23.11.06
長期金利“1%”容認で何が変わる?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「長期金利“1%”容認で何が変わる?」
吉田:日銀は先月31日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を再修正し、長期金利が上限の1%を一定程度超えることを容認することを決めました。このことで、私たちの生活にどんな影響があるのか?神庭さんに解説してもらいます。
神庭さん:そもそもなぜ、日銀が長期金利1%超えを容認するのか?についてですが、アベノミクス以来の金融緩和の出口戦略の一環です。日銀はデフレ脱却をするために、2013年から2%の物価目標を掲げて、市場にマネーを注ぎ込む金融緩和政策をとってきました。ただ、様々な副作用が生じていて、どうやってソフトランディングさせるかが、前任の黒田総裁以来の宿題になっていました。副作用の1つが債券市場を歪めてしまうことで、日銀はイールドカーブ・コントロールといって、国債を無制限に大量に買い入れて金利を低く抑えつける政策をとってきました。そうすると、本来市場が決めるべき債権価格が日銀の都合で変動し、適正価格が分からなくなってしまいます。もう1つは円安です。アメリカはとっくに利上げに舵を切っていますから、日米で金利差が広がることで、円高ドル安が進みます。ただでさえ資源高・物価高なのに、円のパワーが落ちることで輸入品が高くなり、さらにインフレに拍車がかかってしまいます。だったらさっさと金利を上げて緩和をやめればいいと思うかもしれませんが、一気にやると景気が冷えて経済がクラッシュしてしまうので、今回のようにじわりじわりと軌道修正しているわけです。
ユージ:住宅ローンへの影響についてはどうなのでしょうか?
神庭さん:固定金利型の住宅ローン金利がすでに上昇しているのですが、今後さらに上がりそうです。住宅ローンは大きく変動金利型と固定金利型に分かれ、変動型は「短期プライムレート」といって、銀行が企業にお金を貸し出す際の最も有利な金利に連動しています。こちらは2009年からずっと据え置きで変わっていません。一方、固定型の方は長期金利を基準にしています。米国の利上げや、日銀による緩和路線の修正などを受けて、長期金利は上昇傾向にあり、住宅ローンの固定金利も上がってきています。
ユージ:固定型の金利はどれくらい上がっているのですか?
神庭さん:長期固定のフラット35は最低金利が3ヶ月連続で上がっています。10年固定の方ものきなみ上昇しています。11月は最も優遇される金利で三菱UFJ銀行が0.1%引き上げて1.04%、三井住友銀行が0.15%アップの1.29%、みずほ銀行が0.1%アップの1.55%ということです。他方で変動の方は0.3%台とかなり低い水準になっています。
ユージ:固定は金利が上がって、変動は低いまま。ということは変動が有利かなという気がしますがどうですか?
神庭さん:足元の数字だけ見れば確かにそうで、住宅ローンの比較サービス「モゲチェック」によれば、固定と変動の金利差が拡大しており、その差は1.61%にもなります。これだけの金利差があると、3,500万円借りて35年で返済する場合に、固定の方が月2.7万円、総額1,100万円も返済額が多くなってしまいます。ただ注意が必要なのは、今後変動の方にも上昇圧力がかかってくる可能性があります。日銀は長期金利の上限を緩和しつつ、短期金利をマイナス0.1%とするマイナス金利政策を維持しています。日銀が、来年早々にもマイナス金利を解除するという見方も出ています。そうなれば当然、変動金利も上昇します。住宅金融支援機構の調査によると、今年4月時点では住宅ローン利用者の7割以上が変動型を選んでいましたが、これから5年以内に住宅を買ってローンを組む予定の人を対象とした調査では変動型が38.3%、固定期間選択型が33.1%、全期間固定型が28.7%と固定の割合が高く出ています。今後の金利上昇を見据えて警戒感が出てきているのかなと思います。
ユージ:結局、固定と変動どっちがいいですか?
神庭さん:その人の状況によっても変わってくるのですが、「将来、金利が大きく上がるかもしれないから今のうちに固定してリスクに備えたい」と考えるなら固定にすればいいし、収入にある程度余裕があって、「少しくらい金利が上がっても繰り上げ返済で金利負担を軽減できるから大丈夫だよ!」という人は変動にすればいいと思います。ただ、基本的に変動より固定の方が先に金利が上がるので、「金利が上がってきたら固定に借り換えればいいや〜」という感じでいると、痛い目に遭うかもしれませんので、そこは気をつけてください。
吉田:金利が上がるメリットはありませんか?
神庭さん:メリットもあります。長期金利の上昇を受けて、定期預金や保険の利回りが良くなるのはメリットです。三菱UFJ銀行は6日から、10年ものの定期預金の金利を現行の0.002%から100倍の0.2%に引き上げます。他のメガバンクも追随する見通しです。
ユージ:0.002%から0.2%?100倍?すごいですね!
神庭さん:100倍といっても、100万円預けて1年で20円だった利息が2000円になるだけなので、大喜びできるようなレベルではありませんが、今後さらに預金の利息が増える可能性はあります。生命保険や学資保険の予定利率も引き上げる動きもありますから、ここはメリットと言えるかもしれません。こんな風に、金利の上昇はいい面でも悪い面でも私たちの生活に密接に結び付いていますから、ちょっと金利や日銀とか聞くと難しいなと思う方も、少し身近な視点でニュースを見られるのではないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 6, 2023
テーマは『長期金利「1%越え」容認で何が変わる?』
長期金利1パーセント容認は実質金利が上がるということです。
例えば住宅ローンが代表的なものですが、金利には固定金利と変動金利があり、
固定金利は金利額はずっと変わりません。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 6, 2023
変動金利は金利額が上がったり下がったりします。
固定金利は固定の金額が徐々に金額が上がっているため、
早い段階で固定金利を選んだ人よりも、後から選んだ人の方が固定金利の金額も高くなってしまいます。
そのため、固定金利を選ぶなら早い方がいいということになります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 6, 2023
変動金利も、低金利が続けば固定金利よりもお得にはなりますが、低金利の状態が一生続くとは言い切れず、上がる可能性も考えたら、金利の変わらない固定金利の方が安心だと思います。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 6, 2023
変動金利にもメリットはあり、例えば定期預金などは金利が上がることにより金利として返ってくる値段も増えます。
どちらがいいとは言い切れませんが、上がった方が経済的にはいい部分があると思います。
いずれにしても長期金利1%越え容認で変わるものが多くなりそうです。#ワンモ