23.07.24
取るだけ育休、取らされ育休

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「取るだけ育休、取らされ育休」
吉田:政府は先月取りまとめた「こども未来戦略方針」で、男性の育児休業の取得率について、2025年に50%、30年に85%とする目標を掲げました。しかし、専門家からは、取得率にこだわりすぎると「取るだけ育休」「取らされ育休」が増えるのではないかと危惧する声が上がっています。
ユージ:男性の育休取得率を上げる方向で頑張っていて、多少上がっているけど全体でみるとまだ少ないと番組でも取り上げましたが、なかなか進んでいませんよね。この「取るだけ育休」「取らされ育休」の言葉を初めて聞いたのですが、すごく分かるというか、想像できます。改めてどういうことでしょうか。
神庭さん:男性の育児休業取得率を引き上げて政府目標を達成するために、本当は取りたくないけど、企業のパフォーマンスで形だけ育休を取る、取らせるような風潮を指した言葉だと思います。最近、時事通信社の記事「男性の『取らされ育休』警戒 政府の取得率目標設定で」を配信したことで、改めて話題になっています。経団連の調査によると、去年の段階で男性の育休取得率は47.5%、取得日数は平均で43.7日でした。前年の取得率は29.3%だったので、18.2%の大幅アップということになります。
ユージ:そういうことを聞くと、去年の段階で47.5%ということは結構順調ですね。
神庭さん:経団連の調査結果だけを見るとそう見えるのですが、そもそも経団連のアンケートは1518社の対象社のうち、18.3%しか回答していません。もともと男性育休取得の意欲が高い企業や大企業が積極的に回答し、見かけの取得率が高くなっている可能性もあります。実際、中小企業や事業所も含めた厚労省の2021年の調査だと、男性育休の取得率は13.97%にとどまっており、目標達成はかなり厳しい情勢かな、と思います。もっと言うと、「率」だけを追いかけて「質」が疎かになっては意味がありません。
ユージ:これはどういうことでしょうか。
神庭さん:経団連の調査では取得期間1ヶ月以上の企業が6割を占めたのですが、従業員数300人以下の企業に絞ると半分の3割にガクッと落ちました。中小企業ではごく短期間での取得が目立ち、「5日未満」が46.2%に達しました。大企業では日数が長いですが、中小企業では人繰りも厳しく長く取りたくても取れません。結果、「取るだけ」の傾向になります。出産・育児アプリ「ママリ」を運営するコネヒトの調査で、育休取得した男性の1日の家事育児時間を聞いたところ、「3時間以下」と答えた人が44.5%にのぼりました。この実態は3年間でほとんど改善してません。夫が家事・育児3時間以下の「取るだけ育休」だった場合、妻の3人に1人が不満を訴え、16.3%の妻が今後「育休を取得してほしくない」と回答しているそうです。
吉田:取るだけだったら、むしろ育休取得して欲しくないという人もいますよね。
神庭さん:残念ですが、そういうことで、夫の食事を用意しないといけないのは大変ですし、子どもが1人増えたような感じになってかえって手間がかかるのであれば、いない方がマシだと判断されてしまいます。あくまで育児休「業」であって、休「暇」ではありません。そこを勘違いしている人も、なかにはいるのかもしれません。これは育休期間に限った話ではないですが、夫が家事育児に関与する時間が短いほど、産後に妻が仕事を辞める傾向が強まるデータも出ています。
ユージ:「取るだけ育休」にしないために、どんな対策が必要でしょうか?
神庭さん:先ほどのコネヒトでは、「取るだけ育休」を防ぐための「7つの法則」をまとめています。一部を抜粋すると、家事育児の「量的な担当」をしっかりやる。ですね。特に上の子の家事やお世話は夫が主に担当するケースだと、妻から好評だったといわれています。あとは、「精神的に支える」ことです。産後の体の状態を理解して寄り添い、家事育児の大変さを理解していることにありがたさを感じている妻の声が多かったです。もう1つは、「十分な期間育休取得して欲しい」ということです。そのあたりがやはり大切になっていきます。
ユージ:「取るだけ育休」問題、神庭さんはどう考えていますか?
神庭さん:絶対にいけないのは、この問題を男性と女性のバトルのように捉えてしまうことだと思います。有償労働と無償労働を合わせた総労働時間で比べると、日本は男女ともOECDで最長です。では男女で何が違うかというと、有償労働と無償労働の割合です。日本の男性は有償労働の割合が総労働時間の92%を占めていて、際立って長いです。つまり、男性が遊んでブラブラしているというよりも長時間労働や残業に忙殺されて、家事育児する余裕が全然ないという構図が浮かび上がってきます。もちろん、先ほどあげたような育休中の過ごし方に関して、やるべきこともあると思いますけど、「男性の意識改革」だけですべて片付けられるような話ではありません。「男性の意識改革が大事です!」みたいな精神論ではなく、残業時間を減らしながら、収入をどうやってキープするか?育休中の代替要員をどう確保するか?通勤時間を減らすため、リモートなど柔軟な働き方ができないか?といったことを、社会全体、マクロの視点で考えていくことが必要だと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 24, 2023
テーマは「取るだけ育休、取らされ育休」
育児休“業”ではなく、育児休“暇”になってしまっている人が多い、
というのは問題の1つです。
これにはいろんな原因がありますが、まずは休業期間が短すぎること。
中小企業では5日以下というところもあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 24, 2023
もちろん育児は5日では終わりません。1ヶ月休みを取ったとしても
子どもの成長はそれ以降もずっと続きます。
では育児休業はどれくらいの期間が適切なのか…
正直僕は年単位で取らないと、
夫婦や子どものためになる休業にはならないと思います。
でも、現実的には難しい。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 24, 2023
それならば、休みを取ることばかりに重きを置く育児休業ではなく、
例えば、子どもが生まれた家庭には給料UPなど…
まずは会社に勤めながら子どもを生んで育てることに
デメリットやネガティブなイメージを感じなくなるような
違う視点でのアイディアが大事だと思いました。#ワンモ