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24.04.04

リニア中央新幹線、2027年の開業断念
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「リニア中央新幹線、2027年の開業断念」

吉田:静岡県が着工を認めていない「リニア中央新幹線」について、JR東海は国の専門家の会議で目指してきた2027年の開業を断念する方針を明らかにしました。斉藤国土交通大臣は「開業目標が実現できないことは非常に残念だ」と述べ、早期の開業に向けて静岡県とJR東海に対話を促す考えを示しています。そこで今朝は、”リニア中央新幹線”について塚越さんに解説いただきます。


ユージ:塚越さん、まずは「リニア中央新幹線」について教えてください。


塚越さん:リニア中央新幹線の歴史は古く、1964年の東海道新幹線の開通前1962年から、東京大阪間を1時間で結ぶことを目指して次世代の超高速鉄道として「リニアモーター推進浮上式鉄道」の研究がはじまっています。今から60年以上前の話ですが、実は1972年には浮上走行に成功していまして色々研究は続いています。現在、最高速度は時速500kmを超えるということで、品川―名古屋間を40分、東京―大阪間を1時間7分で走ります。現在の新幹線「のぞみ」は、最高速度285kmで東京―大阪間は2時間21分かかるので、半分になるということです。


ユージ:これは、正直魅力的ですね。僕は毎週、名古屋に仕事で行きますが、1時間早くなるので40分になったら大きいな~。ですが、静岡県が着工を認めていないということで、元々2027年に目指していた開業が延期になっているんですね。


塚越さん:JR東海側は、開業の遅れを「静岡工区の遅れ」としています。静岡での工事には10年程度かかるとしており、仮に今すぐ着工できても開業は2034年以降になる計算です。一方、静岡県の(先日辞任すると発表した)川勝平太知事は、リニアの工事で静岡の大井川の水資源や南アルプスの生態系への影響、さらに工事で出る土砂の問題などを危惧しており、何度かJR東海側と話し合いもしているのですが、工事の着工を認めていないということです。


ユージ:リニア開業のために、JR東海と静岡県の話し合いを進めてもらいたいところですね。


塚越さん:静岡県の森貴志副知事は、スピード感をもって進めていきたいという意思表示はしているのですが、やはりクリアすべき問題はあると指摘しています。水資源と生態系の影響について今後も県の専門部会で議論を続けるとしており、JR東海との対話も進めるとのことですが、なかなか溝は埋まっていないとのことです。


吉田:リニアに関わる、静岡県以外の自治体の反応はいかがでしょうか?


塚越さん:リニア中央新幹線の駅で予定されているのは、東京の品川、神奈川県の橋本、山梨県の甲府、長野県の飯田、岐阜県の中津川、そして愛知県の名古屋です。駅ができると経済効果も大きいのですが、長野県飯田市の佐藤市長は今回の開業断念を受けて飯田に投資をする動きがずっと先の話になるので影響は避けられないと述べ、JR東海と静岡県の協議のスピードを上げて欲しいと言っています。その他、岐阜県や神奈川県、愛知県の知事たちも残念だと話しています。


ユージ:今回の件、静岡県が悪者になっているように感じてしまいますが、停車駅ができない静岡県に気持ち分からなくもないです。止まるわけではないので、リニア開業のメリットってあるんですか?


塚越さん:停車駅はないのですが、JR東海はリニアの需要が増えて東海道新幹線に余裕が出るので静岡駅や浜松駅に止まる「ひかり」や「こだま」の運転本数や停車回数を増やすといっています。国交省の去年の試算では、こうした停車回数をこれまでの1.5倍にすると、開業後の10年間で計1,600億円あまりの経済波及効果が生まれるということです。10年間で1,600億円というのをどう捉えるかは難しいところですが、静岡にとって何も利益がないわけではありません。


ユージ:塚越さんは、「リニア中央新幹線」開業の延期についてどう思いますか?


塚越さん:まずリニアは南海トラフ地震などが起きた場合、東海道新幹線のバックアップ、つまり東西分断のリスク回避にもなるので国の国土強靭化基本計画でも推進されています。また、リニアの技術力はすごいものなので、例えば海外に売るなどもできるのかなと思います。一方で、静岡の言うことも分かります。水資源や環境も大事です。あとは、人口減少と言われている社会の中で、利益が出るかもしれないけどそのリターンはどのくらいか。あとは、何十年もやっているのでやめられない部分もあるのではないかなど、そこら辺も冷静に考えたいです。川勝知事が、先日も不適切発言で辞めるという話になりましたが、少し失言も多いですし、辞任発表で謝る気配もなさそうでした。知事のこともありややこしくなっていて、この問題について感情的になりすぎています。一旦、落ち着くということを肝に銘じたいなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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