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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.10.10

ベビーシッター割引券の配布再開について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「ベビーシッター割引券の配布再開について」

吉田:加藤鮎子こども政策担当大臣は6日の記者会見で、仕事のためベビーシッターを利用した際の費用を一部補助する割引券について、配布を再開する方針を表明しました。神庭さん、改めてベビーシッターの割引券について教えて下さい。


神庭さん:子ども1人につき最大で1日4,400円、1ヶ月5万2,800円、1年に上限61万6,000円を割引してもらえるありがたい制度です。「企業」が全国保育サービス協会に申し込んで割引券を発行してもらい、申請のあった従業員に配布するというシステムです。従業員はベビーシッターの会社への支払いの際に、この割引券を提出すれば割引を受けることができます。対象になるのは、厚生年金が適用になる事業所で、全国で4100の事業所が利用しています。社員だけでなく、パートやアルバイトも使えて、子どもの年齢は乳幼児から小学校3年生まで。障害がある子どもの場合は小学校6年生まで対象となります。


ユージ:これはとてもありがたい制度で、大人気だったのか、すでに今年度の上限に達しちゃったようですね。


神庭さん:企業が支払う「子ども・子育て拠出金」が財源となっていて、全体の上限額が決まっています。合計の申込枚数が39万枚になったら打ち止めになるルールだったのですが、年度途中で早々に上限枚数に達してしまったそうです。もともとコロナ禍の一斉休校や保育園の休園などでベビーシッターを頼む人が増えてきたという経緯があり、コロナ禍が収束したら減るかと思いきや、全然そんなこともなくて今度は経済再開で、新たに働き始めたりリアル出社になったりする共働き世帯が増えました。さらにベビーシッター需要が高まり、割引券が蒸発してしまったそうです。


吉田:割引券の配布を再会するということですが、やはり要望の声に後押しされて、ということでしょうか?


神庭さん:子育て世帯からの不安・不満の声が大きく、KIDSNAシッターを運営するネクストビートが先週、緊急調査をしたところ保護者の9割弱がベビーシッターの割引券が足りないと答えました。すでにベビーシッターサービスを使っている人の回答なので、保護者全体を代表しているわけではありません。その点は差し引くとしても、このアンケートには切実な声が多く寄せられています。例えば、「共働きで働く上で不可欠なものなので大変ショックを受けている。全て自費で払うとなると、手元に残る額がかなり少なくなってしまう。退職も考えなくてはならない」「10月から産後仕事復帰の予定を立てていました。10月2日に夫の勤務先から新しい割引券を申し込もうとしたタイミングで、配布終了したことを知らされました。目の前が真っ暗になる感覚でした」非常に悲痛な声が上がっています。こうした声が広がっていることを受け、加藤鮎子こども政策担当大臣は一転して割引券の配布を再開する方針を表明したわけです。


ユージ:少し前の日本では、ベビーシッターを利用することにあまり良くないイメージがあったような気がしました。僕も利用した際に気になってしまって、「楽している」と思われるのではないだろうかと思ってしまったのですが、その辺はいかがでしょうか?


神庭さん:そういう側面があるのかなと思います。1つは経済的な障壁があって、少しお金がかかりすぎるから頼めない、シッター代で全部稼ぎが飛んでいってしまうという人もいます。その人たちのための割引券なのですが、必要な人たちに必要な情報が届いていません。2つ目は心理的な障壁です。母親は小さい子どもの面倒を見るべきだ、他人に頼むなんて何事かという時代遅れな風潮が依然としてあります。シッターを頼んでいる人のなかにも、周囲の人の目を気にして「近所の人に何か聞かれたら親戚だと答えてください」と言っている人もいます。当たり前のこと、普通のこととして誰もが公言できるようになるといいですが、最近それと逆行するようなニュースがありました。


ユージ:何でしょうか?


神庭さん:埼玉県議会の委員会で、子どもだけでの留守番や外出を禁じる条例案が可決されました。車内に子どもを放置して、亡くなってしまうようなケースは問題ですのでガンガン取り締まるべきだと思いますが、この条例は規制の範囲が広すぎます。公園で子どもだけで遊ばせる。小学1年生~3年生だけで登下校させる。高校生の兄弟姉妹に小さい子どもを預けて外出するといったことが「放置=虐待」に扱っているとあたいされます。罰則が無いとはいえ、こんなトンデモ条例が本会議で通ってしまったら、埼玉を脱出する子育て世帯が続出するのではないかと言われています。共働きの子育て世帯や、シングル家庭にはそもそも守るのが難しい条件です。「あそこのお宅は条例違反だ!」という相互監視と密告が横行しかねません。ベビーシッターの割引券が何枚あっても足りないと思います。


吉田:ベビーシッターを巡って、他に課題はありますか?


神庭さん:割引券が手元に届くまでの仕組みが複雑すぎます。39万枚の枠が枯渇した、上限に達したと言いながらも、実は半数近い19万枚が未使用になっています。「あるところにある」という状況で、利用者との間でミスマッチが起きています。間に企業を挟まず、ユーザーが直接割引券を申し込めるようにした方が需要も予測しやすいのかなと思います。もう1つは、ベビーシッターよりも安い自治体のファミリー・サポート・センターというサービスもありますが、そういったものも含めてあまり知られていません。しっかり勉強している人がヘビーユーザーとしてサービスを使い倒している一方で、かなり困っているのに制度の存在すら知らない方もいて、その辺の「情報格差」も非常に問題だと思います。


ユージ:先ほど話していました、必要としている人に必要な情報が届いていないというのは、1つ大きな問題で何らかのアナウンスをもっとして「こういう制度がありますよ。使っていいですよ。」っていうのは届けるべきですよね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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