24.04.24
『漫画村』元運営者に17億円の賠償命令、海賊版サイトの現状は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【『漫画村』元運営者に17億円の賠償命令、海賊版サイトの現状は?】
吉田:人気漫画を無断で掲載した海賊版サイト「漫画村」を運営していたとして有罪判決が確定した男性にKADOKAWA、集英社、小学館の出版大手3社が賠償を求めた裁判で東京地方裁判所は先週木曜日、「作品の出版権が侵害された」として男性におよそ17億円の支払いを命じました。著作物の権利侵害をめぐる裁判の賠償額としては、過去最高とみられます。塚越さん、まずは「漫画村」がどのようなサイトだったのか改めて教えてください。
塚越さん:「漫画村」は、人気漫画の単行本などおよそ7万冊を作者や出版社に無断でインターネットに掲載していた、いわゆる「海賊版サイト」です。2016年〜2018年4月の閉鎖まで続いたのですが、1カ月のアクセス数は最大でおよそ1億と国内向けとしては当時最大規模の海賊版サイトです。私が当時、講義で学生たちに「漫画村はダメですよ」と伝えるとバツが悪そうに下を向く学生も多かったので、本当に広く普及していたことを覚えています。また、海賊版対策などを行う「コンテンツ海外流通促進機構」の試算だと、「漫画村」でタダ読みされたことによる被害額は、およそ3,200億円と推計されています。
吉田:今回の裁判で支払いが命じられた賠償額は、およそ17億円です。この賠償額は、どのように計算して出したのでしょうか?
塚越さん:まず今回訴えたのはKADOKAWA、集英社、小学館の3社です。出版社が賠償請求の対象としたのは集英社「ワンピース」「キングダム」、KADOKAWA「ケロロ軍曹」、小学館「YAWARA」といった人気の高い17作品の441巻分を限定して訴えたということです。判決によると、漫画村はサイトを開くだけで無償で漫画が見えてしまうので、サイトにアクセスするたびに電子配信された作品を購入したことと変わらないと認定しました。また、各作品が平均で7,410回閲覧されたと推定し、実際の販売価格と合わせて被害額を算定すべきだという出版社の主張に沿って計算し、小学館はおよそ9億円、KADOKAWAと集英社がそれぞれおよそ4億円の損害が生じたと、裁判所が認めました。原告の出版社は判決後に記者会見をして、この訴訟は海賊版サイトの問題を広く訴える契機になっており、今後も作品を守るために対策を講じると述べました。
ユージ:漫画の「海賊版サイト」というのは、今はどのような状況なのでしょうか?
塚越さん:様々な努力もあり、日本国内の運営者が運営している海賊版サイトはほぼなくなった状態で数年前に比べると状況は改善しています。一方で、日本語の漫画を英語に翻訳して海外の運営者が海外向けにつくっている海賊版サイトや海外から日本人に向けたつまり日本語の海賊版サイトなどは後を立たず、専門家によればサイトは常に1,000程度あるということです。なので、世界全体で考えると対策は難しいです。また出版社などでつくる「一般社団法人ABJ」によれば、今年2月時点で把握された1,207の海賊版サイトのうち、日本語の割合は24%。多いのは英語で38%、その他ベトナム語が14%、中国語が6%などとなっています。こうみると日本市場での被害も大きいですが、海外で売れるはずだった漫画の被害額がかなり大きなものとなっていることが分かります。さらに、先ほど紹介した一般社団法人「コンテンツ海外流通促進機構」の2022年のまとめでは、日本のコンテンツの国内外の海賊版の年間被害額はおよそ2兆円です。これは2019年度の5倍の規模で、特に映像と出版、要するにアニメと漫画の被害が多いです。日本のコンテンツが海外で有名になると同時に、やはり海賊版の被害も大きくなっています。海外では去年、ブラジルを拠点とした現地向けのサイトをブラジル当局が摘発して閉鎖したり、中国を拠点としたサイトも現地の当局が動いて閉鎖されたケースもありましたが、ごく一部です。最近は、SNSやYouTubeの動画やTikTokでの掲載が増えています。切り抜きも違法なことなので、これは止めましょうということで出版社も対応しているとのことです。
ユージ:今回の裁判と、漫画の「海賊版サイト」の現状について塚越さんはどうご覧になっていますか?
塚越さん:今回は賠償額が非常に大きく実際に回収できるかといったら難しいかもしれませんが、額が大きく止めようという気持ちになりますので運営側も読む方も良くないと印象を与えたのが非常に重要です。先ほどお話ししたように海外を含めるとサイトの取り締まり難しいということで海外とも連携することが大事ですが、なかなか難しいですね。個人的に1ついいなと思うのが、自分達も漫画のサブスクをつくること。Netflixのような映像のものがいっぱいありますよね。海外では「クランチロール」という日本のアニメ専用のサブスクがあります。日本の出版社もこのように海外の方も利用できるようなサブスクを作って欲しいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 24, 2024
「『漫画村』元運営者に17億円の賠償命令 海賊版サイトの現状は?」について…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 24, 2024
今回は海賊版サイトが国内で運営されていたため、日本の法律で裁くことができましたが、海賊版サイト自体は海外で運営されているものが多いため、日本の法律では…
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 24, 2024
また、海賊版サイトは、削除しては再びどこかにアップされる、いたちごっこを繰り返していくので、一番被害を受けている原作者や、出版社、アニメ関係の方々などに被害が及ばないための対策は、国が率先して対応し、作品一つ一つを守ってほしいと思いました。#ワンモ