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23.08.29

不登校の高校生が自宅から遠隔授業、文科省が単位取得を認める方針
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「不登校の高校生が自宅から遠隔授業、文科省が単位取得を認める方針」

吉田:文部科学省は24日、不登校の高校生への支援策として、自宅で遠隔授業を受けて単位を取得することを認める方針を決めました。神庭さん、文科省の今回の方針はどのような内容でしょうか?


神庭さん:共同通信の報道によると、高校の卒業に必要な単位は74以上あるのですが、その半分近い36単位まで、遠隔授業による単位取得を認めよう、という内容です。校長がOKすれば、「同時双方向」の授業を不登校の生徒が家からオンラインで受けた場合にも単位として認めます。また、授業動画を見てリポートを提出する通信教育を受ける場合も単位に含めるということです。


吉田:夏休み明けに不登校になってしまう生徒もいるという話も聞きますが、今回の決定について課題はあるでしょうか?


神庭さん:先生側の負担が心配ですね。学校現場はただでさえブラック労働と言われていて、そのうえオンラインも頑張るとなると先生方の負担になってきます。実際問題、目の前の生徒とネット上にいる生徒の両方を気にしながら授業を進めるのは結構大変です。接続状況は大丈夫か、映像や音声がうっかりミュートになったりしていないか、リモート組がちゃんと授業に着いていけてるかなど、神経を張り詰めながら教える必要があります。探究型の授業や、議論などをしながら考えを深めていくアクティブ・ラーニングでは、さらに難易度が上がりそうです。「全員対面」または「全員リモート」ならスパッと振り切れそうですが、双方入り混じることの難しさがあります。「こういうふうに決めたから、あとはよろしく」ではなく、現場の先生たちの声もしっかり聞きながら、地に足のついたやり方を模索する必要があるのかなと思います。


ユージ:そうですよね。先生も大変ですし、リモートで授業を受ける家庭・家族の負担もありそうですよね。


神庭さん:先生方の負担感も考えると「リアルタイム」にこだわりすぎなくていいのではないかと思います。必ずしも「生中継」方式である必要はなく、TVerとかYouTubeみたいに、録画されたものを見て小テストを受けて達成度をはかれば十分だと僕は思います。録画の授業動画も、わざわざその学校の先生がつくる必要はなく、全国一律で単元別の動画を用意して、それにアクセスできるようにすればいいわけです。予備校でいうところの林修先生みたいなカリスマ教師が国公立の学校にもたくさんいます。そういう授業上手な精鋭の先生方を集めて「神授業」動画をつくる方が各地の学校現場の負担も減らせますし、生徒も学びに興味を持てます。双方ハッピーという気がします。不登校の背景にクラスメイトのいじめや先生とのトラブルなどがある場合、「顔も見たくない!」というケースもあります。リアルタイムで教室とつながるより、全然知らない先生の授業の方がかえって気が楽だという場合があります。まとまった授業動画アーカイブがあれば、不登校以外の生徒の予習復習にも役立ちますし、塾代・予備校代も節約できるかもしれません。もっと言うと、別に授業自体も必須ではないのかなという気もします。


ユージ:「授業自体も必須ではない」。これはどういうことでしょうか?


神庭さん:不登校の理由は様々あって複合的なのですが、なかには学校の授業が簡単すぎて意義を感じられない「浮きこぼれ」的なケースもあります。「落ちこぼれ」の逆なのですが、いわゆるギフテッドまで行かなくても、この授業って意味あるのかな?と退屈している生徒も少なくありません。究極、学習内容さえしっかり理解できていれば、授業を受けたかどうかはあまり大きな問題ではありません。テストが出来ていれば単位として認める、習熟度に応じた飛び級もどんどん認める、といった柔軟な対応が出来るといいなと思います。


吉田:今回の決定は不登校の生徒についての対策ですが、不登校問題について神庭さんはどう思いますか?


神庭さん:2021年度の不登校の高校生は5万人ほどいて、小中学校はさらに多くて24万5000人近くいます。9年連続の増加で、過去最多です。長期欠席の子や保健室登校の子など、不登校傾向の子も含めるとさらに膨らみます。「異常だ、大問題だ」と大騒ぎするフェーズから、「どこの家庭にも普通に起こり得ること」に変わってきていると思います。不登校という選択肢があることで、子供が守られ、心の休養期間、リハビリ期間を得ることができます。登校を無理強いした結果、子供のメンタルが崩壊して最悪の結果を選んでしまうような事態に比べれば断然マシだと思います。問題は、不登校の子供たちが急増する一方で受け皿になるような機関やフリースクールが不足していることです。赤字やカツカツで営業しているところも多いので、学校以外の子供たちの居場所、学びの場に対して公的支援を充実させていくことが大切だと思います。


ユージ:子供と向き合う保護者も大変ですよね。


神庭さん:自身も引きこもり経験のある髭男爵の山田ルイ53世さんは「キズキ共育塾」のインタビューでこんなふうに話しています。「子供が不登校やひきこもりになると、『親も悲壮にならないとダメだ』みたいな空気感がありませんか?『うちの子は引きこもったから、ドロップアウトしたから、レールから外れたからこれはもう大事件だ』みたいな。大事件には違いないのですが、それで親まで『はぁ・・・』みたいになるのも違うと思います。子供がひきこもっていても、ママ友と料理教室に行ってもいいと思うんですよ」と話していて、これは本当にその通りだと思います。どうしても不安になってしまったり、焦ったりします。


ユージ:そうですね。子供が何かに悩んでいて、明るくない元気がないときに自分が楽しんでいいのかなと思いますよね。そこは楽しんで良いんですよね。


神庭さん:過度に焦らず、悲観することなく追い詰められすぎずに、お子さんと向き合っていただけたらなと思います。


そして、今日の#ユジコメはこちら。







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