24.02.12
予防的通行止め、その効果と課題

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「予防的通行止め、その効果と課題」
吉田:ちょうど一週間前の月曜日。大雪で、高速道路各社は「予防的通行止め」に踏み切りました。首都圏では初となる大規模な予防的通行止めということで、驚いた方もいるかもしれません。
ユージ:今回の対応で、5年前のような大きな立ち往生などの混乱はなかったものの、なかには「やりすぎじゃないの」というような不満の声もネットにはあったようです。そこで今朝は、「予防的通行止め」の効果と課題について神庭さんに解説してもらいます。改めて今回とられた大雪への対応について教えてください。
神庭さん:各社、「予防的通行止め」の措置をとりました。共同通信によると、首都高は5日午前11時半から一部区間の規制を始め、7日午後4時半までにすべて解除しました。中央自動車道や横浜横須賀道路の一部区間を通行止めにしたということです。
ユージ:やはり狙いは、立ち往生や事故の予防ですか?
神庭さん:その通りです。大雪による立ち往生や、スリップなどによる事故が起きないように「予防」することが最大の狙いです。近年、普段あまり雪が降らないようなエリアも含め、短期間の集中的な大雪や、局所的な大雪に見舞われるケースが増えています。冬用のスタッドレスタイヤやチェーンを装着していない車が高速に乗ると、雪にハマって身動きが取れない「スタック」状態に陥ってしまいます。後続車も次々に立ち往生する羽目になり、復旧まで数日間を要することもある。そうならないように、未然に立ち往生や事故のリスクを回避するという意味で、今回は非常に効果的な対応だったかなと思います。
吉田:昔は「予防的通行止め」ってあまり聞かなかった気がします。最近出てきた考え方ですか?
神庭さん:従来の通行止めに関する考え方は、できるだけ通行止めにしない。高速道路と並行して走る国道などを交互に通行止めにして集中除雪を行い、必ずどちらかの幹線道路の交通を確保して通行止め時間を最小化するということが従来の方針でした。ところが、通行止めを躊躇した結果、立ち往生でかえって交通のマヒが長期化するという事例が相次ぎまして、国土交通省の有識者会議は2021年、それまでの考え方を大転換し、次のような方針をまとめました。人命を最優先に、幹線道路上で大規模な車両滞留(立ち往生)を徹底的に回避する。危機的状況では、空振りを恐れず広範囲に躊躇なく通行止めをかける。除雪能力を超える降雪時には、高速道路と並行する国道などを同時に通行止めにする。こうした方針に切り替えました。
ユージ:そうした考え方の転換があったんですね。
神庭さん:ところが、なかなか方針転換が行き渡らず、徹底されてきませんでした。一昨年、2022年の1月には首都高で合計100kmに渡って通行止めになる立ち往生が起きていました。昨年、2023年1月には、新名神高速道路で28時間もの立ち往生が起きています。朝日新聞によると、中日本高速道路は「主要幹線道路の国道25号(名阪国道)などがすでに通行止めになり、東西の大動脈の確保の観点から通行止めをためらった」と説明したそうです。国の方針とまったく逆。通行止めを躊躇してしまっています。そして今年に入ってからも、1月に名神高速道路で19時間の立ち往生が起きています。災害派遣要請が出され、自衛隊が除雪に駆り出される事態になりました。天災なので色々と大変な部分もあると思いますが、残念ながら昨年の教訓が生かされないかなと思います。
吉田:SNS上では、今回の予防的通行止めに対して、やりすぎでは?という声も上がっていたようですが、いかがでしょうか?
神庭さん:「大げさ」「物流が止まってしまう」という声もありますが、先ほど説明してきたような経緯があるので、やむを得ないかなと思います。無理をして立ち往生が出れば、物流のマヒはさらに長期化してしまいます。「冬用タイヤをはいている車は通してもいいじゃないか」という意見もありますが、やはり雪の少ない地域だとそういう意識のしっかりしたドライバーさんばかりでありません。ノーマルタイヤの人が大半ですから、高速の全ての出入り口に人を貼り付けて、冬用タイヤにしているか、チェーンをつけているかチェックするというのは現実的ではないということです。あとは、SNSでは「もう少し前に予告して欲しかった」という指摘もありまして、今後の課題かなと思います。
ユージ:神庭さんは、今回の予防的通行止めについてどんなことを考えましたか?
神庭さん:大筋として間違っていないかなと思います。「異例の」予防的通行止めと報じられましたが、「異例」にしてはいけません。大雪が降ったら道路は止まる。「当たり前の予防的通行止め」であるべきだと思います。いち消費者としたら、頼んでいた品物の配送が遅れたり、コンビニやスーパーの品揃え悪くなったりするかもしれませんが、そうした不便も含めて受け入れないといけません。これは物流に限らなくて、今回も雪で休校した学校がありましたが、こういう余裕を持った対応が当たり前になって欲しいなと思いますし、「申し訳ありません」とかいらないかなと思います。天候不良の結果、お店や学校が閉まる、一定期間社会が止まるのは仕方がないこと、やむを得ないことだという認識が広がって欲しいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 12, 2024
テーマは「予防的通行止め その効果と課題」
先週5日の関東甲信での大雪の影響で高速道路を通行止めにするなど
「予防的通行止め」が行われました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 12, 2024
今回は過去の積雪予想データや雪による事故のデータを元に、
事前に高速道路の封鎖が決定していましたが、
危険を予測して早めに「予防的通行止め」をすることを判断することは、危険な状態になってから道を閉めるより、いいのではないかと僕は思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 12, 2024
また、雪の降った次の日の6日以降も道路が万全の状態となるまで通行止めを続けるなど、
長い時間通行止めをされていましたが、今後もっと過去のデータの精度が上がって、
必要な時間だけ通行止めにすることができるようになることが1番いいのではないでしょうか。#ワンモ