24.04.18
なりすまし投資詐欺広告被害の事業者の責任

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「なりすまし投資詐欺広告被害の事業者の責任」
吉田:著名人を語る人物のSNSを経由し、嘘の投資話を持ちかけられた高齢者が1億円以上をだまし取られる被害が相次いで発覚しています。警視庁によりますと「SNS型のなりすまし投資詐欺広告」の被害の相談は、今年と去年を大幅に上回るペースで寄せられており、注意を呼びかけています。そこで今朝は、“なりすまし投資詐欺広告”について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:今回の件、ZOZO創業者の前澤友作さんが、先週、自民党本部を訪れてFacebookやInstagramを運営するメタ社を提訴する考えを明らかにしたことで、話題になりました。この「なりすまし投資詐欺広告」とは、どんなものですか?
塚越さん:詐欺広告は、そのほとんどが著名人を装って「儲かる話を無料で教える」といった内容の広告を掲載し、そこからLINEのグループに誘導します。そこでやりとりをしているうちに、投資名目でお金をだまし取られてしまうというものです。そうした広告の大半はFacebookとInstagramで行われていて、この2つのSNSは両方とも「メタ社」が運営しています。最近は生成AIを利用して画像や文章の生成が簡単になっているので、著名人を装ったなりすましの詐欺広告が非常に増えています。この詐欺広告に名前や写真を使われているのは、メタ社を提訴するとした前澤さんをはじめとしてホリエモンこと堀江貴文さん、経済アナリストの森本卓郎さん、ひろゆきこと西村博之さんなど多数います。さらに被害に関して警察庁の集計によると、この「SNS型投資詐欺」の去年の認知件数は2,271件で被害総額はおよそ278億円です。1億円以上を騙し取られる方も被害を訴えています。
ユージ:SNSを見ていると、明らかに本人が関わっていないだろうと思われる広告を見かける機会、増えているように感じますよね。
塚越さん:産経新聞がメタ社のFacebookとInstagramで今年配信された、「投資」という言葉を含むおよそ2万の広告を調査したところ、著名人の名前が含まれたものが半数以上を占めていました。恐らく、同じような文章を大量に作っているのではないかと思われます。また投資広告の配信元を分析すると、およそ65%に当たるアカウントには日本語が含まれていない。配信元のほとんどは使い捨てアカウントとみられており、英語が大半を占めますが、他に韓国語やベトナム語、タイ語のアカウントもありました。海外からのアカウントが、AIを使って詐欺広告をつくっていると思われます。
吉田:“なりすましと思われる広告”の排除をメタ社はしないのでしょうか?そもそも、広告の審査はどうなっているのでしょうか?
塚越さん:そう、そこが問題です。Facebookの広告はそもそも、2016年のアメリカ大統領選でロシアが選挙介入のために使用したと指摘されています。こうしたこともあり、メタは掲載された広告を公開して透明性を確保していますが、やはり、なりすまし広告が多く見つかっています。私も昨日見ましたが、まだ著名人のものがありました。EUはメタの広告に対して特に厳しい規制を課しています。問題は、ネットで個人でも簡単な審査で広告が出せてしまうことにもあります。メタは広告宣伝のポリシーで、許可なく著名人の画像等を使ってはならないとして、違反アカウントを削除したり、ユーザーからの通報にも対応しているということです。また広告を掲載できるアカウントの設定を厳しくしたり、最初は広告できる金額を下げてもいるのですが、効果は出ていないなと思います。メタ社は人工知能の開発を進めていますし、大規模言語モデルの「Llama(ラマ)」も公開していて、技術力はあるはずなのに対策ができていないという感じです。
ユージ:なりすまし投資詐欺広告被害の事業者の責任、塚越さんは、どう思いますか?
塚越さん:大手ITの責任は重いと思いますが、特にメタは「対策不十分」という意味で責任が重いと思います。まず、今回の件を受けてメタ社は声明を発表しています。プラットフォームの安全に対して、詐欺対策を含めて2016年以降で200億ドル以上のお金を投資してきたと述べていますし、機械だけでなく人間も詐欺かどうかを審査していると言っています。言っているわりには、全然できていません。前澤さんは、謝罪の言葉がひとつもないし、日本語を理解している人がいるなら詐欺広告なんて、すぐに判断できるでしょ?と怒りをあらわにしていますし、私もそう思います。Facebookは投稿した写真から人の顔を検出する技術が非常に優れています。著名人の顔がすぐに検出できるのだから、そういう写真を使った広告は簡単にブロックできるはずなのに、なぜこんなことが起こっているのかとなっています。例えば、100歩譲って、政治的な文章(フェイクニュース)などは文脈を読む必要がありますが今回は違います。非常に問題ですし、日本政府もこれも含めてビッグテックの規制をつくるという動いています。もっとやって欲しいかなと思います。
吉田:改めて、なりすまし投資詐欺広告の被害に遭わないために気をつけることは何でしょうか?
塚越さん:まず、そういう詐欺が流行っていることを知らない人も多いので、若者や高齢者などにこうした詐欺があることを伝えておくこと。LINEなので、場合によってはビデオ通話ができるのでやってみてください。著名人かを確かめる。今、ディープフェイクで著名人の顔になりすましている可能性もあります。長く話すと、横向いたときに違和感があるので気づくと思います。1人ではなくて、何人かで話して聞いてみるなどして見破って欲しいと思います。注意してください。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 18, 2024
『なりすまし投資詐欺広告被害の事業者の責任』
著名人を装ってSNSを経由し、虚偽の投資話を持ちかけるという事件が相次いで発覚しているなか、詐欺広告に使われたZOZO創設者の前澤友作氏や、堀江貴文氏などの著名人がメタ社に対し抗議の声をあげました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 18, 2024
今回の抗議は、日本政府への対応の呼びかけでもあり、メタ社に対する訴えでもあると思います。彼らのような著名人が声を上げたことで、かなり大きな影響力になったと感じました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 18, 2024
詐欺広告の他にも、プラットフォーム側が誹謗中傷などの悪質な利用者を管理しきれないのであれば、AIを使った監視システムの強化を徹底してほしいと思いました。
これ以上被害が出ないよう、今後の改善を強く望んでいます。#ワンモ