23.09.28
10月から始まる、ステルスマーケティングへの規制

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「10月から始まる、ステルスマーケティングへの規制」
笹川:広告であるにもかかわらず、広告であることを隠して情報発信する「ステルスマーケティング」。最近は「ステマ」という“省略した言葉”が使われるほど、その概念が定着していますよね。10月1日から「ステルスマーケティング」が「景品表示法」による規制の対象になるということですが、“隠れて行われる行為”をどのように規制していくのでしょうか?塚越さんに解説いただきます。
ユージ:「ステルスマーケティング」とは、具体的にどのような行為を指すと考えたらいいですか?
笹川:ステルス=「隠密にする」マーケティングということで、実際は広告なのにそれを隠していることです。有名になったのは、2012年のペニーオークションがあります。これが、「ステルスマーケティング」という言葉が大きく知られるようになりました。ペニーオークションとは、インターネットのオークションで入札のたびに手数料が必要になるものです。通常のものより落札価格は低くなることが多いのですが、結局手数料が高額になるケースがあります。この仕組みを悪用して、参加しても落札できずに手数料だけ取られてしまう「ペニーオークション詐欺事件」が社会問題になったのですが、その際に芸能人が、商品を落札していないのに落札したかのようにブログで記事にしたことで問題になりました。実際は、企業から商品をもらってPR、つまり広告をしていたことになります。他にも、SNSで芸能人やインフルエンサーが、「これを愛用している」といいつつ、実は企業から無料でもらったり金銭をもらっていたり、ネットの記事でも、モノを紹介していますが実際は広告だったということも問題になりました。昨今は特にこうしたことが問題になることが多いので、SNSならハッシュタグをつけて、記事ならタイトルの横に「広告」や「PR」といったものをつけることが一般化して、それが「広告」として明示することになりました。
笹川:「ステルスマーケティングの問題点」について、さらに詳しく教えていただけますか?
塚越さん:消費者の方は、商品やサービスが良いという評価を信じて購入するわけですが、実際はその評価が「お金で買われていた」ことになります。公平な立場からの評価でないのに騙されて商品を購入することになると、これが詐欺だということです。もちろん、最初から「広告」ということを明示されていれば、消費者も広告と理解した上で評価しますので、「広告」が悪いことではなく、隠すことが良くありません。欧米の主要国等で、ステマは法律で禁止されています。日本ではこれまでも現行の法律で全部対処できなかったわけではありませんが、やはりステマに関する明確な法規定はありませんでした。日本の景品表示法は、嘘や大げさな表示で消費者を騙すような表示を規制するとしているので、今回はこの法律を使って規制をかけることになるということです。
ユージ:具体的にどのような規制がはじまるのですか?
塚越さん:景品表示法の広告になっていまして、テレビやラジオの広告はもちろんのこと、ネット広告・SNS広告・レビュー広告なども対象になっています。また、企業がインフルエンサーなどに広告を依頼・指示することも規制対象に含まれます。ただ、最初から広告と分かっているものや個人の感想といった広告でないものは規制対象外となっています。実際は判断が難しいところがあります。
ユージ:商品をガッツリ紹介して、「これ何の案件でもありません。個人的に好きだから載せています」という方もいますよね。実際は、分からないですよね。
塚越さん:そうですよね。実際は分かりません。今回、規制対象になるのは、事業者である広告主だけなので企業から依頼されたインフルエンサーなどの企業から依頼されたインフルエンサー等の第三者は処罰の対象となりません。もっと規制を広げるべき、との議論もありますが問題が発覚するとインフルエンサーにも社会的な影響が出るので、法律とは別にこれまで以上に注意する必要があるのかなと思います。
笹川:違反すると、どうなってしまうのでしょう?
塚越さん:明確な景品表示法違反となりまして、消費者庁による「措置命令」の対象となり、消費者に周知したり、改善命令などが出されます。それでも対応しなかった場合は、措置命令違反 刑事罰の対象となり、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金などが課されることになります。
ユージ:事業者であるメーカーやメディア、また消費者は、それぞれどんな点に今後、気をつけるべきでしょうか?
塚越さん:事業者は、過去に掲載されたコンテンツを含め、閲覧可能になっているものは規制対象となるので、色々とチェックする必要があります。一方、何が広告でどこからがステマかというのは、実際のところは判断が難しい事例もあります。物を送っただけで、広告してとは言っていないケースなどは、実際のところ非常に難しいところがあります。
ユージ:実際に使ってみて、いいと思い個人の感想で「これはすごく良い」というのはグレーですが、これはいいですよね。
塚越さん:微妙に細かく、色々あります。特に芸能人は、厳しいと思うのですが、何にせよ「広告」「PR」「タイアップ」といった表示を小さくするとか、文字を大きく出すとかそういうことも必要になります。あと、我々一般消費者の立場からすると今までも言われていたので色々知っている方もいらっしゃると思うのですが、「広告」「PR」などの有無をよくチェックした上で、判断する必要があります。もちろん、広告だからダメ、というものではありませんのでよくチェックする必要があります。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 28, 2023
「10月から始まる、ステルスマーケティングへの規制」
これまでもステマによる騒動はたくさんありましたが、芸能関係の人に限らず、一般の方であっても気をつけなければいけないことがあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 28, 2023
例えば、知り合いから広告を依頼された新ブランドや商品を、評価が不明確なままにもかかわらず、あたかも好評であるかのようにSNSでPRする行為が、実はステマだったという例があります。ですので、企業側も依頼の仕方に注意する必要があります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 28, 2023
また、企業から金銭を受け取って第三者を装い、商品を紹介してはいけないということです。もし金銭を受け取ってPRを依頼されたら、明確に広告であること示さなければいけないということが大前提にあります。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 28, 2023
仮に金銭も受け取らず、本当に良い商品だと思って宣伝したとしてもステマだと思われる可能性があります。このように、SNSなどで情報発信する人は、商品の紹介の仕方やSNSの使い方に改めて意識を持たなければいけないと思いました。#ワンモ