拡散されたくないものは拡散ができないようにするとかね。
加藤さん:いろいろ分けられて選択式にするとか、そもそも、仕様を全部変えるとかという話しもありまして、一応、Twitter Japanの方に問い合わせしたんですけれども、「本件に関するコメントは差し控えたい」ということで、今後、仕様変更とか利用者への注意喚起などは、今後の調整次第なのかな?といったところですかね。
鈴村:なるほどねぇ。Twitterが出たてのころ、僕たちの業界とか表現の業界の人たちは、これはあっという間に“何か”が広がっちゃうということで、すごく注意深くやってたし、あまり拡散しないでくださいみたいなこともやっていたんですけど、やっぱり、時代は変わりましたよね。拡散するためのツールという側面もあるので、うまく折り合いを付けなきゃいけないタイミングが来たのかなという話でもある気がしますね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 23, 2020
今朝は【Twitterで写真を無断拡散。リツイートだけでも権利侵害に】
情報を発信する仕事を僕も長年やってますが、SNSが出てきた時、権利について業界が慎重になったのをすごく覚えています。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 23, 2020
今や権利より認知してもらうツールとして理解されていると感じていて、SNSを使わない広告戦略は難しいと思います。なので著作権に関して、曖昧なまま大きくなったメディアだと思っています。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 23, 2020
誰でも発信できるようになってしまったので、どう表現すべきかリテラシーの下地がないことは当たり前だと思います。僕は自分が商売道具になっていて、自分の発信がダイレクトに表現に繋がっている感覚を皆さんに少しでも理解してもらえたら嬉しいです。