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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.06.08

AIアイドルのブレイクと、今後の課題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「AIアイドルのブレイクと、今後の課題」

吉田:先週月曜日、AIで画像生成された架空のグラビアアイドル「さつきあい」の写真集を集英社が発売しました。実在するアイドルの写真と勘違いするほどの出来栄えが話題となりました。ところが集英社は、昨日「AI生成物の商品化については、社会的な議論の深まりを見据えつつ、より慎重に考えるべきであったと判断するにいたりました」として、“販売中止”を発表しました。さらに別の企業が作成した“実在しない”19歳の港区女子、「神宮寺藍」のTikTokは100万回再生を突破しています。彼女もAIが画像生成した、AIインフルエンサーです。AIが生み出したリアルなキャラクターは、確実に多くの方に受け入れられている一方で、今回、集英社が判断したように、まだまだ課題があることが示されました。この問題、わたしたちは、どのように考えるべきなのか?塚越さんに解説いただきます。


ユージ:AIによる画像生成で、実在するかのようなクオリティの画像を作る。そもそも、どうやって作られるのですか?


塚越さん:画像生成AI技術の前から、いわゆる被写体の「修正」技術は数多く存在しました。最近、話題を呼んでいる「ミッドジャーニー」や「Stable Diffusion」といった画像生成AIソフトでプロンプト(文章で指示)すると作成してくれます。ただ「かわいい」や「髪の色」といった指示だけだとありきたりになるので、より細かな指示が重要でして、その指示を専門にビジネス化する方もいまして、最近は技術が発展しています。


吉田:コンピューターグラフィックでリアルな人間の画像を作ることは、これまで、膨大なチャレンジが行われてきました。なぜ、ここへ来て、実在するタレントさんと見た目が遜色ない「AIタレント」のデビューが増えているのでしょうか?


塚越さん:やはり技術が向上し、かつコストがかからなくなったことが大きいです。少し前までは、コンピュータで書かれた人間の画像は、やはりどこか合成っぽく、気持ち悪く感じてしまいます。こうした状態を「不気味の谷」といわれてます。最近は、不気味の谷を超えて違和感のないリアルな画像が出てくるようになりました。しかも、生成AIを使うと簡単に作れてしまうことで大人気になっています。


ユージ:集英社が下した今回の判断を塚越さんは、どう考えますか?


塚越さん:今回、集英社の写真集について色々な批判があったと思うのですが、それに上手く回答できるほど、まだ議論が成熟していない状態でして今回は一旦引くという判断だったのかな、と思います。ですが、小規模なところではどんどん使われていく可能性があり、さきほど話した「神宮寺藍」がTikTokで人気です。本物と信じた方も多かったのですが、実際はAIで生成されたものだったそうです。


吉田:話題になる画像は「女性」が多いと感じますが、ここも変わるのでしょうか?


塚越さん:この「神宮寺藍」のケースだと、ぽっちゃり体型だったのが、ダイエットして30kg痩せたという架空のストーリーをbefore/afterの写真つきで投稿しています。こうしたストーリー設定もあって、女性ファンに好評だったということです。ネットだと綺麗な女性は男性人気が多く、アダルトなものを含めて広告に利用できるという背景もあります。ですが、今回のようにやり方によっては男女に関わらず興味を持たれました。要するに、「人の歴史=物語」を含めて商品化できます。ただ、それを人間が良いと思うのか、なんだか気味が悪いと思うかが今後の論点かな、と思います。


ユージ:AIが作るリアルなキャラクターについて、今後の課題は何でしょうか?


塚越さん:ポーズのバリエーションが少ない等の問題がありますが、これは技術的に解決できます。次に著作権です。“似ている”というのは生成AI全般の問題でこれから議論されると思います。個人的には、10代の女性はSNSで綺麗な子ばかりを見てしまうと、自分のメンタルにダメージを受ける方が結構いて、昔から、FacebookやInstagramなどを見過ぎると、特に若い10代の女性はメンタルにダメージを受けてしまうという調査があるんですよね。


吉田:無理なダイエットで拒食症や過食症になってしまったり、そういうことも不安ですよね。


塚越さん:僕の授業でもこういう話をすると、「私もちょっと厳しくなって、SNSを見たくなくなちゃった…」と話してくれる女生徒もいました。なので、若い方には、自分を見失わないように「これはあくまでネットの世界の話」ということを含めて、こういったところのやりとりも今後必要になるかな、と思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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