23.04.20
統一地方選挙で浮き彫りになった“候補者不足問題”

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の城西大学 助教、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『統一地方選挙で浮き彫りになった“候補者不足問題”』
吉田:4年に一度行われる『統一地方選挙』。多くの自治体で議会議員選挙の候補者が定数に満たず、選挙戦でお互いの政策について意見を戦わせることなく、投票なしで全員当選という事態が起きています。この問題は、住民が少ない地方に限ったことではなく、東京・中央区の区長選でも対立候補が現れず無投票で当選が決まるなど、都市部でも起きている現象です。この問題には、どういった背景があるのか?塚越さんに解説をお願いします。
ユージ:全国的に立候補者が不足しているということなんですけど、この実態はどんな様子なんでしょうか?
塚越さん:4月9日に投開票された道府県議会選挙は939選挙区で行われましたが、うち348選挙区、37.1%が無投票での当選となっています。また、16日に告示された市議選では、長野県岡谷市が定員18名に対して立候補者が17名と定員に満たない、いわゆる「定員割れ」で全員が無投票で当選ということで、この定員割れは、1936年の市制施行以来初めての事態だそうです。立候補者が少ないのは、特に小規模な町や村です。16日に告示された294の市議選では、先程の岡谷市を含めた14市、計237人の無投票当選が決まったということです。総務省によりますと、4年前の統一地方選挙では、8つの町と村の議員選挙で定員割れが起きたんですが、市議会ではなかったということで、より大きな単位の選挙でも定員割れが起きているということですね。
吉田:なぜ、“候補者不足”、そして、“政治家のなり手不足”が起こる事態になってしまっているのでしょうか?
塚越さん:まずはやっぱり、“人口が減少”しているということ、それから、“高齢化”が進んでいる、町村の“議員報酬の低さ”などがあります。個人的には、政治家に憧れを抱く人がちょっとずつ減ってきているのかなという気もするんですよね。また、朝日新聞が地方議会に行ったアンケート調査で“候補者不足が課題”と答えた議会にその理由を訪ねました。多い順にですね、「議員報酬が少ない」、「仕事との両立が難しい」、あとは「有権者の関心が低い」などだったんですね。
ユージ:“報酬が少ない”っていうのは、具体的にどのくらいなんですか?
塚越さん:人口の多い自治体の議会議員は月額で100万円近い報酬のところもあるんですけれども、人口が少ない自治体だと、月に10万円台だったり、場所によっては数万円というところもあるそうです。2018年の町村議会の月額報酬の平均は21.4万円。これが市議会議員になると約40.7万円。都道府県の議会議員だと約81.3万円ということで、小さい単位になってくると厳しいかなというところはあると思いますね。
吉田:“候補者不足”の解決策はなにかあるんでしょうか?
塚越さん:参議院が発行します、『立法と調査』という調査報告誌がありまして、これの2019年の報告ですと、やっぱりですね、“議員報酬が低い”ということ、あるいは、経費に関する“交付税措置額が低すぎる”ということが国会内でも議論されています。人口が少ないので税収が少なく、結果的に議員報酬を賄いきれないという話しなんですよね。また、地方議員は、一般的に兼業は禁止されていないんですけれども、地方公共団体の常勤の職員などとの兼業は禁止ということになってます。なので、公務員は一部の例外を除いて、公職の選挙に立候補した時点で職を失う決まりになっているんですね。そこで、例えば、地方公務員が自分が務める自治体以外の自治体で議員になった場合は兼業を認めるなどですね、そういった様な条件で緩和することも必要なんじゃないかなと提言されているわけですよね。そして、実際に今年の3月に『改正地方自治法』が施行されまして、これまでは、自治体と継続的な取引がある個人事業主は兼業禁止だったんですけれども、これを年間の取引額が300万円までなら兼業を認めるようになったということなんですよね。そうじゃないと、いろんな意味で生活も仕事も大変だということなので、兼業しないと議員が増えないということですよね。他にもいろんな調査でですね、“夜間や休日の議会を開催”とかですね、“議員との兼業を認めるよう企業に要請”も必要なんじゃないかという議論もあったりします。ということで、いろいろと課題は多いんですけれども、明るい話もありまして、女性の立候補者が増えているということがあるんですね。18日に告示された373の町村議会議員の選挙では、女性の候補者は前回より91人多い、667人となっていまして、立候補者数全体の14.6%を占め、これまでで最も高い数字になっているということなんですね。なので、いろんな方が立候補するのは素晴らしいので、こういう話はいいことだと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 20, 2023
『#統一地方選挙 で浮き彫りになった“候補者不足問題”』について
多くの自治体で候補者が定数に満たず、無投票で全員当選するという事態が起きています。
候補者不足になっている大きな理由は「議員報酬の低さ」にあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 20, 2023
特に人口の少ない地域では税収が少ないため議員報酬が低く、真っ当な政治活動をするには資金が足りないという課題があります。
僕は議員報酬を上げるべきだという考えですが、出来高制にするのも良い手段だと思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 20, 2023
このような議員活動の成績に見合った報酬を与える制度があっても良いのではないでしょうか。
成績をいかに数値化するのか、その辺りの法整備が難しい所ではありますが、候補者不足問題の解決にいち早くつながれば良いなと思いました。#ワンモ