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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.02.29

約束手形の決済期限を60年ぶりに改正、120日から60日
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「約束手形の決済期限を60年ぶりに改正、120日から60日」

吉田:政府は、企業が取引に使う約束手形の決済期限を、原則120日から60日に短縮するとしました。中小企業の資金繰り改善につなげ、賃上げや設備投資を後押しする狙いです。公正取引委員会は意見公募後、4月に運用方針を決定。周知期間を経て11月1日に施行します。そこで今朝は、「約束手形」について、塚越さんに解説いただきます。


ユージ:塚越さん、まずは「約束手形」がどんなものか?教えてください。


塚越さん:約束手形とは簡単に言えば、お金を借りた人が「将来、決められた日に決められた金額を払います」と紙に書いて約束するものです。多くの場合、発注する企業が取引先に支払いをする際、すぐではなく、猶予期間を設けるものです。発注する企業にとっては資金繰りの負担軽減になって、手元の資金が不足していても事業を継続できます。問題がこの約束手形、多くの場合、発行するのが「大企業」で受け取るのが「中小企業」というケースが多いです。


ユージ:本来、大企業の方がお金の面での体力ありそうですけどね。


塚越さん:そうですよね。なので、大企業が支払いを猶予されるのですが、中小企業はお金の受け取りが遅くなるので困る。なので、それを変えようというのが今回のニュースの「核」になります。約束手形の説明に戻すと、手形を発行した企業が期限までに支払えない場合は「不渡り」となって、半年間に2回不渡りを出すと、金融機関との取引ができなくなって、事実上倒産となります。支払いを遅らせるわけはいかないので、それだけ企業の「信頼」が必要になる行為でもあります。それ故に、発行するのは大企業が多いです。そして、決済期限(支払期限)は120日(繊維業は90日)というのが現在のルールですが、このルール運用は1966年にはじまったものです。当時は高度成長期で、大企業でも銀行から迅速に融資を受けられないことも多く、資金不足を補うために約束手形の使用が許容されました。ただ、バブル崩壊以降は手形の流通も減少。それでも卸売業や製造業では今も比較的多くの場面で利用されていて、中小企業に負担がかかっているので何とかしようという話です。


吉田:ちなみに約束手形は、世界中で使われているモノなのでしょうか?


塚越さん:約束手形による支払いは、世界でも日本や中国、韓国といった一部の国のみになります。欧米等とビジネスをする上で多くは、中小企業である取引先に負担を強いる慣習は見直されるべきとされます。欧米は現金振込やクレジットカード決済が主流になっていて、日本企業も海外と取引する場合は振込が一般的ですが、国内ではアメリカやドイツなどと比べて、売上代金の回収に1ヶ月〜2ヶ月長くかかっていて、ビジネスとしてもスピード感に欠けてしまっています。


ユージ:今回、約束手形の決済期限が120日から60日に短縮される狙いは、何でしょうか?


塚越さん:やはり中小企業への圧迫を回避することが目的です。多くの場合、大企業は支払いを猶予できますが、中小企業は数ヶ月も現金化できないとなかなか厳しいです。前倒しで資金を受け取る際は割引料が引かれて、売上が実質的に減ることになります。早く欲しい時は、手取りが減ることになります。なので、支払いを待っている間に運転資金を確保するために借金するケースもあるとのことです。こうなると、資金繰りを気にして設備投資や賃上げができなくなってしまいます。さらに、政府が2020年度にまとめた報告書でも、約束手形をやめたいと答えた企業は、受け取り側で9割。また発行側(主に大企業)も、管理に手間がかかるとして8割弱、辞めたいと言っています。じゃあなんで手形を今も使っているのと発行側に聞いたところ、「長年の慣習」が55%で最も多く、「資金繰り」の39%を上回ったということです。つまり、時代に合わない古いシステムがそのままになっているということ。特に中小企業には負担も多いということで、政府は2026年度までに約束手形を廃止することを目標としています。


ユージ:塚越さん、約束手形の2026年度での廃止、どう思いますか?


塚越さん:労働者の7割は中小企業の従業員なので、この慣習を変えることで余裕ができて、設備投資や賃上げにつながるなら良いことだと思います。アンフェアな慣習だなと思った方、私も含め多いと思います。紙の場合は、事務負担がかかりますし、災害などでの紛失リスクもあります。銀行間のやりとりはほぼ電子化されていますが、企業間のやりとりは紙が続いているということで、電子化を進めた方が良いよなと思います。ただ、良いことですが、システムを変えることに企業もコストもかかると思うので、急ぎすぎず、ある程度負担にならない程度に制度を移行するとのことです。急ぎすぎるとそこで負担になってしまうので、ここを乗り切れば多くの場合、中小企業にとっては喜ばしいことになると思うので、頑張っていって古い習慣を少しずつ変えていって日本全体、もっともっとビジネスをやりやすい環境にして行こうという話で良いかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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