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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.01.31

能登半島地震の被災者支援パッケージ 「北陸応援割」の効果は?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【能登半島地震の被災者支援パッケージ 「北陸応援割」の効果は?】

吉田:政府は先週木曜、能登半島地震の被災者支援パッケージを決定しました。塚越さん、この被災者支援パッケージにどのような支援策が盛り込まれたのか、教えてください。


塚越さん:政府は2023年度の予備費から1,553億円の財源確保を閣議決定しました。支援策は様々ありますが、代表的なものを紹介すると、まず「生活の再建」です。半壊した家屋の解体費用の自己負担を特例でゼロにするという支援があります。他にも「なりわいの再生」として中小企業の施設復旧のために1事業者あたり最大15億円の補助制度や、輪島塗といった伝統産業の再生に最大1,000万円の補助なども行うというものです。中でも特に注目されているのが、観光業支援の「北陸応援割」です。これはコロナの際の「GoToトラベル」や「全国旅行支援」のようなもので、一泊あたり2万円を上限として旅行代金の50%を割り引きます。この「北陸応援割」の対象は石川、富山、福井、新潟県の4県で、ゴールデンウィーク前の3〜4月に実施する方向です。


吉田:「北陸応援割」に関しては、効果を疑問視する声もあがっているようですね?


塚越さん:そうですね。色々ありまして北陸復興良いじゃないかという声もありますが、一方でそのお金を被災者への直接支援に向けるべきといった意見や、恩恵があるのはそれほど被害がなかった地域になるのでないかといった否定的な意見もあります。この点も、まずデータから言うと能登半島以外の石川県やその周辺県では、震災後から宿泊キャンセルが相次いでいて、岸田総理によれば、1月は北陸4県で宿泊キャンセル数が17万件になっているとのことです。石川県の旅行業協会の調べでも、6億円近い金額の予約がキャンセルになっていて、さらに膨らむだろうと予想されています。また富山県でも宿泊のキャンセルが続き、およそ3億円の損失が出ているとのことです。「風評被害」というか、過度な自粛ムード、あるいは東京などの被災地域以外では「今は現地に迷惑をかけないように」という気持ちが生まれてしまい、それが結果的に北陸地域に経済的なダメージを与えてしまっているということかなと思います。こういった事情もあって、例えば富山県の旅館協同組合の理事長は「北陸応援割」を歓迎すると朝日新聞の取材に答えています。実際、震災で設備に被害が出たところもありますが、すでに通常営業していると話していて簡単に言えば、特に被害が強い能登半島以外は(全てでないにしても)日常に戻っているそうです。そういった地域にお客は戻っていないということですね。そういう意味では「北陸応援割」いいじゃないかと思います。


ユージ:「実施するタイミング」についても、疑問視する声があるようですね?


塚越さん:そうですね。「実施するタイミング」や経済効果を疑う声もあります。被害の大きかった能登地方では、観光資源の海産物の提供だったり、宿泊の再開を3月や4月にできるかどうかは見通しが立ちません。そういった中で応援割を押し出せば、被害が相対的に小さかった他の3県に観光客が流れる可能性もあります。例えば、実際に2016年4月に起きた熊本地震の際にも、その年の7〜12月まで熊本とその他、九州地方6県を対象とした「九州ふっこう割」を実施しました。この時は、直接被害が相対的に少なかった大分県に比べると被害の大きかった熊本県の観光客の増加は少なかったということもありました。こういったケースも考慮すると、支援のあり方はもっと工夫が必要なように思います。例えば、応援割の対象を県ではなく、損失が大きかったがすでに通常営業に戻っている地域に限定して、さらに実施するのも2月などもっと早くする方法もあります。また、能登地方の復興の目処がたった時点で、能登地域に限定したものを打ち出すのも手だと思います。政府は能登地域が観光客の受け入れが可能になった際には、割引率を70%まで増やすという策も検討しているとのことですが、いずれにせよ今の策は「機敏で効果的な政策」とは言えないように思います。


ユージ:この被災者支援パッケージについて、塚越さんはどうご覧になりましたか?


塚越さん:今、話した通り必要ないかというとそういうことではないです。もっと、有効性や実効性を考えたやり方がもっとあったんじゃないかと思います。政治の役目は「限りある資源の配分」にあるので、やり方をもう少し考えて欲しかったです。コロナのときからそうかなと僕は結構思います。もうちょっと機敏に早くできないのかなというのは1つあります。もう1つは、政治にとっては言葉の力も重要だと思います。色々な制度を調整するのも大事ですが、政府が例えば岸田総理が「今年は北陸に旅行しましょう」と言葉と心を込めたメッセ―ジを言えば、自発的に関係なく旅行割など行こうと思う方も増えると思います。政治の言葉や心の力も大事なので、そういうところをもっと考えてもらいたいです。今、政治に期待できない部分があるので、心や言葉の力を大事だということを私たちも覚えていかないといけません。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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