23.10.03
10月から始まったインボイス制度

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「10月から始まったインボイス制度」
吉田:岸田総理は、10月1日から始まったインボイス制度をめぐって「不安に思っている方がいるので、引き続き政府として説明や対応を続けていきたい」と語りました。
ユージ:神庭さん、僕らの周りにもインボイス制度に関係する人が沢山いますが結構みなさん、理解できないまま、行っている感じです。改めて、どんな制度でしょうか?
神庭さん:インボイスは日本語で言うと「適格請求書」です。国税庁のサイトには、「売り手から買い手に対して、正確な消費税額や適用税率を伝えるためのものだ」と書かれています。これだけだと「何のこっちゃ?」で意味が分からない方も多いと思います。インボイス制度について知るためには、消費税の「仕入税額控除」という仕組みを理解しておく必要があります。
ユージ:神庭さん、またまた難しいワードが出てきちゃいました!言葉がこれ以上増えてくると分からなくなるので教えてください。
神庭さん:「仕入税額控除」というのは「消費税の二重課税」を防ぐための仕組みです。具体例で説明します。ユージ商店がワンモ商事からボールペンを100円で仕入れたとします。この時、消費税が10%で10円かかるので、ユージ商店の仕入れ値は合計110円です。そして、ユージ商店はこのボールペンを200円で吉田文具店に販売します。その時の消費税が20円で販売価格は220円になります。この場合、ユージ商店が消費税をまるまる20円納付すると二重払いになってしまいます。そのため、ユージ商店は吉田文具店から受け取った20円から既に支払った10円を差し引いて、差額の10円だけ納税すればいいので、これが仕入税額控除というシステムです。
吉田:その二重課税を防ぐ仕組みと、インボイス制度とはどう関係してくるのですか?
神庭さん:国が認めたインボイスの発行事業者でないと、インボイスを発行できません。そして発行事業者ではない業者と取引した場合、仕入税額控除ができなくなります。先ほどの例で言うと、ワンモ商事がインボイスの発行事業者として登録番号を取得していれば、問題なく差額を差し引くことができるので、ユージ商店の納税額は10円で済みます。ところがワンモ商事が発行事業者ではない場合、差額の10円を差し引くことができず、ユージ商事は20円をまるまる納税しないといけなくなります。
ユージ:待って!そうなると「ユージ商店」が損ですね、最悪ですよ!インボイス制度が始まった後も、ワンモ商事は発行事業者にならなくても大丈夫なんですか?
神庭さん:これは任意ですので、実はそういう選択肢もあります。消費税にはもともと「免税事業者」という仕組みがあって、年間の課税売上高1,000万円以下の事業者は、事務負担を軽くするために消費税の納税が免除されています。インボイス制度がスタートした後も、免税事業者でい続けること自体はできるのですが、先ほどのユージ商店のように、取引先が「免税事業者との取引は仕入税額控除が使えないから損だな」と考えて、契約を打ち切ってきたり、値下げを持ちかけてきたりするリスクはあります。
吉田:免税事業者側から見るとそういうデメリットがある、というわけですね。
神庭さん:そういうことです。免税事業者でい続ければ仕事を切られるかもしれないし、かといって新たにインボイスの発行事業者になると、これまで免除されてきた10%の消費税を払わなくてはいけなくなります。だからこそ、声優や俳優、イラストレーターなどのフリーランスの人たちが実質的な増税だと怒って、首相官邸前で反対集会を開いたりしているわけです。実際、54万筆を超える反対署名を岸田総理の秘書官に提出したといいます。
ユージ:他に不利益を被るのはどのような業界でしょうか?
神庭さん:建設業の一人親方には免税事業者が多く、対応を迫られます。建設業界は人手不足で売り手市場なので、免税事業者のままでも仕事を切られるリスクは低いかもしれませんが、「面倒なのでこれを機に退職しよう」と辞めてしまう人が続出するようだと、ますます人手不足に拍車がかかる恐れがあります。個人タクシーもほとんどが免税事業者だったのですが、9割以上がインボイス発行事業者に転換しています。インボイス対応していないタクシーに乗った場合、会社によっては業務でタクシーに乗っても経費精算が認められない可能性があります。お客さんが離れてしまうと困るので、背に腹は変えられないということでインボイス登録を選ぶ個人タクシーの運転手さんが多いようです。ただ、これを機に廃業する人も出ているようです。
吉田:会社勤めの方たちはフリーランスとは違い、関係がないですか?
神庭さん:実はそんなことはなくて、会社員の中には「自分は全部所得を把握されて、源泉徴収されているのにフリーランスの方は免税でズルいじゃないか」と思っている方もいるかもしれません。先ほど話したタクシー代の精算や接待費の立て替え、備品の購入などで会社からインボイスを求められる可能性が今後あるわけです。
ユージ:そっか。立て替えもありますよね。会社員であってもね。「だけど、領収書などみたらインボイス制度していないところなので、うちは卸せませんよ。申し訳ないけど、自腹でお願い」となるわけですね。神庭さんはインボイス制度についてどう思いますか?
神庭さん:そもそものインボイスが導入されたきっかけは2019年に消費税が8%から10%に上がった時に、食品や新聞などに限って軽減税率が導入されたことなんですね。消費税が8%と10%の2種類に分かれたことで整理する必要に迫られ、こんな大ごとになってしまいました。消費税を減税して一律8%にすれば、インボイスなしでも問題なく回りますし、物価高対策にもなります。財務省以外、みんなハッピーになれるのではないかなと思います。あとは、インボイス制度の開始にあたって取引先に一方的に値下げを求めたり、「取引をやめる」などと通告したりすることは、独占禁止法や下請法に抵触する恐れもあるので、公正取引委員会はガンガン摘発して欲しいと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 3, 2023
『10月から始まった #インボイス制度』
インボイス制度は多くの方が関心や不満を抱いている一方で、仕組みがよく分かっていないという方が非常に多かったです。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 3, 2023
インボイス登録は任意であって強制ではありません。ただし、例えばフリーランスの場合、大きな企業と取引するにあたって、登録をしていないと取引停止になってしまう可能性や、取引をする上で不利になるリスクが生じてしまいます。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 3, 2023
しかし、このような企業は独占禁止法や下請法に抵触する恐れがあるので、公正取引委員会はガンガン摘発してほしいと思いました。そもそもインボイスが導入されたきっかけは、消費税が8%から10%に上がった際に軽減税率が導入されたためだそうです。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 3, 2023
消費税を8%と10%の2種類に分けずに、一律8%に引き下げればインボイスを導入する必要はなくなるそうなので、物価高対策にもなると思います。財務省は良く思わないかもしれませんが、みんなが満足できる方法としてはこれがいちばんなのではないかと思いました。#ワンモ