network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.09.06

「内閣感染症危機管理統括庁」発足 その背景は?
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【「内閣感染症危機管理統括庁」発足 その背景は?】

吉田:政府の感染症対応の司令塔となる「内閣感染症危機管理統括庁」が9月1日に発足しました。塚越さん、まずはこの組織を発足させた背景を教えてください。


塚越さん:今回コロナ対応がうまくいかなかった反省を踏まえて、省庁や関係機関とのやりとりを一元化する司令塔をつくるのが目的です。コロナは初動対応がうまくいきませんでした。PCR検査が抑制されたり他国と比べても十分に受けられなかったこと、保健所に電話も繋がらなかったことも多々ありました。重症者が入院できず、ワクチン開発も海外に遅れを取りました。他にも、空港の水際対策、学校の一斉休校の混乱、緊急事態宣言による飲食店の休業要請など、その是非は別にしてもとにかく関係者も振り回されたり、混乱したということです。


ユージ:今の話を聞くとそのようなこともあったな。と思いますが、実はこれ数年前の話でそんな前じゃないんですよね。


塚越さん:そうですね。実は、2009年のインフルエンザ流行を総括した報告書を出されていて、当時も具体的な行動計画がなかったと準備不足が指摘されていました。その後の2020年も結局準備ができてなかったということで、今回の統括庁は次の感染症により本気で取り組もうというものです。


吉田:「内閣感染症危機管理統括庁」は、どのような組織なのでしょうか?


塚越さん:まず、4月に成立した改正内閣法に基づいて、統括庁は内閣官房に設置されます。平常時は38人が常駐し、緊急の場合は関係省庁の職員が併任を含め、最大300人態勢となります。担当は後藤経済再生担当大臣で、組織のトップは栗生官房副長官になります。事務を統括する感染症危機管理対策官は、厚生労働省の医務技監となっています。組織の発足に合わせて、専門家などがメンバーで、尾身茂氏が議長の「新型インフルエンザ等対策推進会議」は組織を見直しすることになり、下部組織の「分科会」も廃止される見通しです。最近、尾身さんが退任されましたけど、こうした事情があります。今回の統括庁の特徴は、省庁間の縦割り構造を廃止することにあります。コロナ禍では、ワクチンは厚労省、水際対策は外務省や法務省、自治体との調整は総務省など個別に動いていて、総理も個別に指示を出していました。統括庁はその名の通り、より省庁間の連携が強調されるので総理の指導力が発揮しやすくなることがあります。また次の感染症に備えて、2013年に策定したインフルエンザに対する行動計画を改定し、医療提供体制やワクチン開発、行動制限の基準や経済活動との両立など、メンバーが新しくなる会議の意見も参考に、具体的な行動計画を1年かけて策定する方針です。


ユージ:「内閣感染症危機管理統括庁」の発足について、塚越さんは、どのような印象を持たれていますか?


塚越さん:まず、日本は2009年のインフルエンザの教訓が活かされなかったわけで、今回も海外と比べて対策に遅れを感じることもありました。感染者情報にFAXを使っていたことなど、色々な荷詰まりがありますよね。なので、重要なのは今回のコロナをどこまで教訓できるかということです。政府は昨年6月に有識者会議で、300ページを超える報告書をまとめ、そこでの課題などを参考に今回の統括庁がつくられたという背景があります。そういう意味では「検証」されたことになるのですが、とはいえ新たな組織になればメンバーも代わるので、統括庁としての検証があっても良いのかなと思います。原発事故と並んで非常に大きい社会問題となったコロナなので、次のステップにいくために検証や課題を発見することが非常に大切なことだなと思っています。個人的にはこれまで政府と関係がなかった人が中心になって色々な検証があっても良いかなと思います。例えば、保健所職員の不足を指摘されていますが、そもそも最初から保健所がコロナに関してすべてを担う必要があったかなど、こういう根本的なところから課題を外から出していくことが必要だと思います。今回、統括長にこれらを行っていただくことが個人的に重要だと思います。同時に、検証など色々ありますが、国のしてきたことを忘れるべきではないですし、政府もより検証しメディアもそれを報道する。それによって、国民全体でコロナの課題や教訓を共有して忘れないことが重要じゃないかなと思います。


ユージ:あとは、各省庁に負担がかかっていて、専門分野じゃないことを急に行わなければいけなくなったこともあったと思います。だから上手くいかなかったこともあると思うのですが、これがまとまることによって今話されたように他のところの負担が軽くなって本来の仕事に集中できる省庁も出てきて良いカタチになればいいですね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top