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24.02.26

カスハラ防止条例、東京都が制定へ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【カスハラ防止条例、東京都が制定へ】

吉田:東京都の小池百合子知事は先週20日の都議会の定例会で、客が理不尽な要求をする「カスタマーハラスメント」を防止する条例の制定に向け、検討を進めると明らかにしました。


神庭さん:カスハラというのは客からの迷惑行為です。これを防ぐための条例をつくろうということ。まだ検討段階ではあるのですが、罰則のない理念法になるとみられています。また、具体的にどういう行為がカスハラに該当するのか、禁止行為をガイドラインで示すことも考えているということです。


ユージ:番組でも取り上げたことがありますが、相変わらず深刻な状況は続いているのでしょうか?


神庭さん:労働組合のUAゼンセンが2020年、サービス業に従事している組合員を対象に調査したところ、直近2年以内に迷惑行為の被害に遭った人は56.7%。内容は「暴言」が最多の39.3%。「同じ内容を繰り返すクレーム」が17.1%。「威嚇・脅迫」が15.0%。その他は、権威的な態度、長時間の拘束、セクハラ、金品の要求、暴力、土下座の強要、SNS・ネット上での誹謗中傷などが続きました。


吉田:直近2年以内に迷惑行為の被害に遭った人が56.7%って多いですよね。


神庭さん:先ほどの調査に具体例がたくさん載っているのでいくつか紹介します。牛乳パックやヨーグルトの蓋など、お客様自身が探しても分からないような小さなキズがあるからと、数日前に買った商品を交換して欲しいと言ってくる。自宅に呼び出され目の前で日本刀を畳に突き立てられた。リモコンが使用できないと電話での連絡があり、説明書の確認と電池交換の案内を提案したが「なんで俺がそんなことをしないといけないのか!」「お前はカスだ」とずっと威圧的な言葉で言われ続けた。手を触り、顔を近づけるなどの行為をされ、連絡先を聞いてくる行為を繰り返しされたなど、カスハラかつセクハラで非常に気持ち悪いですよね。


ユージ:よくないなと思うのですが、どういう人がカスハラをしてくるのですか?


神庭さん:UAゼンセンの調査では、迷惑行為をしてきたのは男性74.8%、女性23.4%です。年代別に見ると、50代の30.8%が最も多く、以下60代28.0%、40代18.9%、70代以上11.5%という結果でした。40代以上の中高年世代が実に9割弱を占めています。実際にクレーマーを取材した作家の石井光太さんはNHKのクローズアップ現代で、クレームをつける人たちは複合的な問題を抱えていると指摘しています。差別やいじめを受けたり、仕事や家庭がうまくいかず、精神疾患を抱えたりという人もいたそうです。じゃあ、社会的に恵まれた立場の人はカスハラをしないのかというと、そういうわけでもなさそうです。


ユージ:どういうことですか?


神庭さん:東洋大の桐生正幸教授の『カスハラの犯罪心理学』という本によると、2020年の桐生教授の調査で、回答者の実に45%が悪質なクレームをしたことがあると答えていて、かなり多いです。男性では、45歳以上の人が店員のミスや不備などを理由に高圧的な態度をとり、上司からの謝罪を受けるタイプが多かったそうです。一方、女性は45歳未満の人が、商品の欠陥を理由に店員に淡々とクレームを述べ、商品や商品代を受けとるタイプが多かったそうです。さらに驚いたことに、世帯年収が1,000万円以上になると、カスハラ加害の割合が増えたということで、どうやらカスハラに関しては「金持ちケンカせず」が当てはまらないのかもしれません。


ユージ:そうなんですね。


神庭さん:桐生教授は、カスハラ加害者には自尊感情が高い、社会への不満が強い完璧主義、不寛容といった特徴があると分析しています。50代は大声で攻撃的、40代は揚げ足をとる、30代は淡々と静かなど年齢による傾向の違いも見られるということです。


吉田:今回気になるのは、カスハラ条例に効果はあるか?というところですが、どうでしょうか?


神庭さん:罰則がない点を疑問視する人もいるでしょうが、今回の条例に罰則がないとしても、もともと刑法の脅迫、恐喝、強要、暴行、侮辱、業務妨害などに抵触するようなカスハラ行為があれば罪に問うことはできます。理念法だとしても、社会全体で「カスハラはダメだよ」だと共有し、メッセージを発していく意味はあるのかなと思います。ただでさえ人手不足で、サービス業のなり手は減っています。医療や福祉の現場でのモンスタークレーマーも問題化しています。従業員を守り、離職率を下げるためにも、「お客様」は別に神様でもなんでもなく「お客さん」なんだよという様に、そういう方向に舵を切らないといけないかなと思います。他のエリアにも波及していく可能性があってヒグマの駆除に対して抗議電話が殺到した北海道でも、カスハラ防止条例の検討が始まっているということです。一方で、正当な苦情や真っ当な指摘もありますから、カスハラ扱いされて消費者が過度に萎縮することがないように、条文やガイドラインできっちり定義、線引きをしていくことも大切かなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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