23.12.18
資産運用立国実現プランについて

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「資産運用立国実現プランについて」
吉田:政府は今年10月に新しい資本主義実現会議のもとに分科会を設け、資産運用立国の実現に向けた具体的なプランの策定を進めていました。そして、先週13日「新しい資本主義実現会議」の分科会を開き、資産運用会社や年金基金の運用力を高めるための「資産運用立国実現プラン」を策定しました。この「資産運用立国実現プラン」とは、どういうものなのか?その狙いも含めて、神庭さん教えてもらえますか?
神庭さん:大きく言うと、「お金に働いてもらいましょう」ということです。日本の家計金融資産は2,115兆円です。このうちの半分以上を現預金が占めています。タンス預金はもちろん銀行に預けても大して金利はつきませんし、インフレに対して相対的に価値が目減りしていってしまいます。であれば、お金を眠らせておくよりも、企業への投資に回して日本の成長力を底上げしようというのが「資産運用立国」の考え方です。これまでしきりに「貯蓄から投資へ」と訴えてきて、やれ「資産所得倍増」だ、やれ「金融教育」だと言い続けてきたのも全部その流れになります。今回の資産運用立国実現プランは、いち投資家、いち国民というよりも、お金を集めている公的年金、企業年金や、そこからさらに資産運用を受託した機関投資家などにフォーカスした内容となっています。
ユージ:具体的な内容は何でしょうか?
神庭さん:5つの柱がありまして、1つ目が資産運用「業」の改革です。大手の金融グループに、資産運用力アップやガバナンス改善のためのプランを策定するように求めます。金融機関に新興の運用事業者を排除しないように要請する。日本独自のビジネス慣行や参入障壁を是正して新規参入しやすいようにする。金融・資産運用特区を創設する。具体的な自治体名などは決まっていないが、海外のファンドなどが英語のみで行政手続きをできるようにすることを想定し、来年の夏を目途にパッケージを打ち出します。とにかく外資を呼び込みたいという気持ちが出ていますよね。
ユージ:2つ目は、何でしょうか?
神庭さん:アセットオーナーシップの改革です。急に難しい言葉が出てきましたが、「アセット・オーナー」というのは、公的年金や共済組合、企業年金、保険会社などの資金の出し手を指します。こういった団体に共通して求められる役割を、来年夏を目途に策定します。企業年金について、厚生労働省が情報を集約・公表するなど、運用状況を他社と比較できるように「見える化」すると掲げています。要は年金基金などのアセット・オーナーが運用を外部に委託しっぱなしで漫然と放置するのではなくて、加入者の利益を最大化するためにしっかり目を光らせなさいよ、ということだと思います。
ユージ:3つ目は、何でしょうか?
神庭さん:成長資金の供給と運用対象の多様化です。スタートアップ企業への資金供給を促進する。株や債券のような伝統的な金融資産以外のデリバティブなどの「オルタナティブ投資」や、サステナブル投資などにも運用の対象を広げることです。そして、4つ目はスチュワードシップ活動の実質化です。またまた横文字ですが、スチュワードシップというのは財産の運用を任された機関投資家の責任のことを指しています。上場企業にも株価純資産倍率(PBR)が1倍を割るなど成長性の低い企業が散見されるなかで、資本コストや株価を意識した経営が徹底されるように、東証と連携して企業の取り組みをチェックします。最後に5つ目ですが、対外情報発信の強化です。世界の投資家と対話してニーズを把握し、内外の資産運用会社、投資家と連携して資産運用フォーラムを立ち上げます。
ユージ:これらの話を聞いて「なるほど」と思う方もいれば、「何を言ってるの?」と思う方もいると思います。簡単に言うとインフレもあるのでお金を眠らせておいても、例えば100万円だったら、その100万円が10年後その100万円の価値がないかもしれない。実質目減りしているよということですよね?だったら、それを投資して少しでもいいから増やしたらどうですか?ということをみなさんに広まって欲しいということですよね。神庭さんは、この「資産運用立国」について、どう思いますか?
神庭さん:結構、立国が多いですよね。今回の資産運用立国以外にも、観光立国、貿易立国などいろんな「立国」があります。僕は「資産運用」と「立国」は分けて考えるべきだと思います。資産運用の方は、新NISAやiDeCoなどの老後に向けて前向きに検討していただけたらと思います。資産運用で立国できるかというと、また別問題だと思います。どういうことかというと、NISAでもiDeCoでも多くの人はアメリカの株価指数の「S&P500」に紐づいたインデックスファンドだったり、「オルカン」といって全世界の株式の動きに連動した投資信託に投資しています。これはマクロで日本という国のあり方を考えた時に、国民の「虎の子預貯金」が海外にじゃぶじゃぶ流出していることを意味するわけですので、本来は日本から海外に投資するばかりではなく、世界の投資家たちに日本に投資してもらえるように、魅力的なスタートアップや成長産業を生み出していかないといけません。「特区をつくります」とか「年金改革しましょう」みたいなガワの議論だけでなく、肝心の中身、投資を呼び込めるような企業の方を育てていかないと、なかなか「立国」は難しいのではないかと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 18, 2023
テーマは、『資産運用立国実現プラン』
個人的に資産運用はできる範囲でやるのはいいと思います。
また、投資はあくまで自己判断でやるものです。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 18, 2023
投資はもちろんリスクがあって貯金の方が安全ということは
もちろんわかりますが、物価が上がるなどお金の価値観が変わるなか、1つの考え方としてただ貯金をするだけでは安全とは言い切れない可能性もあると思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 18, 2023
また個人的に、投資などの金融リテラシーは、大人になって大切なことだと思うので、
大人にはできる範囲で投資しましょうという案内をしつつ、子供達には、将来のために「主要科目(主要教科)」のように教えることも1つの投資になるのではないかと思いました。#ワンモ