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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.10.02

気になる10月からの新制度
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「気になる10月からの新制度」

吉田:今月から、暮らしに関わる制度が変わります。そこで今日は、なかでも生活に影響の大きそうなものを神庭さんにピックアップして解説していただきます。


神庭さん:ふるさと納税には返礼品の金額や送料、事務費も合わせた経費全体で5割を下回るようにしないといけない「5割ルール」というものがあります。10月からこの5割ルールが厳格化され、寄付金の受領証の発行や郵送費も含めて5割以下に抑えないといけなくなります。つまり、同じ返礼品を受け取るために支払う寄付金の額が上がるかもしれないということで、仮に金額は据え置きだとしても量が少なくなる、質が落ちるなど内容がショボくなる可能性もあります。自治体からすると、寄付額の半分以上が確実に税収として入ってくるので「改善」かもしれませんが、“節税できる通販”として、ふるさと納税を活用している多くの人たちにとっては「改悪」ということになるかもしれません。


神庭さん:次は「最低賃金の引き上げ」です。企業が労働者に払う最低賃金が10月から全国平均で時給1004円となり、初めて1000円を超えます。これまで961円だったので43円のアップ。過去最大の引き上げ幅となります。地域別に見ると、最も高い東京が1113円。最低は岩手の893円。日本の最低賃金は主要国に比べて低い水準にとどまっていて朝日新聞の国際比較によれば、2022年時点で日本が8.5ドルだったのに対して、フランスは13.8ドル、ドイツ13.6ドル、イギリス11.8ドルと大きく水を開けられています。9.5ドルの韓国にも抜かれていますね。つい最近も、アメリカのカリフォルニア州がファストフード店の最低賃金を、来年4月から時給2985円になるという驚きのニュースが飛び込んできました。ニューヨーク市もUberなど料理宅配の仕事を請け負うギグワーカーの最低時給を2680円に引き上げるという風に言っています。


吉田:時給はすごいですよね!


神庭さん:その分、商品価格やサービス価格に跳ね返ってくるので高ければいいというものでもないのですが、こう聞くと羨ましいと思ってしまいます。岸田総理は2030年代の半ばまでに、最低時給1500円を目指すと言っています。ですが、海外の状況に比べるとかなり悠長で、その頃にはどのみち上がっている気もしますね。物価上昇を上回るペースで賃金を上げていかないと、実質的な給料が目減りしてしまうので、賃上げに向けた良いサイクルを作っていただきたいなと思います。


ユージ:賃上げというと、年収の壁も10月から変わりますよね。


神庭さん:そうです。年収の壁は金額によって何種類かありますが、まず106万円の壁です。従業員101人以上の企業では、年収106万円で配偶者の扶養から外れます。厚生年金や健康保険の対象となるので、その分の社会保険料を自分で負担することになります。次に130万円の壁。従業員100人以下の企業の場合は、年収130万円で扶養から外れ、やはり社会保険料を自己負担で求められるようになります。配偶者の扶養内にとどまってパート、アルバイトで働く人の中には、「働き損」を避けるために勤務時間をセーブする人が多いです。野村総合研究所の調査だと、配偶者のいるパート女性の6割以上が年収を一定額に抑える「就業調整」をしています。つまり、「年収の壁」の存在が勤労意欲を削いでいる状況です。ただでさえ人手不足の状態で、先ほどお伝えしたように最低賃金も上がっている。壁を維持したままだと、就業調整で働き控えをする人が増えて、ますます人手不足になってしまいます。そこで政府は10月から「年収の壁」対策を打ち出しました。


吉田:具体的にどのように変わるのでしょうか?


神庭さん:共同通信によると106万円の壁に関しては、保険料を肩代わりした企業に対して、従業員1人当たり最大で50万円の補助金を支給します。130万円の壁の方は、仮に年収130万円を超えたとしても、企業側が人手不足による残業など一時的なものだと証明すれば、連続で2年までは扶養にとどまれるようにするということです。いずれにしても一時しのぎの策という印象を受けます。複雑な制度をより複雑にするのではなく、根本的なところで壁をなくした方がいいのかなと思います。中長期的には、共働き世帯が不公平感を抱かなくて済むような、シンプルな制度設計にすべきじゃないかなと思います。


ユージ:10月からの制度改正、他に気になるものはありますか?


神庭さん:新型コロナの治療薬はこれまで全額公費負担だったのですが、年齢や所得によって3000円〜9000円の自己負担になります。3割負担の現役世代の場合、医療費や検査費も合わせると1万2270円を負担しなければいけなくなります。金銭的な意味でも、ますますかかりたくない病気になります。他に皆さんの暮らしに関わる部分だと、酒税法が変わってビールが安くなる一方で、庶民の味方だった第3のビールは値上がりします。具体的には、ビールが350ml換算で6.65円の減税。新ジャンル、第3のビールは9.19円の増税で発泡酒と同じ税率になります。3年後の2026年には、ビールはさらに下がって、発泡酒と第3のビールがもう1段階上がることで3種類とも同じ税率になる予定です。酒税法をかい潜る形でビールメーカーは知恵を絞って開発競争を繰り広げてきたのですが、それも終わります。10月からの制度変更のなかではインボイス制度も大きいですがこちらは明日、改めて解説します。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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