23.08.28
新型コロナウイルス「エリス」と日本の現状

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【新型コロナウイルス「エリス」と日本の現状】
吉田:新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にある中、オミクロン株の新たな派生型である通称「エリス」と呼ばれる変異株が話題になっています。まずは神庭さん、このエリスについて教えてください。
神庭さん:オミクロン株から派生した変異株で正式名称「EG.5」、通称エリスと言います。エリスというのはギリシャ神話に登場する、争いや不和の女神。世界保健機関(WHO)は9日、「EG.5」を「注目すべき変異株」に指定しました。ベータ株やガンマ株、デルタ株、オミクロン株はもっとも警戒レベルが高い「懸念される変異株」に分類されていましたが、それに比べると1段階下の扱いです。8月7日現在のデータで、米国、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、中国、韓国、日本、シンガポールなど世界51カ国で報告されています。
ユージ:感染力や重症化リスクはどうですか?
神庭さん:全世界の感染者に占めるエリスの割合は6月段階で7.6%でしたが、7月には17.4%まで上昇しました。WHOによれば、エリスの比率が上昇しているいくつかの国では、患者数と入院数が増加しているそうです。免疫からの逃げやすさや増殖速度などから、今後、世界的に蔓延し感染者の急増につながる可能性があるということです。一方で、WHOは「現在までのところ、重症度の変化は報告されていない」「公衆衛生上のリスクは、世界レベルでは低い」とも分析していますから、いたずらにパニックになる必要は全然ないということも、あわせて伝えておきたいと思います。
吉田:もうひとつ、気になるのが日本国内の新型コロナの感染状況です。増えているという声もよく耳にしますが…。
神庭さん:全国約5000の医療機関で8月14日から20日までに報告された新型コロナの感染者数は8万6756人。1定点あたり平均17.84人で14.16人から1.26倍に増加しています。それまで緩やかな減少傾向でしただったが、3週間ぶりに増加に転じた形です。お盆には人との接触や移動が増えますから、変異株のエリスに関係なく、例年、お盆明けに感染拡大のピークを迎えています。厚労省は報道各社の取材に、この増加傾向が今後も続くのか注視する必要があるという見解を示しています。
ユージ:ワクチン接種は、どうなっていますか?
神庭さん:5月に始まった春の接種は高齢者や基礎疾患のある人、重症化リスクの高い方や、医療従事者らが対象だったんですが、来月9月20日からは秋の接種がスタートします。こちらは年齢や重症化リスクにかかわらず、初回接種を終えたすべての人が打つことができます。今年度は無料です。東京都の場合だと、ファイザー、モデルナ、ノババックスの3種類。今日28日の11時からネット予約が始まります。オミクロンのXBB.1.5に対応したワクチンになっています。
ユージ:ということはエリスには対応していないんですか?
神庭さん:確かにターゲットはXBB.1.5ではありますが、EG.5(エリス)もXBB.1.5に似ていると言われています。日経新聞によると、ファイザーやモデルナが秋以降に提供する次期ワクチンに関して、両社とも初期の治験でエリスへの有効性が確認されたと発表しています。僕自身は前回の接種が去年の10月で1年近く空いたのと、年末に向けて飲み会なども増えるので、いちおう打っておこうかなと考えています。ちなみにNHKの報道によれば、日本医師会の釜萢常任理事はワクチンに関してこんな風に話しています。「すべての年齢の方に対して、ワクチンの効果の有効性というのは直近のエビデンスでもしっかり積み上がってきているところで、信頼性は揺るぎないものがある」そのうえで、「過去の接種において非常に副反応が強く出た方については、その経緯も踏まえて、ワクチンの選択を慎重にやっていただきたい」とも仰っています。大前提として、接種は任意です。ワクチン副反応が重くてあまり合わなかったよという人もいれば、身近に重症化リスクのあるご家族がいて心配だとか、これから受験を控えている、いついつに手術を受けないといけないなど、皆さんそれぞれ置かれている状況が違うので、各自の状況や環境に応じて、リスクとベネフィットを天秤にかけて、ご判断いただけたらなと思います。
ユージ:神庭さんは、エリスの感染拡大、どう受け止めるべきだと思いますか?
神庭さん:重症化リスクは上がっていないということなので、過度に心配する必要はないかなと思います。いつも言っていることですが、恐れすぎず、侮りすぎずの姿勢が大事です。かからないに越したことはないので、個人レベルでは手洗い、換気、混雑時のマスクなど、無理なくできる範囲での対策をとっていただければと思います。マクロで見ると、エリス云々にかかわらず、例年、年末年始に向けて感染者数が増えていくことは大体わかっているので、いざ増えてからバタバタ、オロオロ動揺するのではなくて、医療機関が逼迫しないように、政府や自治体の司令塔機能をさらに強化するとか、薬局から解熱鎮痛剤や咳止めがなくならないように供給体制を整えておくとか、あらかじめできる準備を進めておくことが重要になってくるかと思います。今年1月にも中国人観光客の解熱剤の爆買いが問題化しましたし、先日、中国からの団体旅行も解禁されたばかりなので、同じことの繰り返しにならないように、改めて注意喚起など必要になってくるのではないでしょうか。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 28, 2023
テーマは『新型コロナウイルス「エリス」と日本の現状』
新型コロナが5類に移行したということもあり、
関連ニュースの報じ方も変わってきています。
それに伴い、新型コロナに関するそれぞれの認識や
受け止め方も大きく変わったのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 28, 2023
マスクをする人も少なくなり、
外出を楽しめるようになったのは良い点ではありますが、
決して新型コロナウイルスがなくなったわけではありません。
報じ方が変わり、取り上げられる機会が少なくなっただけで、
今も変異株である「エリス」が改めて話題になっています。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 28, 2023
ワクチン接種等は個人の自由でいいと思います。
ただ、みなさんがこれまで培ってきた
新型コロナに対する意識や対策がありますので、
感染して誰かに迷惑をかけてしまう可能性がある以上は、
“新型コロナはなくなったわけではない”と
今一度認識しておく必要があると思いました。#ワンモ