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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.10.26

”Google”の独占禁止法違反
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「”Google”の独占禁止法違反」

吉田:公正取引委員会は、23日独占禁止法違反の疑いでアメリカの巨大IT企業”Google”の審査を始めたことを明らかにしました。Googleは自社の基本ソフトであるAndroidを使ったスマートフォンメーカーに対して、Googleが有利になるような契約を結ばせた疑いが持たれています。そこで今朝は、「Googleの独占禁止法違反」について塚越さんに解説いただきます。


ユージ:今回どのような点に「独占禁止法違反」の疑いがかかったのでしょうか?


塚越さん:公正取引委員会は、問題を2つ指摘しています。1つ目は、スマホを出荷する際に、アプリストア「Google Play」と検索アプリ「Google Search Console」、ブラウザアプリ「Google Chrome」と、Googleの自社アプリを最初からスマホ搭載させ、アプリアイコンもスマホ画面の指定位置に配置させているとのことです。多くの人は、最初に設定されたものを使うので、Googleが有利になるということです。これがGoogleアプリを不当に優遇している点を問題視しています。2つ目は、競合関係にある検索アプリ(AppleのSafariやMicrosoftのBing等)をスマホに搭載しないこと等を条件として、Googleが広告で得た収入を分配するという契約を、スマホの製造メーカーと結んだとされるそうです。これもGoogleが有利になる契約ですよね。


ユージ:「うちの競合他社は、使用しないでね」ということですね?


塚越さん:そうですね。Googleは2022年の時点でモバイル検索市場のシェアが世界で96%ということで、日本でも7割を超えるなど、圧倒的な影響力を持っています。ですので、契約によって他社を排除し、公正な競争が阻まれた可能性を公正取引委員会は問題視しているとのことです。


ユージ:”Google”のサービスは世界中で使用されていますが、日本以外でも同様の問題は起きているのでしょうか?


塚越さん:アメリカの巨大IT企業(ビッグテック)に厳しいのはEUです。欧州委員会は2018年、Googleがスマホ向け自社アプリの使用を取引先に強要したとして、およそ5,900億円の制裁金を課しています。一方、アメリカでも司法省が2020年、Googleの検索、検索広告が独占的な地位にあり競争を阻害しているとして、反トラスト法(日本でいう独占禁止法)にあたるということで提訴しています。今年の9月から審理が始まっています。


ユージ:日本の公正取引委員会の対応は遅かったのでしょうか?


塚越さん:EUやアメリカでもビッグテックに対する厳しい指摘は以前からありましたが、それに比べると日本は動きが遅かったのは否めないかなと思います。それでも日本で公正取引委員会がデジタル分野の監視を強めて、今年2月にはスマホのOS、基本ソフトの市場調査報告を公表して、AppleとGoogleの寡占状況に懸念を示しています。ただ、動きが遅いのには他にも理由があります。日本は、例えばYahoo!のように国内に限ればGoogleに対抗できる事業者もいるので、そうした事業者との関係も考慮するといった事情がありました。色々事情はあるのですが、生成AIを搭載した検索なども始まっていきますので、競争が今後も激化する中で、委員会としては今こそ審査すべき時だと判断しました。


吉田:Googleの独占でどのような問題が起きるのでしょうか?


塚越さん:MicrosoftCEO兼会長のサティア・ナデラさんは、Googleが圧倒的な力を持ってしまうと独占力を拡大する構えを見せているとして警告しています。Microsoftも、Windows95や98の頃に独占禁止法問題でかなり揉めたこともあります。いずれにしても、デジタル市場は急激な独占が生じやすい領域です。企業買収なども繰り返し行われ、一部の巨大企業による独占が続くと、よりよい技術開発などが生じなくなってしまうこともあります。そうなるとコストが下がらなくなったり製品の質が下がったり、巡り巡って私たち消費者にとっても良いことはありません。


ユージ:今後の展開としてはどうでしょうか?


塚越さん:まずは独占禁止法違反の捜査が開始されます。関連する情報収集のほか、公正取引委員会は法人や個人にも、11月22日まで情報提供を呼びかけています。要するに、どういう契約がGoogleと企業で行われているかということが情報提供ということだと思います。またこの動きに対してGoogle日本法人は、政府や業界関係者とともに、前向きに協力する姿勢をみせているのでそこがどうなるかということ。仮に、違反が認定されますと課徴金の支払いだったり、事業の改善計画の提出などがされると考えられますが、いずれにしても認定されるかされないかも含め、かなり時間はかかると思ってください。すぐという話ではありません。


ユージ:Googleの独占、私たちの生活に影響は出ますか?


塚越さん:まず、基本的に私たちの生活は変わりません。僕も毎日Google検索をしています。あくまで国が考えることなので個人は今のところ関係ありません。ただ、日本でスマホは圧倒的にiPhoneが強いですが、世界全体でみるとAndroidが圧倒的なシェアを持ちますし、検索では世界9割のシェアを持っています。今後もし独占に当たると認定されれば、Androidスマホでは、最初にどのブラウザを利用するかユーザーが最初に選択するといったことが行われる可能性があるかなと思います。一方、アメリカではビッグテックに厳しい議員もいて、アメリカの大手IT企業は便利ですが日本のIT育成も大事だなと思います。法律に従う判断が大事ですが両社バランスをとって、これからルールづくりが決まっていくと思いますので、そのあたり皆さんも気にしていただければいいかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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