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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.12.25

中国の物流版ウーバー『ララテック』がついに日本上陸!
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【中国の物流版ウーバー『ララテック』がついに日本上陸!】

吉田:今年、番組で何度も取り上げた「2024年問題」。そんな2024年をいよいよ迎えようというなか、ついに、中国の物流版「ウーバー・テクノロジーズ」と呼ばれるララテック・ホールディングスが日本に進出します。初めて名前を聞くという方も多いと思いますが神庭さん、「ララテック」とは、どんな会社でしょうか?


神庭さん:日経新聞の「物流版『Uber』中国ララテック、24年問題控え日本進出」という記事に詳しく載っているのですが、この記事によると荷主とトラックの運転手をAIでマッチングする仕組みで、サービス名は「ララムーブ」といいます。運転手側が公式サイトやアプリで登録してオンライン研修を受け、免許証などを提出すると使えるようになります。すでにシンガポールやタイ、インドネシアに展開しており、約1,100万の荷主と約100万の運転手が登録しています。世界シェア43.5%の最大手企業だといいます。中国では普通運転免許だけで配送の仕事ができるそうですが、日本では貨物軽自動車運送事業を行う場合、黒ナンバーの取得が義務付けられています。ララテックも、日本では黒ナンバーを持っている事業者を対象に募集をかけている、と日経が報じています。


ユージ:日本にも同じようなサービスがありますか?


神庭さん:物流スタートアップのCBcloudが運営する配送マッチングサービス「PickGo」があるのですが、それに近いものがあります。物流専門紙カーゴニュースの昨年の記事によればPickGoには昨春段階で軽貨物ドライバー約3万5,000人、2輪車やバイクなど約1万台、一般貨物事業者約1,000社が登録しているといいます。CBcloudの松本隆一CEOはカーゴニュースの取材にこんな風に語っています。「現在、全国の軽貨物ドライバーの2割弱が『PickGo』を利用していますが、将来的にこれを10割にしていきます」と話しています。PickGoではローソンと組んで買い物代行サービスをしたり、サイバーエージェントの子会社と提携して処方薬の即日配送をしたりと、さまざまな領域に進出しているようです。


ユージ:そこに黒船のララテックが襲来するということですね。


神庭さん:まさにそうですね。物流系のギグワーカーが利用するサービスには他にもハコベル、アマゾンフレックス、DIAqなど様々あります。内資、外資が入り乱れた物流マッチングサービスの戦国時代に突入するかもしれません。


吉田:今回の日本進出のニュースは、前向きに捉えて良いということでしょうか?


神庭さん:誰にとってのメリットかという話ですが、物流業界が2024年問題で深刻な人手不足に陥るなかで、荷主にとってはそれを補うことができる手段としてメリットがあると思います。DXによる効率化で、コストを削減できる可能性もありますよね。また、副業やスキマ時間での軽貨物輸送を考えているギグワーカーからすると、柔軟な働き方の選択肢が広がることは歓迎できることなのかもしれません。


吉田:デメリットは何でしょうか?


神庭さん:一番大きいのは、ギグワーカーの労働環境の問題です。Uberなどと一緒で、雇用関係ではなく業務委託、フリーランスとして働くことになるわけなので、その分、社会保障などは手薄になります。ケガや病気で働けなくなった時のセーフティーネットも貧弱になってしまいます。望んでやっているのだから自己責任だろうという考え方ももちろんありますが、将来的に無年金や低年金に陥って生活保護財政が圧迫されれば、国全体にとってもリスク要因となります。朝日新聞の報道では、EUの欧州議会、欧州委員会、加盟国の3者が、ギグワーカーを雇用関係のある「労働者」「従業員」として保護する政令に暫定合意したそうです。今後、こうしたギグワーカー保護の動きが日本を含めヨーロッパ以外にも広がっていく可能性もあるかなと思います。


ユージ:確かに働き手の保護は大切ですね。


神庭さん:2024年「問題」と良くないことのように言われるのですが、元々はドライバーの皆さんの労働環境を守るために残業時間を減らそうという話です。運送会社所属の社員ドライバーが守られる代わりに、ギグワーカーのドライバーにしわ寄せがいって、過酷な労働環境で働くようなことになってしまうと本末転倒になってしまいます。「人手不足」は、要は「安い金で働いてくれる人が不足している」ということなので、本来であればドライバーの賃金や待遇の向上につながっていかないといけません。それが、「安く働ける」ギグワーカーが増えることで、賃上げが見送られたりすれば、社員ドライバーにとってもデメリットになる可能性があります。


ユージ:他にも課題はありますか?


神庭さん:ララテック(ララムーブ)は中国系です。たとえば半導体や機密性の高い製品などの配送依頼をかける際、経済安全保障の観点から注意が必要かなと思いました。そこまで機微に触れるようなものでなくても、きちんと運んでもらえるのか?適切な情報管理がなされるかというのも、荷主からすると気がかりな点で、これは内資・外資にかかわらない話ですが、ギグワークで配送をしている人が運転中に撮影した動画をYouTubeなどに「今日は~に配送しました」と言ってガンガンあげています。ギグワークを検討している人からすると参考になりますが、荷主からすると「そんなことまで話すの」と心配になったりすることもあると思います。その辺りの情報管理やドライバーの育成・研修体制も含めてしっかりやっていくことが大切だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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