24.01.18
地方公務員の人手不足

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「地方公務員の人手不足」
吉田:2022年度の地方公務員の採用試験の倍率が5.2倍となり、過去30年間で最低となったことが総務省のまとめで分かりました。対象は、全国の都道府県、政令指定都市、市区町村の事務職や技術職などの職員で、教員は含みません。少子化に加え、待遇などへの不満から受験者数が減ったことなどが要因とみられています。
ユージ:そこで今朝は、「地方公務員の人手不足の問題」について塚越さんに解説いただきます。地方公務員になりたい方、実際に減っているのでしょうか?
塚越さん:例えば就職氷河期と言われる世代が新卒だった1999年度は倍率が14.9倍なので、それに比べると競争率が下がっています。電子データで統計が残る1994年度以降だと、2019年度の5.6倍が一番低かったのですが、今回は5.2倍とそれ以上に低い倍率になっています。また、毎日新聞が去年11月に行ったアンケートによると、2023年度に実施した職員採用試験で、47都道府県のうち大阪府と兵庫県以外の都道府県では「採用予定数割れ」が生じました。特に土木や獣医といった専門職での採用枠が、予定数に達していないということです。実際にアンケートでは、全体の8割にあたる37都道府県で、2019年度から採用予定数割れの職種区分が拡大しているということです。先ほど述べた土木、獣医、林業、建築、電気といった専門職が厳しく、募集しても応募者がいない・少ないといった状態が拡大しているということ(こちらは昨日のコーナーでも自治体の人材不足について話したことと同じです)。また、他の自治体や民間企業に流れる「採用辞退」も多く確認されています。こうした状況で、すでに山梨県、和歌山県、沖縄県では行政サービスに支障が出ているということで、今後はその他の都道府県でも波及するのかなと思います。
ユージ:地方の苦しい実情が浮き彫りになっています。僕の記憶だと公務員って、子どもがなりたい職業ランキングで上位にあったと思うのですが、いかがですか?
塚越さん:不況の時代は手堅い公務員が人気、といわれたりもしますよね。実際、LINEとYahoo!が去年の11月に中高生男女およそ1,000人になりたい職業やその理由について調査したところ、高校生の男女、中学生男子で「国家公務員・地方公務員」が1位です。女子中学生でも3位と、非常に人気な職業です。理由は「安定している」が強く、他に「地域・地方に関わる仕事がしたい」というものです。人気ではあります。
ユージ:公務員になりたい人が多いのに、何で人手不足ということが起こってしまうのですか?
塚越さん:ねじれ現象という感じですが、公務員不足の主な要因としては、やはり少子化です。そもそも受験者の母数も減少していたり、特に地方は若者が少なく東京の大学に出てそのまま東京で就職、というコースもあります。あとは採用試験の科目が多くて準備が大変です。民間企業に比べて採用時期が遅いので、民間就職に流れるという要因もあります。また安定はしているのですが、民間企業ほど給料が上がる幅が少ない、という点も考えられます。言い方は悪いですが、簡単に言えば大学生にとって公務員は「コスパが悪い選択肢」になっているのかなと思います。安定はしたいけど、公務員試験に力を注ぐことの「コスパ」を考えると、民間でいいか、ということになると学生をみていて感じます。採用が遅く、試験に落ちたらと考えると不安になる。同時に、公務員志望にかけられるだけの「夢」がない。もっといえば、「国のために」というモチベーションが働かない、という要因も多少なりともあるかと思います。
ユージ:塚越さんは、地方公務員の”なり手離れ”を防ぐために、どんなことをすれば良いと思いますか?
塚越さん:実際に都道府県や自治体が取り組んでいることとしては、仕事についての情報提供の強化だったり、学生向けインターンシップの開催、あるいは社会人経験者向けの採用枠の設定など行っています。私の大学でも、学生の公務員インターンシップ制度もあり、学生に興味をもってもらうためにも重要なものだと思います。あとは民間との併願をしやすくするなど、こういう状況では様々な採用設定も変更する必要があるかなと思います。自治体の実際の取組みとして、YouTubeの活用や職員のインタビュー記事を掲載するなど行っていますが、それだけだとなかなかアクセスが稼げません。例えば、どうすればPV数を上げられるかといった企画をYouTubeで行うとか、多少批判されてもやれることはやってみるのもいいかと思います。他にも、育休制度だったり週休3日、リモートワークなど、民間企業で進む働き方改革を、公務員が積極的に取り組むということも必要です。こういう時代に、手堅い・安定以外の視点をいかに供給できるかが重要になってくると思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 18, 2024
『地方公務員の人手不足』について
公務員は、中高生のなりたい職業で1位になるほどの人気があるにも関わらず、人手不足であるというのは非常に興味深いテーマだと感じました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 18, 2024
考えられる要因の一つとして「少子化」が考えられており、新たに就職をする絶対数が減っていることが挙げられました。…
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 18, 2024
また、一口に”地方公務員が足りない”といっても、自治体によっては人気が集中している場合もあるそうです。
選択肢が増えているこの時代において、会社に属さないという考えが広まっているのも一つの要因になっているのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 18, 2024
公務員はなくてはならない職業なので、強みである「安定した給料」「休みがしっかりとある」以外のメリットを増やし、働き方を改善していくことによって人手不足解消につながれば良いなと感じました。#ワンモ