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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.08.10

最新の食料自給率から見えてくる課題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「最新の食料自給率から見えてくる課題」

吉田:今週月曜日、農林水産省は2022年度の食料自給率を公表しました。それによると、昨年度の自給率はカロリーベースで38%。これは前年と同じ水準で「横ばい」でした。一方、生産額ベースでみると前年度より5ポイント下がって58%です。こちらは過去最低水準でした。農水省はカロリーベースで45%。生産額ベースで75%を目標にしていますが、その値まで引き上げるために、どのような対策が必要なのでしょうか? 塚越さんに解説いただきます。


ユージ:まずは基礎的なところから伺いたいのですが、そもそも「食料自給率」とは何なのか?「カロリーベース」と「生産額ベース」の違いについても教えていただけますか?


塚越さん:まず食料自給率とは、簡単に言うと「日本全体で消費された食料」に占める「日本で生産した食料」の割合のことです。指標は主に2つあります。1つは、人間が生きるのに必要なエネルギー=カロリーを基準にした「カロリーベース」です。カロリーなので、やはり野菜等よりは穀物(お米)などのウェイトが大きくなる品目で、カロリーベースだと38%になります。もう1つは、生産額ベースで要するに「お金」のことです。国内で消費した食料の額に対して、国内で生産した食料生産額の割合を示した「生産額ベースの自給率」があります。こちらは金額ベースなので、単価の高い畜産物や野菜、魚介類の影響が大きくなるのですが、そうしたものは国産品の方が高くなる傾向があり、カロリーベースより自給率が高くなって58%になります。


吉田:農水省の目標値との比較でみるとカロリーベースで7%、生産額ベースで17%も差があります。この数字は国際的にみて、いかがですか?


塚越さん:カロリーベースの食料自給率だと農林水産省の試算では、高い国だとカナダが233%、オーストラリアが169%、アメリカが121%、フランスが131%です。これらの国は、農産物の主要な輸出国になっています。こうした国は生産額ベースも高く100%を超えていたり、それに近い数字になります。ただ、気候の影響等でつくれない農産物などもあるので、食料自給率100%だとはいえ、輸入を全くしないということはありません(ブランドのある肉や果物なども輸入)。食料自給率はこうした自給率の高い国以外でも、カロリーベースでいうと韓国が35%、ノルウェーが43%、日本が38%とそこまで変わりません。とはいえ、日本の食料自給率は主要国と比較すると非常に「低い」というのが課題です。


ユージ:この数字をみると、かなり差があると感じました。なぜ、日本の食料自給率は低いのでしょうか?


塚越さん:国産肉が結構あると思う方がいると思いますが、大きな要因は飼料の輸入による生産相当分を食料自給率から除くためです。例えば、国内で消費される牛肉の約4割、豚肉は5割、鶏肉の6〜7割は国産品です。ですが、飼料の費用等を引くと牛肉の自給率は10%、豚肉は6%、鶏肉は8%と、とても低い数字になります。肉類の生産にかかる飼料は、とうもろこし等ありますが、その多くは海外からの輸入に頼っている状態です。さらに、小麦の自給率は17%、大豆は7%程度になります。小麦はうどん、特に大豆は味噌、醤油、納豆、豆腐といった日本食に欠かせないものですが、自給率が驚くほど低く、多くは輸入に頼っている状態です。原因としては、消費量の大幅な増加です。江戸時代まで3000万人くらいだった人口が、明治がはじまってから一気に人口が増えて、1967年に1億人を突破しました。一気に消費量が増えたこともあり、国内では供給が追いつかない状態になります。


吉田:低いと、どういったことが問題になるのでしょうか?


塚越さん:農産物を輸出できる余裕のある国が少ないです。異常気象で生産量が減少したり、ウクライナは小麦の輸出国でしたが、戦争の影響で制限されたことなどもあり、こういったリスクがあります。色々考えると、国内で生産できるものはなるべく国内で生産するというのは、当然の方針とも言えます。


ユージ:どうしたら自給率が上がりますか?


塚越さん:例えば国内生産を増やすために、消費量が減少したお米の代わりに田んぼを活用して、小麦や大豆を生産する試みが進められており、1998年に9%だった小麦の自給率は昨今17%、大豆も3%から7%に上昇しました。あと品種改良で、小麦の「ゆめちから」がきっかけで、国産のパンが増えています。あと、できることは我々が国産を選んだり、廃棄食料を減らすことなどあります。個人的には、お米が好きなのでお米を沢山食べることが良いことかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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