23.10.19
『コーヒー2050年問題』について

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【『コーヒー2050年問題』について】
吉田:私たちも毎朝、ラジオ放送をしながら飲んでいるコーヒーですが日々の生活に欠かせない、必需品という方も多いのではないでしょうか?家庭や喫茶店、コンビニ、自動販売機など、日本では現在、どこでも美味しいコーヒーを飲むことができますが、およそ30年後の2050年に、コーヒーが気軽に飲めなくなってしまう可能性があると言います。そこで今朝は、「コーヒー2050年問題」について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:まずは「コーヒー2050年問題」、どのような問題なのか教えていただけますか?
塚越さん:私もコーヒー大好きなので他人事ではないと思っています。まず、主な要因として地球温暖化による気候変動があります。コーヒーの主な産地は、赤道を挟んで北緯25度~南緯25度。質の良い豆が生産される「コーヒーベルト」と呼ばれる地域です。さらにコーヒー栽培は、1,000mほどの標高の高いところで行われるもので、場所を選びます。ですが、こうした地域の気温湿度が温暖化で上昇し、「さび病」という植物の感染病が流行しています。さらに、雨季・乾季のリズムも崩れて干ばつも起きてしまっている状況です。そこで現地では、より高地に栽培地を移し始めているのですが、山の上ですので当然、面積が少ないです。このまま温暖化が進むとコーヒー生産大国であるブラジル国内の栽培に適した土地は、2050年には60%程度減少します。同じく、コーヒー豆全体の6割を占める「アラビカ種」のコーヒー栽培地も、2050年には50%近く減少するとみられています。
ユージ:「コーヒー2050年問題」が起きると、どのような影響がありそうですか?
塚越さん:やはり、収穫量の減少と品質低下が起きます。今、当たり前のように飲んでいるコーヒーが貴重品になって、日常的には飲めなくなるということです。さらに、コーヒー栽培地が減りますと現地のコーヒー農家さんも貧困化を余儀なくされる可能性もあります。コーヒーは世界70カ国以上で生産されていまして、およそ2,500万世帯が従事する巨大な産業です。ですが、小規模農家も多く産地も中南米やアフリカといった発展途上国が多い、さらに相場の変動も大きいです。こうした状況では、コーヒー農家を辞める方も出てきますし、生産者が減れば労働環境も悪化するといった懸念もあって、コーヒー農家さんの問題が以前からありました。このような大きな構造的問題がある一方で、世界のコーヒー需要は増加傾向にあります。ICO(国際コーヒー機関)によりますと、1990年におよそ550万トンだった消費量は、2020年には1,000万トンを超えています。需要増加の背景には、中国やインドといった経済成長している国の生活水準が向上したことで、コーヒーの消費量も増えています。コーヒー生産量が減る恐れがある中で需要が増えるということだと、需要と供給のバランスが壊れて、おのずと価格が高騰し、気軽にコーヒーが飲めなくなります。「コーヒー2050年問題」といいますが、今すぐに考えなければならない問題です。
吉田:「コーヒー2050年問題」への対策はありますか?
塚越さん:効果的な対策として、病気や害虫、干ばつに強い新種開発などがあるのですが、コーヒー生産国は低所得国が多く、品種改良が進んでいないということです。世界的なコーヒーの研究機関「ワールドコーヒーリサーチ」によれば、解決のための研究開発費は年間5億6,700万ドルほど必要とされますが、現状の開発費は1億1,500万ドルと5分の1ぐらいしか開発に回せてないということです。世界中でこれだけ愛されているコーヒー、ここはもっとお金をかけて欲しいですよね?例えば日本のコーヒーメーカーでは、何をしているかというと病気等に耐性がありながら、収穫量も味もよい新品種を研究しているところもあります。他の企業も、現地の農園支援ということで、気候変動への対応として、水使用量を削減したり、河川の汚染防止、生物多様性への配慮等を指導したりするところもあります。このように、世界中の企業団体による支援が、やはり重要になってくるのかなと思います。
ユージ:我々、消費者にできることはありますか?
塚越さん:根本的には地球温暖化が大きい問題ですので、私たちも温暖化対策をすること。それが、めぐりめぐって「コーヒー2050年問題」の解決にもなります。もう1つは「フェアトレード商品」という、農家が適正な報酬を得られるよう配慮したコーヒーがあるので、それを選ぶのもひとつの手かなと思います。少し高くても、農家の収入を考えた行動が、長い意味で私たちのコーヒーライフに繋がるということもありますし、これがグローバル社会だと実感させられる問題でもあると思います。
ユージ:コーヒー好きの僕としては、これから先も楽しみたいですし、1日1杯では満足できません。(笑)ですが、良いコーヒーは今でも良い値段がします。なので、そこの内訳として農家さんがもう少し儲かることができる仕組みはどうでしょうか。私たちが払う金額を上げるだけではなく、今払っている金額の中から農家さんが貰える額を増やせる方法はないのかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 19, 2023
『コーヒー2050年問題』について
私たちが毎日美味しくいただいているコーヒーですが、最近は1杯500円近くするような高価なコーヒーも増えてきました。ただ、それでも需要はあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 19, 2023
世界でコーヒーの消費量がどんどん増えていたり価格が高騰したりしている一方で、赤道付近の国で重労働・低賃金で働いているコーヒー農家の方々には満足にお金が還元されていないという現状が世界的な問題となっています。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 19, 2023
僕は大のコーヒー好きとして、美味しくて需要があれば値上がりしても良いと思っています。
ただ、そこには必ずフェアトレードが存在するべきですし、コーヒーの値上がりが進むのであれば、その分必ず農家の方々に還元されるべきだと思います。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 19, 2023
日本国内でも美味しい豆が作れるようになれば良いなと思いますが、赤道付近で育てたコーヒー豆にもブランド価値を作って農家にしっかりと還元されてほしいです。#ワンモ
#ユジコメ⑤
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 19, 2023
コーヒー豆が採れないところでも採れるように品種改良を進めることで、いろんなコーヒーブランドの価値を高めて、業界全体を盛り上げられたら良いなと思います。
そして、コーヒー農家の方々が十分なお金がもらえて、胸を張れるような仕事の一つになれることを願っています。#ワンモ