network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.09.07

旧統一教会への解散命令
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「旧統一教会への解散命令」

吉田:政府は、宗教法人 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対して、来月10月をめどに、裁判所に対して「解散命令」を請求する方向で調整に入りました。昨年7月、安倍元総理が殺害された銃撃事件をキッカケに、長年に渡る政界との深い関係が取り沙汰され、法人による高額な寄付の勧誘を禁止する法律が作られるなど、大きな社会問題となった「旧統一教会」の存在です。実際に「解散命令」とはどのような段取りで出されるのか?命令を受けた宗教法人はどうなるのか?塚越さんに解説いただきます。


ユージ:改めて、昨年の銃撃事件をキッカケに取り沙汰された「旧統一教会」をめぐる社会問題を整理していただけますか?


塚越さん:まず、旧統一教会は高額な寄付金等が問題となっており、信者が億単位の借金を負わされたり、それによって家庭崩壊するケースもありました。安倍元総理を殺害した山上被告の家庭もそういったケースに該当しているのは、よく知られたことです。他にも旧統一教会は、自民党議員を中心に地方議員から国会議員など、政界にも影響力を行使してきました。元経済再生担当大臣の山際大志郎議員や、井上よしゆき議員などいます。選挙応援や議員秘書の派遣等もあったり、特にジェンダー政策の推進に反対するように影響力を行使するようなことも見受けられてきたということです。


ユージ:今回、宗教法人法に基づく「解散命令」を請求するそうですが、これはどういうことですか?


塚越さん:宗教法人法81条には「解散命令」が定められており、様々な規定があります。大きなところでは「著しく公共の福祉を害する行為をするとダメだよ」ということです。日本には信教の自由があるのですが、他人の権利や自由を奪うこと(公共の福祉の制約)はできないということになっています。そこで、高額献金で苦しむ元信者や過去の教団に関する民事訴訟の判決、また宗教法人法に基づき、教団に対して行ってきた質問(いわゆる質問権行使)に対して教団が提出した資料や質問に対して全然回答していないことがありまして、そういったことから、行政罰ということで10万円以下の過料がニュースになりました。こういったことから解散命令が必要だと国は判断しました。岸田政権としても、こういったことを出すことで教団と決別する姿勢を示したいということなんだと思います。


吉田:これまで「解散命令」を受けた教団はあるのでしょうか?


塚越さん:これまで解散命令を受けたのは、2団体ありまして「オウム真理教(1996年)」と、霊視商法詐欺事件を起こした「明覚寺(2002年)」です。どちらも最高裁まで争われ、解散命令確定までかかった時間は、オウム真理教で7ヶ月、明覚寺でおよそ3年です。


ユージ:「解散命令」の請求を裁判所は認めるでしょうか?


塚越さん:解散命令が請求されると、所轄の文科省と教団の間で裁判が開かれ、一般的な裁判と同じく地裁、高裁、最高裁まで争えます。教団の姿勢から考えて、おそらく最高裁までいくと思われますので、したがって解散命令が出るとしても、しばらく時間はかかるのではないかなと考えられます。憲法学者の中には、解散命令は可能という人もいる一方で、政府が特定の宗教団体を狙い撃ちにするのは憲法違反だ、という意見もあります。これまで解散命令が出た事例もあるので、このままいけば解散はあると考えられます。ただ、解散すれば宗教団体としての法人格を失い税制優遇などがなくなるのですが、活動自体は行うことはできます。故に、信仰自体は規制されているわけではありませんが、優遇措置がなくなってしまうので現役信者にもっと苛烈な「寄付してください」となるのではないかと懸念されているところです。


ユージ:解散命令を請求してこれで岸田政権として統一教会問題と区切りをつけられるのでしょうか?


塚越さん:岸田政権の対応は不十分だ、という指摘もあります。例えば、いわゆる被害者救済新法(不当寄付勧誘防止法)は、保護の対象が主に寄付者本人に限定されていて、家族親族の生活を困難にするような寄付は禁止ではなく、あくまで配慮義務とされているので、信者の家族がどこまで救済されるかという課題があることも指摘されています。また、解散命令が出されたことで区切りが出て、統一教会関連の報道が減ってしまうことも問題になります。そうすると、元信者の方や家族の方など苦しんでいる方はまだまだ問題は終わっていません。政治家に関しても、まだ問題はあったのではないか?と鈴木エイトさんが話していますけど、こういった報道が減ってしまうことも問題になってしまうので、注目していかないといけません。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top