23.11.08
国の『基金』の残高、16兆6,000億円 政府が見直しへ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【国の『基金』の残高、16兆6,000億円 政府が見直しへ】
吉田:国の事業のために設けられた、およそ150の「基金」ではこれまでの積み立て総額のうち使われていない残高が今年3月末の時点で16兆6,000億円に上っています。こうした基金のあり方をめぐり、河野行政改革担当大臣は、必要性が低いと判断できる「基金」は見直しを進める考えを示しました。また、岸田総理は先月30日、「基金」について「使用見込みのない資金は速やかに国庫への返納を求める」と話し、在り方を見直す考えを示しています。塚越さん、まずは国の「基金」とは何なのか、改めて教えてください。
塚越さん:基金は、特定の事業に対して、複数年度に渡って貯めておいて、必要な時に使うことができる「お金」のことです。単年度の予算計上では難しいなど、見込みが難しい事業のために国が積み立てています。そもそもは明治政府の頃、凶作の時の困窮者対策で積み立てられたのが始まりとされています。今では国が公募などで選んだ独立行政法人や公益法人に建てられ、他の資産と管理を分割します。あるいは、都道府県や市町村に任せる基金もあるということです。いずれにしても、基金の利点は複数年度にまたがっていますので、コロナ対策のような緊急性があるものだったり、最新の半導体の国産支援、脱炭素やDXなど中長期的な取り組みでも利用されています。これは利点でもある一方、基金は官庁の外部にあるので、チェック機能が働きにくいです。つまり、適切にお金が活用されない可能性があります。
吉田:その「基金」の残高が16兆6,000億円もあるということですが、これはどうしてなのでしょうか?
塚越さん:まず、「基金の残金」は昨年度より3兆7,000億円も増えており、コロナ前の2019年度末と比べると、なんと7倍もの規模に膨らんでいます。一方、政府がおよそ150の基金について運用状況を調べたところ、過去10年間で積み立てられた基金の総額は35兆円。その中の8割に当たる28兆円は、コロナの緊急経済対策が相次いた2020年からの3年間に集中しています。こうみると、積み立てられている金額も多いですが、残金も16兆円と多く、特にコロナ期に積み立てた使わなかったお金も一気に増えていることが分かります。これについては、コロナの時期に必要性が十分精査されないまま積み上がって、水ぶくれになっている可能性もあると、内閣官房の担当者は指摘しています。つまり、規模ありきで膨らました結果、使い切れないほど残金があるということです。政府はこの秋に、有識者も交えて「行政事業レビュー」を行い、利用状況等を点検する方針です。
ユージ:国の「基金」の残高が16兆6,000億円もあること、塚越さんは、どうご覧になっていますか?
塚越さん:非常に考えられないくらい大きな金額ですが、朝日新聞によれば基金が急増している一方で、「休眠状態」、つまり事実上使われていない事業も29あり、これが全体の15%を占めています。さらに、2022年度末時点でこの29の事業残高は1兆4,000億円にのぼります。これだけあれば、もっと様々な経済対策ができるはずと思うかもしれません。ただでさえ需要がなくて使われてない基金が多いのに、この29の基金は昨年度の支出がゼロなのに、人件費や運営費などの管理費には、合計5億8,000万円が使われていました。政府は2006年に基金の基準を閣議決定しており、5年に1回見直して、設置後10年以内で事業を終了するとしています。ただ、省庁は1回手にした基金は手放したくないので様々な理由を述べています。例えば2012年にできた省エネ関連の設備投資に関する基金は、もう新規の受付がありませんが補助金を出した設備がちゃんと使われているかみる必要があるとして、今も管理費だけ使われているとのことです。それだけ聞くと必要かもしれません。だったら管理費は一般会計から出した方が、ちゃんとチェックできるじゃないか、という政府内の声もあるという感じです。
ユージ:これまでは基金が適正に運用されているか、チェックしていなかったということですか?
塚越さん:基金をチェックして、適正に運用する方法論が確立されていないことが問題です。東京新聞によれば、基金が設置された団体が、事業を委託、再委託を繰り返して責任の所在が分からなくなるケースもあるということです。やはり基金の運用に関する法律を制定して厳しくチェックすべき、という指摘もあります。コロナ禍で、さまざまな支援がありましたが、さらにチェックする必要もありますし、岸田政権は今回も色々な経済対策を出していて、そもそも、その政策がいいのかどうかという議論と同時に、運用がどうなっているのかということも私たち自身もチェックしないと、こういう使い方が無駄になっているのかなというところもあります。私たちが政治家や官僚に監視している姿を見せていく必要があると思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 8, 2023
「国の『基金』の残高、16兆6000億円 政府が見直しへ」について…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 8, 2023
銀行に預けているお金など、国民の動いていないお金に対して、政府は投資など お金を動かす提案をいっぱいしてきましたが、自分たちの基金として16兆6000億円もあって、返納する訳でもなく活用できていないため、使い方を上手く工夫した方が良いと考えます。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 8, 2023
僕は、お金を貯めておくよりも、積極的に動かすことに賛成です。16兆6000億円もの基金を作れたということで、ポジティブに捉えて、国民の生活のために活用できる案を考えていくことが大切だと感じました。#ワンモ