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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.04.13

外国人の技能実習制度
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の城西大学 助教、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただくテーマはこちら!


『外国人の技能実習制度』


吉田:今週10日、外国人の技能実習制度の見直しを検討する政府の有識者会議が開催され、これまでの議論をまとめた中間報告書の“たたき台”が示されました。このなかで、現在の制度は廃止して、新制度を作るべきとの提案がなされています。1993年に制度が始まって以来、さまざまな問題点が指摘されていた『技能実習制度』。具体的にどのような問題があったのか?塚越さんに解説していただきます!


ユージ:まず伺いたいのは、そもそも『技能実習制度』とは、どのような目的で作られた制度ですか?


塚越さん:1993年に国際貢献の一環として制度化されたものでして、開発途上国が必要としている技術や技能を日本での実習を通して学んで、それを自分の国に移転するという目的がある国際貢献だったんですよね。日本に技能実習生は、昨年6月の時点で約33万人いましてそのうち56%がベトナム人の方です。職種はですね、建設業や食品製造業など86ありまして、最長で5年間働きながら技能を学ぶというものです。ただ、その実態は、労働環境が厳しい業種などを中心に外国人労働者として人手を確保する手段になっているということなんですよね。そして、2020年度の月の平均賃金は、滞在期間や試験の合格などで変わりますけれども、おおむね毎月17万円~20万円余りと安くなっていますし、もちろん、もっと安いケースもあります。“目的と実態がかけ離れている”という指摘も多くてトラブルも多く以前から問題視されていた制度になっています。


吉田:どういったトラブルがあったんでしょうか?


塚越さん:実習生の受け入れ方法は主に2つのパターンがあるんですけれども、多いのが『団体監理型』というものでして、商工会議所とか協同組合といった非営利の管理団体が受け入れて、傘下の企業などで実習を行うんですね。『団体監理型』の技能実習生は、2ヶ月の講習が終了すると受け入れ先に雇用され、日本の労働者として法令が適用されます。なので、労働時間なども原則として、1日8時間・週40時間。時間外労働とかは手当が支払われなければならないということなんですけれども、実態はですね、なかには実習先でタイムカードの記録の改ざんされたりとか、悪質なケースが報告されてまして、労働賃金や労働時間を守らない企業も多いということになっています。さらに、暴力だったりセクハラだったり、労災隠しなども横行していて、日本語が不自由ということもあるので、こういったことを隠すところも出てきてしまっているということですね。


ユージ:なぜ、そういうトラブルが起きてしまうのでしょうか?


塚越さん:なぜこうなるかというと実習生の半分以上は、母国の送り出し機関だったりブローカーに高額の手数料を払って来日しているので、そもそも借金を背負ってやってくる人が多いんですよね。なので、ひどい目にあっても簡単に母国には帰れないので、声をあげづらい状況にあり、先ほども言ったように日本語も難しいということですよね。技能実習制度では、転職だったり、転籍と呼ばれる働く企業を変更することも原則できないので、これはこれで“人権侵害ではないか”と指摘されることもあります。もちろん、ちゃんとした対応されている受け入れ企業もたくさんあるんですけれども、企業によっては、技能実習生を“都合のよい労働人材”とみなして悪用してしまっている。また、先ほども言ったように、技能実習生の多くは来日にあたって借金をしているので、さらに母国で説明された収入よりも実際は額が少ないことも多いということなんですよね。その結果、職場から逃げ出す実習生も多く、2021年は年間7000人が受け入れ先の企業から逃げ出しているということで、それくらい劣悪な環境にあるということ。そして、逃げた方は、金払いが良い『ヤミ労働』を行うようになったり、場合によっては、犯罪に手を染めるケースも増えてきていまして、犯罪を犯す方も悪いんだけれども、それを超えて「制度の問題ではないか!」とずっと言われているんですよね。


ユージ:そうした課題があることを踏まえて、新制度はどんな点が改良される見込みなんでしょうか?


塚越さん:制度を新しくしようということで基本的に専門家の多くは、“今ある『技能実習生制度』の廃止を歓迎”しています。新制度への移行を求める中間報告のたたき台によりますと、これまで認められていなかった『転籍』の条件を緩和するとかですね、あるいは、3年以上の実習を修了した技能実習生がより中長期的に働けるような制度改革も行われる見込みですし、あとは、やっぱり、実習生の受け入れを仲介してきた『管理団体』への審査を厳しくし、ちゃんと厳格にしてですね、「労働者として人を扱いましょうね」という単純なことに変わるということなんですよね。技能実習生の方たちは、本当に多くてですね、こういう方々が工場などでいろいろと働いてくれないと日本の労働が成り立たない、日本は事実上の移民大国になっていて、外国人労働者の方たちがいないとかなり厳しいんですよね。でも、扱いがかなり悪いということで、世界的にも人権問題としてこの制度が批判されているんですよね。最近、少子化問題を番組で取り上げていますけれども、やっぱり、外国人労働者の方たちを労働者としてちゃんと受け入れるということも真剣に考えていかないと、ゆくゆくはですね、そういう方たちが日本で暮らして普通に生活していくということも1つの考えとして議論しないといけないと思うんですよね。どうしても、日本は鎖国国家なんて言われたりもしますけれども、心は鎖国してはいけないと思います。この問題は本当に重要なので、ぜひ関心を持っていただくといいかなと思います。



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